2010年11月29日月曜日

湯河原幕岩でクライミング

11月27日(土)、28日(日)は遊びで湯河原幕岩。

といっても、来週末の湯河原でのリード講習に備えて、下見という面もあり。

初日は、空いている易しいエリアを求めて偵察。
超入門ルートから7本を試登しつつ、エリア巡り。
なんとか見つけることが出来ました。

条件は
・超入門の5.9くらい
・ボルト間隔もまずまず
・ボルトそのものの安全性もまずまず
・付近にちょっとだけ難しいルートもある
・同じルートで繰り返し練習出来るくらいガラガラの空き具合

といった条件で、探すので、アプローチの近さ、ルートの面白さ、足場の良さは二の次です。

2日目は、自分のクライミング。

「今日は人気ルートで、空いたところを適当に登ってトレーニング」なんて思っていたら、人気ルートで空いているのは難しいのばかり。
全ての初級ルートが順番待ちなのを見て、モチベーションは地の底へ。
(5.7から5.11前半まで、ほとんどロープスダレ)

またもや不人気エリアを求めて徘徊しました。
ウォームアップは、錆びたボルトの短いルートを数本。

そんな徘徊中、まぁまぁ面白いルートを最後に発見。
とにもかくにもオンサイト出来たのは良かったです。

夕方は、ルートの順番待ちに嫌気が差して、ボルダーを楽しみました。

具体的なルート
初日
某不人気エリア5.9から5.10bまでを7本O.S.

2日目
・ピーターパンロック(短く、ボルトは錆び錆び、ハンガー交換はされている)
ピノキオ(5.10a)、シンドバッド(5.10b)、ピーターパン(5.10d)

・サンバリー
マザースカイ(5.11b)O.S.、ルート名不明(限定がよく解らず、グレードは不明)

・豆粒岩ボルダー
8級から4級までを適当に何本も


湯河原の人気エリアの混み具合は、尋常じゃないですね。
順番待ちに関するマナーでも、問題ある人が多い様子です。
僕の友人クライマーからも、あちこち嘆きとイライラの言葉が聞こえてきました。

初心者エリアは、いろんな意味で大変ですね。
場所取り合戦&ルート譲りませんよオーラ、などなど。

2010年11月27日土曜日

リード講習(落ちる練習)

11月26日(金)の夜は、ランナウトにてリード講習。
本日は、常連のYさんとTさん。

いよいよリード講習のクライマックス、落ちる練習とビレイで止める練習に入りました。
「ついにここまで来たか」と、少し感慨もあります。

落ちるのを嫌がる初級者は多いですが、落ち慣れは素晴らしいことです。

・ギリギリまで頑張れるようになって、フリークライミング上達速度アップ
・落ちるくらいまで頑張ることで、スポートクライミングのスポーツらしい楽しさアップ
・小さなフォールを繰り返す中で、正しいビレイなどを実感
・どんなときに落ちそうなのか正確に把握出来るようになり、アルパインなどで落ちちゃいけないときも、安全性アップ

とはいえ、恐いんですよね。
「良薬口に苦し」。落ちまくるしかありませんね。

こういうことは、コーチ役が居ると、頑張れる面もあります(笑)。

2人とも、着実に着実に成長を遂げています。

具体的な講習内容
・超基本ムーヴの復習
・落ちる練習(軽い振られ落ち、最終ピンが足下までは頑張って!)
・リードのビレイ(繰り出しのコツ、体で流す)

2010年11月25日木曜日

山岳ガイドになるには?




11月25日(木)は、山道具屋デナリの店番にまたも狩り出されました。
本格的に人手不足なので、アルバイトに興味のある方は!

さて、またもや新しいガイド志望の方に会いました。
魅力ある仕事に見えるのか、それとも簡単そうに見えるのか、ガイド志望の方はとても多いです。

僕はインストラクターだと自負しており、ガイドらしいガイドとは違います。
が、富士山ではガイドもしておりますし、山岳ガイド資格試験の経験者としても、毎回相談に乗ったりしております。


というわけで、この機会にガイドの能力を紹介してみましょう。
もしかすると、ガイドになりたい人なんかもこのブログを見るかも?

