11月6日(土)、7日(日)はミズガキ山の周辺で遊びクライミング。
今回の主目的は、後輩“リッキー”がどうしても達成したい目標に付き合うこと。
それは、ミズガキ山の頂上から程近い十一面岩という岩峰にある、フリークライミングのマルチピッチ「ベルジュエール」というルートを登ることです。
しかも、全行程通して一度も落ちることなく、まさしくフリーで登ることが目標です。
さらに言うと、クライミングの完登の中で、最も価値も達成感もあると言われるオンサイト(初見・1撃)で全行程を登ることが目的であります。
これは、僕も以前に登ったことのあるやり方で、最高の爽快感が味わえます。
登山やクライミングは、やり方に拘ると同じルートでも更なる達成感に到達できます。
その達成感を知ってしまうと、とりあえず「何でもアリ」でルートを登ることを「勿体ない!」と感じてしまうのです。
さて、今回の結果は残念ながら、リッキーが2ピッチ目でフォールしてしまいました。
ただ、そこでロープにぶら下がった後に、再度そのピッチを完登しました。
他のピッチは、全て初見1撃で完登です。
つまり、「下から頂上まで一度も落ちずに」という当初目的はダメでしたが、全行程をコマ切れでは完登した、ということです。
それでも達成感は大したもので、彼もたったの1フォールを悔やみつつも、大いに満足した様子でした。
ちなみに、僕は荷揚げ要員でひたすら寒いので、ほぼずっとダウンを着込んでおります。
2日目は、前日のフル行動ヘッデン下山が響いて、軽いクライミングでした。
ただ、僕は気になっていたワイドクラックを吼えながらも登れて、量は少ないながらも大満足しました。
具体的なルート
1日目:
ベルジュエール(リードは全てリッキー)
1ピッチ目:5.11bのスポートルート
2ピッチ目:5.9のスラブ(1フォール後、R.P.)
以降10ピッチまで、5.10前半のクラック数本と、5.8のチムニーなどが続く。
2日目:
スコール(十一面岩正面壁)
2ピッチ目が、写真のワイドクラック。
このピッチを僕がO.S.。
ただし、そこから上のピッチには行かずに下山。
ベルジュエールは、フェース・スラブ・クラック・チムニーまで全ての要素が出てきます。
中級クライマーの皆様は、「何でもアリ」でベルジュエールを登るのを思いとどまって、本気でオンサイト狙うと楽しいですよ。
実際、日本にこういうマルチピッチは少ないですし、勿体ないんじゃないでしょうか?
10ピッチ、1度も落ちないという緊張感と達成感は、格別ですよ。