2014年11月19日水曜日

リードする度に、学ぶことがある

11月16日(日)は、マルチピッチリード講習にて、三ツ峠。
男性IKさん、男性SRさん。
<オブザベ>

2人とも、当塾以外ではマルチピッチはフォロー程度の経験です。

なので、今回でマルチピッチのリードは2日目。
<テーピング>

従来的な山岳会方式なら、このくらいの経験なら、ひたすらフォローで本チャンに連れまわされる時期です。

で、先輩が
「このピッチなら、登りも簡単だし、ビレイ点作りも分かりやすいし、時間掛かっても下山できそうだし。」

と判断したピッチで、

「リードしてみる?」

と言われてトライします。
<1P目から、渾身のリード>

で、勘の良い人なら、先輩が判断してくれている意を汲んで、

「今度からは、自分でライン取り、ビレイ点の見込み、時間配分も計算しないとな。」

と考えて、色々な判断を頑張るようになります。
<今回の花形ピッチとなった、2P目を行くIKさん>

ですが、三ツ峠や越沢みたいな、初級者向けのマルチエリアに行くと、

「やっぱ、そうやって成長できる人は、一部なのかも・・・。」
と思わされます。
<青ロープが、テラスに引っかかっちゃったけれど、もう直せない>

反省の仕方を間違うと、

「時間が掛かり過ぎたから、次回から、もっと急いで登らないと。」
とか

「次回は、核心部もリードしたいんで、ジムでどのくらいのグレード登れたら良いんだろう?」

という感想になります。

これはこれで、将来的な目標ではあるんですが。
<一直線の場合は、ヌンチャクで延長しても、ほとんど意味がない>

せっかくリードしたんだから、

「本来は、もっと色々な先読みとか、リスク想定とかをしながら登んなきゃダメだったんだよな。」
「でも、今回は登ることにイッパイイッパイだったのは、仕方なかった。次回、気をつけよう。」

といった、具体的な反省があるとベストです。

プロテクション戦略でも、ビレイ点でも、ロープの流れでも、ギアを落としそうになったことでも、何でも構いません。
<ビレイ点作りも、渾身>

“急ぐ”とか、“最高グレードを上げる”とか・・・

確かに大きなテーマなんですけど、大きすぎちゃって反省としては具体的じゃないんですよ。
<意外と本気トライになった、3P目>

せっかく岩場に来て、しかも、マルチのリード経験を積んでいるのです。

そこでは、

「もっと、こうすれば良かった!」
と、毎回毎回痛感して欲しいのです。
<フォローで、1テンを喫する直前のIKさん>

だから、本当は経験が浅いうちから、先輩の監督下でオンサイトリード経験を積むのが一番だと思います。

そうすると、最初の数回は、1日に数ピッチしか進めなかったりもします。

けれど、毎ピッチが濃い反省の連続です。
これって、結構良い練習方法だと思うんですよねー。
<やっぱり、ビレイも渾身>

で、マルチピッチリード講習を卒業していった方々を見る限り、卒業後はスピードも徐々に上がっているようです。
だから、講習で急かす意味は、やっぱり無いのかなと。
<トップアウト間近>

この講習の難点は、ゆっくり過ぎて迷惑になりがちなこと。
その分、岩場選びは難しいです。

最近は、ミズガキの人の少ないエリアを探訪したり。

今回も、11月なら土日でも空いてると見込んで、三ツ峠。
その分、やっぱり寒かったです。

<三ツ峠らしい高度感>

でも、初心者ながらにオンサイトで登ったマルチ経験は、将来的にも大きなプラスになると思います。

私も、その直観を信じて、待って待って待ちまくりますよ。
<富士山を望む>

さて、本気ピッチをオンサイトを含むマルチは、2人とも初体験。

登れなくても良い経験とはいえ、やっぱりトップアウトできて何よりでした!
<岩場終了!>

今回のブログ本文は、「各ピッチが大事。」みたいな内容でした。

けれど、マルチは高度感や達成感も、醍醐味ですからねー。

なんせ、楽しくないと頑張り続けられないでしょ。
<三ツ峠の山頂にて>