では、ガイドに必要な能力って何なのでしょうか?
主なものを挙げると
・安全管理能力
登山経験から来る判断力と緊張感、登山技術、体力、プロとしてお客様のリスクを最小限に抑えようとする努力、など。

・登頂させる能力
無理して登らせるのは問題だが、お客様は基本的に「登りに」来ている。
登りながら教えたり、モチベーションを高めたり、楽に登らせるよう努力したりできる。

・説明能力
マンツーマンならば、極端な口べたは困る程度。
ただ、富士山ガイドは、初心者40人をまとめるために、この能力が大事。

・接客能力
お客様の「登ろう」、「上手くなろう」というモチベーションに寄り添えれば、感情移入して仕事も出来る。
あとは、若干の丁寧さ。
ガイドに、ホテルマンのようなサービスを求めるお客様は、ほとんど居ないので。

その他
☆僕のような育てて自立を促す仕事だと、教える能力は特に大切。
☆盛り上げトーク、山の歴史、植生などに長けていると、ガイド登山そのものを楽しませることが出来る。

あとは、それぞれの仕事ごとに重点が違うのだと思います。

ただ、安全管理能力の大前提には、普通の登山者としての高いレベルが求められます。

じゃあ、ガイドになろうと思ったら、最低限の登山経験はどのくらいでしょうか?
里山ハイキングとアルパインクライミングを同じには語れないので、参考まで。
僕の受験してきた、日本山岳ガイド協会の“山岳”という資格(簡単なクライミング、雪山までガイド可能)に関して。

クライマーとして
・冬壁3本(八ヶ岳は仕事で使うようなレベルだからダメ)

登山者として
・3000m級の山で、1週間の冬山縦走

クライミング講習会などを開くことも考えると
・クライミング各種の中級レベルのたしなみ
  (スポーツルート5.12aのR.P.、クラック5.11aのR.P.、アイスクライミングのリード5級)

あくまで、僕がガイド修行してきたなかで感じた最低限度です。
とはいえ、特別高いレベルとは思いませんし、「これ以下は、さすがにちょっと」とも感じます。
ガイドも、お客さんよりもちょっと経験あるくらいじゃ、安全管理のプロとしてはダメですからね。

もっと詳しいことに興味がある人は、直接メールください。
登山経験の次に、具体的なガイド修行方法や、僕よりはるかに優秀なガイドを紹介もしますよ。

84(はちよん)の集会

11月24日(水)の夜は、僕の所属する山岳同人チーム84の集会でした。

僕も久々に参加したんですが、最近は見学者がちょくちょく来るみたいです。
今回も、そんな方々に僕らの会の説明をする必要あり。

同人は、山岳会のような縛りがないので、皆がバラバラというのは否めません。

新人に一通り説明しながら、自分自身がどんな同人を望んでいるのか自問自答です。

まぁ、僕自身がこの 冬はフリークライミング中心なので、山の会としての危機感も沸かないんですが。
何だか他人事で。

ところで・・・、
昨日から禁酒を始めました。
期限は、今季のフリークライミングで成果を出すまで、です。

今はフリークライミングを楽しんではいます。
が、皆が山に行く話を聞いていると、さすがに羨ましくなりますね。

2010年11月21日日曜日

山岳会の救助訓練

11月20日(土)、21日(日)は立川山岳会のザイル祭(要するに、1年で最大の宴会)にお邪魔して来ました。

これに参加したのは、単純に昔から縁のある山岳会という理由だけではありません。

この山岳会、宴会の翌朝は、奥多摩の河原で救助訓練をするのが恒例です。
実は今回、この救助訓練の講師役として雇っていただきました。

大宴会の翌日という悪条件ながら、まずまず充実した訓練が出来たと思います。

さらに言うと、この会の救助訓練には、以前にも一参加者として参加したことがあります。
そのときから比べて、年々少しずつ進歩してますね。

具体的な訓練内容
・背負い搬送の実戦練習(ザック+ハーネス、ザック+ストックなどで、登山道歩き)
・担架搬送の実戦練習(ザック担架で登山道)
・ATCタイプのビレイ器具での仮固定
・懸垂下降のバックアップの取り方(各種)
・自己脱出の効率的な方法

