2014年9月5日金曜日

誤魔化しデッドポイントの弊害

9月4日(木)は、夕方に急遽ムーヴLv.0。
講習2回目の男性SNさん。

夜は、ムーヴLv.1。
女性SGさん、男性SRさん、そして新規の男性THさん。
ルートクライマーには、省エネ技術が大事です。

ただ、省エネに走るあまり、難しいルートでは通用しなくなることもあります。

今回、その代表例を1つ指摘しました。
講習生本人の復習のために書く内容です。

本人以外は、適当に読んでください。

具体的な場面として
左手は良いホールドで、次の右手がやや悪いホールド、その次の左がまぁまぁ良いホールド。

そのとき、
①最初は、左手主体のバランスにして、右手を出す
②次に、右手主体のバランスにして、左手を出す
③最後に、左手主体のバランスにして、一安心

というのが基本の流れ。

ただ、経験がある人だと、②を変形バージョンで、
“左手主体のバランスのまま、片手デッドポイントに右手の補助が付いたぐらいのバランスで、左手を出す”

という小技が使えます。

このムーヴのメリットは、悪いホールドを完全保持しなくて良いこと。
デメリットは、振られやすいので意外な消耗があること、やや悪いホールドから逃げ癖がつきやすいこと、など。

なんで、乱発しない方が良い技だと、私は感じています。
特に、SGさんは、ほんのちょっとでも悪いホールドでも使っていたので、そのホールドでのバランスの取り方を学ぶチャンスを放棄していたように思いました。

たぶん、だからスローパー技術だけが5.10後半なんじゃないかと思います。
(SGさん本人は、5.11中盤を登る人です)

きっと、1手か2手だけスローパーが出てきても、誤魔化しのテクニックで登ってこられたんだと思いますよ。

繰り返しますが、この小技にもメリットはあります。
要は、使うか使わないかを判断するのが大切だと思うのです。


具体的な講習内容
1コマ目:
・ダブルチェック、トップロープのビレイの復習
・ロワーダウンの姿勢
・手をホールドに馴染ませる
・手順用語とオブザベーション

2コマ目:
・手をホールドに馴染ませる
・右手主体、左手主体を意識する(上記の本文内容)
・体幹の入れ方

実践本気トライ:
SRさんは、5.10bをオンサイト。
SGさんは、5.10dを1テンでトップアウト。

・リスクに応じた弛ませ具合
・トップロープ状態から登ったときは弛みを回収すること
・クリップのタイミング判断
などに関して、指摘を少々