2014年2月3日月曜日

雪山講習に、卒業制度は向かない?

1月29日(水)、30日(木)は、上越の荒沢山カドナミ尾根にて、雪上訓練Lv.2。
女性ARさんと、1日目の夜から合流の女性HMさん。

<自称、おちゃらけ登山愛好家のARさん>
クライミング講習は、

①ジムリード
②岩場リード
③クラックリード
④マルチピッチリード

という風に、かなり体系的に行っています。

<駅から程近くで、テント場作り練習>
素人さんには、何が何やら分からない分野だけに、

「こーゆーことに気を付けながら、やって行けば良いのか・・・」

と分かってくるタイミングがあります。

<ワカンで、膝前後のラッセル>
それが、的を得ていると感じたら、

「そろそろ、自力で岩場に行ってみて下さい。」

という意味で、“卒業”と言い渡します。

<99%は楽しい、雪山登山?>
運転免許の教習所で言ったら、仮免許ぐらいの技量だという意見もあります。
要するに、結構早い段階で言い渡していると。


最初は、危なっかしい失敗もあります。
慎重な人は、最初っから補習を受けに来ます。

そして、例えばクラックリード講習を卒業しても、特別にクラックが上手いとは限らず。
5.8が登れたり登れなかったり、ということも。

<振り返ると、上越国境>
でも、こちらとしては、“卒業”のタイミングを決めやすいんです。

その点、雪山のLv.1~Lv.3は、決めにくい。
まず、講習生のほとんどは、ある程度の雪山登山経験があります。

だから、卒業とか言う前に、もう自力で登っています(笑)。

<2日目は、HMさんも加わって>
さらに、講習も、
“登山中に出てきたものを、トピック的に扱う”

という形式がメイン。

・雪庇が出てきたら、雪庇のルーファイについて説明

・寒かったら、凍傷予防について小技を紹介

・ラッセルの深さ、雪質に応じて、ラッセル技術を紹介

・難所通過が出てきたら、その判断についてコメント

・その日の天候について、私の判断根拠を説明

などなど

<アイゼンワカン、初体験>
こちらとしても、

「~回ぐらいを目安で、大体の考え方を講習できますよ。」

とは、言いづらい。

<リーダーの風格を漂わせたARさん、実は結構な山屋になるんじゃ?と思わされました>
さらに、クライミング講習以上に、

すでに経験がある人が、“補習”に来る、
ってパターンが多いんです。

<天気も持ちこたえて、荒沢山の山頂!>
なら、卒業なんて言葉は要らない、とも言えます。

<下山は、再び晴天に>
でも、クライミング講習をやってみて、

“卒業”を目指すシステムって、それ自体が講習生にとってモチベーションになるんですね。

だから、何か良い方法はないかなー、とは思っています。
具体的な講習内容
・ビーコン練習
・テント場の作り方
・ワカンの装着
・ラッセル練習
・雪庇のルートファインディング
・テント内の整理方法
・アイゼンワカンの装着
・難所通過の判断について
・雪崩が起きやすい地形、雪崩現象について

2年前に、雪上訓練Lv.1を受講したARさん。

成長具合も去ることながら、こんなに面白い人だとは知らなかった!
という勢いで、抱腹絶倒させられました。