救助技術は大切ですが、そうそう身に付くものではありません。
毎年恒例の救助訓練というのは、良い方法ですね。

来年、少しでもレベルアップした訓練になっていけば嬉しいことです。

2010年11月20日土曜日

スリップストリーム・ウィルダネスファーストエイド

11月15日(月)から19日(金)にかけて、富山県の立山にて野外救急法(WFA:ウィルダネスファーストエイド)の講習を受けてきました。

講習主催は、スリップストリームというカナダの野外救急法に関する会社。
今、日本に野外救急法を広めようとしている団体です。

さて、内容に関して。
例えば、大きな墜落や落石の後、怪我人を動かして良いものか悩んだことはないでしょうか?
とりあえず大丈夫そうな雰囲気だからと動かしちゃった経験や、逆に大事を取って救助を呼んだ経験は、僕にもあります。

動かしてはいけない例というのは、骨盤骨折や脊椎損傷の疑いがある場合ですね。


実際の講習内容
・そんな場合のちゃんとした固定法
・「軽傷で固定しなくて良い」、「固定して、自力下山でオーケー」と判断するためのチェック項目
・バイタルサイン(脈拍、呼吸数、瞳孔の開き具合、など)、痛みの箇所、などの傷病事故記録の取り方
・その他、代表的な怪我、病気について

・実践形式のトレーニング


昨年が、日本での初開催だそうで、正直イマイチな面も多々ありました。
が、今年は劇的に改善されており、来年は相当オススメの講習になるかと思います。
講師は激アツ、スリップストリームは超が付く本気です。

僕も、来年も是非復習に参加したいです。

さて、ここまで読んで興味を持たれた方向けに、僕が感じたことを情報として載せます。

とりあえず現在は、インストラクター、ガイドなどの野外活動のプロ向けの講習の感は強いです。

理由は、
・料金が6万円以上(今の円高で)
・裁判対策的な色合いがある
・平日5日間連続の合宿形式がメイン
・かなり実体験が無いと、知識量に押されがち
・日本の実情にマッチした内容になるのは、将来的な目標
などなど

あと1つ。受けることを検討する方に言えるのは、

・野外救急法で言う"野外"は、夏山登山道(岩場はほとんど無し)、数時間程度の雪山ハイキング、フリークライミングのゲレンデ、くらいのイメージです。
そもそも、雪山の稜線での「本当なら固定すべきだけど、このままにしてたら死ぬかもしれない」といった状況で、リスクを天秤に掛ける判断材料は、あまり期待しない方が良いです。

基本的に、固定が必要ならちゃんと固定して担架で運ぶことを学びます。
ファーストエイドの王道、つまり"タテマエ"を学ぶ場なのです。

今回のメンバーは、富士山ガイドの仲間たち、僕がガイド試験を受けた仲間、その試験官を務めるような大物ガイドの面々、山スキーガイドの面々など。

ただ、安全意識の特に高い一般のクライマーや登山者も受けに来てはいました。
では、興味のある一般の方へ。
まず消防署などで、町の救命救急法を受講して、さらに入門書で勉強して、簡単な固定法も練習して。
それから受講を考えると良いと思いますよ。あまりにも内容が濃いので、消化不良も請け合いなので。
入門書には、ヤマケイの『登山医学入門』(ヤマケイテクニカルブックスシリーズ)がオススメです。

2010年11月14日日曜日

守りの技術

今夜出発で、月から金まで富山県の立山駅周辺で、野外救急法に関する講習を受けてきます。

昨年受けた、WFA(ウィルダネスファーストエイド)です。
初受講した翌年の聴講は無料という話なので、復習のチャンスでしょう。

とはいえ・・・
内容の厳しさは程々ながら、スケジュール詰め詰め、居場所まで缶詰めの5日間なので、若干憂鬱です。

守りの技術(ファーストエイド、ロープレスキュー、などなど)って、習得にモチベーションが湧きにくく、義務感に近いものがありますからね。

帰宅は、1番早くて土曜の朝です。

VAC(バーチ)

11月13日(土)は、夕方からクライミングジム「バーチ」で自分の練習。

普段の僕は、仕事以外の自分の練習も、西国分寺のランナウト一辺倒です。
が、たまには他のジムに行くと、マンネリ化してた自分に刺激になって良いです。

さて、今日は大の苦手ムーヴ「ダブルダイノ」(両手での飛び付き)を練習しました。
というのも、それが苦手な僕でも練習出来るようなホールドが、偶然にもバーチにたくさんあったのです。
そこで、手を変え品を変え、自分を飽きさせないようにしながら練習してみました。

苦手な動きが、自分の限界グレード付近で出てくると、どうして良いのか見当も付かず。手も足も出ないものです。

苦手克服のため、初心者的な基礎練習も、時には意外と効果があると思います。
ジムでのムーヴ講習を、自分の苦手に当てはめた気分ですね。

写真は、バーチ全景、ダブルダイノでホールドを掴んだ瞬間。

2010年11月13日土曜日

来シーズンの富士山に向けて

11月12日(金)は、富士吉田市にて富士山ガイドの集まり。

富士吉田口のガイドというのは、吉田口登山道にある山小屋のどれかに所属しています。(おそらく、全員)
そして、各小屋ごとに新人募集や解雇などの決定も行っています。

さらに、それらのガイドが富士吉田市にガイド登録しているという仕組みになります。

さて、今回は富士吉田市にガイド登録している者同士の代表者会議みたいなものです。
平たく言えば、各小屋のガイドから数名ずつ集っての会議となります。

富士山ガイドは、夏の季節労働とは言いながらも、様々な協力ありきで進んでいる現場です。

ちょっと大変ですが、僕にとっては石田登山塾へのモチベーション再燃と、短期集中労働で経済的余裕を頂けた職場です。
来シーズンの富士山も、早くも少し楽しみです。

2010年11月11日木曜日

理詰めは混乱の元や否か?

11月10日(水)の夜は、ランナウトにてジム講習。
今回は、常連のTさん。
本日は、ムーヴの復習8割、リード講習2割で行いました。

クライミングのムーヴを教える難しさの1つに、
「ある程度本能的に体が動き、理詰めが苦手な人に説明すると、逆に混乱することがある」
という点があります。

Tさんの場合、半ば本能的に色々な動きが使い分けられていて、割りと上手く登れていました。
が、もう少し細かくアドバイスするためには、自分の苦手を把握してもらうとグッドです。

そのためには、ある程度ムーヴの名前などを覚えて、動きを分類して自覚してもらうのが良いと、僕は思います。

ただ、どうしても理詰めになるので、中途半端に教えても単なるお節介。
混乱させるだけです。

そして今日、「根気よく続けたTさんの頭が整理されてきた」と、会話の節々で感じられました。

あとは、コツコツです。
おそらく、Tさんにとっての大きな壁は越えかけていますよ。

具体的な講習内容
・超基本ムーヴの復習
(特に、ダイアゴナルの足位置に関して詳しく)
・リードのロープワーク確認
・落ちる練習(事始め程度)

リードの形は概ね出来てました。
あとは落ちたり止めたりして、リアリティーを持ってリード出来るようにしていくことですね。

2010年11月9日火曜日

十一面岩のベルジュエール










11月6日(土)、7日(日)はミズガキ山の周辺で遊びクライミング。
今回の主目的は、後輩“リッキー”がどうしても達成したい目標に付き合うこと。
それは、ミズガキ山の頂上から程近い十一面岩という岩峰にある、フリークライミングのマルチピッチ「ベルジュエール」というルートを登ることです。
しかも、全行程通して一度も落ちることなく、まさしくフリーで登ることが目標です。
さらに言うと、クライミングの完登の中で、最も価値も達成感もあると言われるオンサイト(初見・1撃)で全行程を登ることが目的であります。
これは、僕も以前に登ったことのあるやり方で、最高の爽快感が味わえます。
登山やクライミングは、やり方に拘ると同じルートでも更なる達成感に到達できます。
その達成感を知ってしまうと、とりあえず「何でもアリ」でルートを登ることを「勿体ない!」と感じてしまうのです。
さて、今回の結果は残念ながら、リッキーが2ピッチ目でフォールしてしまいました。
ただ、そこでロープにぶら下がった後に、再度そのピッチを完登しました。
他のピッチは、全て初見1撃で完登です。
つまり、「下から頂上まで一度も落ちずに」という当初目的はダメでしたが、全行程をコマ切れでは完登した、ということです。
それでも達成感は大したもので、彼もたったの1フォールを悔やみつつも、大いに満足した様子でした。
ちなみに、僕は荷揚げ要員でひたすら寒いので、ほぼずっとダウンを着込んでおります。
2日目は、前日のフル行動ヘッデン下山が響いて、軽いクライミングでした。
ただ、僕は気になっていたワイドクラックを吼えながらも登れて、量は少ないながらも大満足しました。
具体的なルート
1日目:
ベルジュエール(リードは全てリッキー)
1ピッチ目:5.11bのスポートルート
2ピッチ目:5.9のスラブ(1フォール後、R.P.)
以降10ピッチまで、5.10前半のクラック数本と、5.8のチムニーなどが続く。
2日目:
スコール(十一面岩正面壁)
2ピッチ目が、写真のワイドクラック。
このピッチを僕がO.S.。
ただし、そこから上のピッチには行かずに下山。
ベルジュエールは、フェース・スラブ・クラック・チムニーまで全ての要素が出てきます。
中級クライマーの皆様は、「何でもアリ」でベルジュエールを登るのを思いとどまって、本気でオンサイト狙うと楽しいですよ。
実際、日本にこういうマルチピッチは少ないですし、勿体ないんじゃないでしょうか?
10ピッチ、1度も落ちないという緊張感と達成感は、格別ですよ。

2010年11月8日月曜日

日帰りで雲取山







11月5日(金)は、雲取山で登山講習。
今回のお客様Oさんは、富士山ガイドのお客様だった方で、徐々に成長して来たのです。

さて、すでにOさんは自力で低山ハイクを楽しめるようになっており、雲取山だって頑張れば自分で行けるかもしれません。
しかし、雲取山の日帰りは、下山でヘッドライトになる可能性もある長丁場です。
(参考タイム、9~10時間くらい)

まして、これからは冬のような寒さ。
やっぱり最初は不安でしょうから、僕の方から雲取山での講習を勧めたのです。
雲取山に日帰りで行けるくらいの体力&山慣れがあれば、もっと他の登山も楽しめるはずですね!

さて、登りは予想以上にハイペースで歩くことができ、昼過ぎには山頂到着。
Oさん苦手の下山も、今回は良いペースで進み、明るいうちに下山することが出来ました。

雲取山は、僕自身も大好きな山です。
日帰りハイキングとは思えないような、景色の良い尾根歩き。
高校時代に危なっかしい目に遭いながらも何度も登ったトレーニング。
初めての山中泊の思い出。

初心者の頃に何度も登っただけに、思い出深いものがありますね。
色々な要素を混ぜ合わせて、僕にとっては「また来たい」と思わせる山です。
今回のお客様も、秘かに「日帰りで雲取山」を目標にしていたのだと伺いました。

快晴の中で順調そのもの、本当に良い登山でした。

具体的なコース
鴨沢バス停 ~ ブナ坂 ~ 雲取山 ~ 富田新道 ~ 日原林道 ~ 東日原バス停

プラスアルファ的な講習内容
・読図講習の復習

次回は、いよいよ寝袋を用意して、泊りがけの講習ですね。

2010年11月5日金曜日

三ツ峠、プロテクション講習

写真は、岩用の支点(プロテクション)になる道具の代表選手、カムです。

11月3日(水)は、三ツ峠にてマルチピッチ講習。

今回は、前回にクラック講習を受講下さった女性Tさん、女性の山スキーヤーNさん。
2人とも、マルチピッチ経験はあるものの、プロテクション技術は皆無に近いです。
ある意味、日本のアルパイン業界を象徴するような成長をしてきた初級者ですね。
実際、僕も始めた頃は、そんな習い方もしましたから、気持ちは分かります。
でも、バリエーションルートにチャレンジするなら、自分で支点作れなきゃ嘘でしょう。


2人それぞれ、「クラックを始めたい」、「アルパインクライミング技術を体系的に習いたい」(聞くだけでも熱い申し出!)と、石田登山塾への切っ掛けは違います。

それなら、簡単な(Ⅴ級、5.6未満)クラックマルチとして、三ツ峠がオススメでしょう。
まずはカム・ナッツを使ってのクライミングでフォローして頂き、実体験が第一。
さらに、取り付きでハーケン打ちの練習まで欲張りました。

より効率的なロープワークのコツまで突っ込みたい気持ちもありましたが、あまりに詰め込むと混乱の元ですからね。

次回は、クラック講習を受けていただきたいものです。そして、再度マルチピッチ講習をば!

具体的な講習内容
(リードは全て講師)
まずは、弱点ラインで頂上にトップアウト。歩いて戻る。

次に、少しだけギアを落としにくい方法等を教えて、別ラインから3ピッチ登る。懸垂下降で降りる。
カム・ナッツの効かせ、ハーケンの打ち方、回収方法を講習&練習。

再び、別ラインから2ピッチだけ登り、懸垂下降。

最後に、残置支点の強度について多少の説明。

元気な方々で、大学山岳部に負けないような充実の1日になりました。

2010年11月3日水曜日

楽に登る

11月2日(火)の昼間は、ジム講習。
本日も、常連のYさん。

今日で、また一歩楽に登るコツを理解してくれた様子です。僕から見ても、日に日に滑らかになっていて、嬉しい限りです。

さて、具体的な今日の内容としては、ムーヴとムーヴの繋ぎ目の足の移動について。

クライミングのムーヴの種類は、沢山あります。
例えば、ある一手について考えても、複数のムーヴが同じくらい楽になることもあります。
その場合、どれが正解か(厳密にどれが1番楽か)に固執するのは、経験上あまり意味がないです。
それよりも、「一手前のムーヴから足の移動が少ない」とか、「一手先のムーヴへの足の移動が楽」などを考えてムーヴを選ぶ方が、大事になります。

逆に言うと、「一手一手は楽なムーヴなんだけど、毎回体勢作りに苦労して辛いのは、無駄」ということです。

すでに出来る人にしか理解できない文章になっていると思いますが・・・。
まぁ、これが大変感覚的で伝えづらいんです。
しかし、ある程度ムーヴを覚えたときにタイミングよく言うと、皆さん意外なほどスッと出来るようになってしまいます。

教える側から見ると、明確な言語化できないことが心配です。
が、それよりも、感覚的な表現に本人の経験値が追い付くのを待った方が、良い場面なんでしょうね。

今日は、彼にとっては、そんな日だったんだと思います。

2010年11月1日月曜日

ランナウトのコンペ

10月31日(日)は、僕がスタッフをしているジムのコンペ(大会)、その名も“腕試し”が行われました。

僕は、その手伝いをしております。

草野球ならぬ草コンペの醍醐味で、ジムの常連さん達もお祭り的に参加します。

参加者のモチベーションも、お祭りの一環であったり、これを目標にしていたり、ユースの子供がトレーニング的に参加したり、様々です。

そんな雰囲気で、予選は勝ち負けをあまり意識せず、敵味方も無い声援の中で登りまくります。

このコンペは、予選の段階での課題数が多くて全員が楽しめるように工夫されていることも、人気の1つでしょう。

が、決勝はさすがに勝負の世界。

1人ずつ登場して制限時間内にクライミングを行います。さらに、予選落ちした全員が観客になって声援を送ります。

(写真は、ミドルクラスの決勝の様子)

予選は、自分も試登した課題を常連さんも含めて皆が頑張りますので、見ていて気合いが入ります。

僕らは審判なので、アドバイスは出来ませんが、ガンバコールを必死に浴びせます。「ガンバ!ガンバ!グワンバ!」と言った具合に。

決勝に出るような人は、僕よりも上手くて強い人ばっかりですが、それはそれで観戦者としては面白いものです。

静かな山の中で、自分達だけの自己満足クライミングも良いです。

が、単純に楽しさと上達を求める人工壁クライミングというのも、ありですね。