2014年11月22日土曜日

マルチピッチコミュニケーション

11月21日(金)は、マルチピッチリード講習にて、二子山。
男性IKさん、男性SRさん。
以前、残雪期の宝剣岳で講習を行った際に、パーティー内での話し合いが上手くいかなかったことを書いたと思います。

そのときは、お互いの意見が違って、それぞれが理由も述べていました。
ただ、お互いに悪い雰囲気を恐れているのか、議論にならずに言いっぱなし。

誰も、話をまとめようとしないので、結局バラバラの行動を取るという最悪の結果に。
<中央稜ではなく、本人たちが希望した凹角へと登攀開始>

今回も、似たようなことが起こりました。

宝剣のときとは逆で、簡単に折れ過ぎてしまったり、意見を控え過ぎてしまう状況です。

近いレベルのパートナーなのに、1人で何でも決めなきゃいけない状況だから、妙にやりづらい・・・。
アプローチ、ライン取り、安全管理の全てにおいて。

リードは個人プレイっぽくても、マルチそのものは合議制です。
また、今回は時間切れ敗退でした。

この際、登れない残念さや反省などの複雑な思いが交錯して、気持ちが若干フリーズ状態に。

こうなると、下降の相談をしていても、生返事っぽくて良くない態度になっちゃいます。
<1P目は、デジャブ気味>

本来なら、この悔しい気持ちは、安全圏に降りるまで一旦忘れようと努力するべきだと思います。

敗退のための下降も、リスクが伴いますから。

(特に、今回はヘッデンでの敗退となり、初心者の2人には厳しい状況でした。)
<2P目>

で、私個人の経験として・・・

パートナーが敗退下降中に露骨に悔しそうなのは、やりづらいことも多いんです。

特に、私よりパートナーが強いときなんか、「自分のせいで申し訳ない。」という気持ちもありますから余計です。

もちろん、私のせいで登れなかったこともあれば、パーティーとしての総合力として登れなかったこともあります。
<中央稜より難しかった3P目>

ただ、普通に良い人なら、

・明るく悔しがる
・悔しさを必死で隠す
・「次に活かそう!」と切り替えの話をする

といった気遣いをするでしょう。

今回は、敗退処女みたいなものなので、全然ダメでしたが。
<クラックを繋ぐ見事なライン取り>

で、そうやって気遣っても、バレてしまうものですよねー。
登りたいものの直前で敗退した、“わだかまり”ってやつは。

今回は、頂上直下の緩傾斜に入りそうな雰囲気が、目の前でした!
<3P目のフォロー>

よく、マルチピッチの講習中に

「どんな組み合わせが、理想的なパートナーなんですか?」
と聞かれます。

それは、
・負けず嫌い同士だと、良くなさそう
・リーダータイプ同士だと、良くなさそう
・男女ペアだと、良さそう

といった経験則をもとに、私に質問してくる訳ですね。
<中央稜に合流後>

これに対しては、

「どんな組み合わせが、良い夫婦になるかと同じで、仮説しか言えませんよ。」
と回答しています。

私の場合、マルチピッチや登山のパートナーは、クライミング能力と同じくらい、性格重視!
<システム系に強いSRさん>

ただ、共同行為になる場面、相手を不快にさせやすい場面ってのは、結構決まってくるかと思います。
敗退判断なんか、典型的ですねー。

だから、ベテランクライマーの方々は、そのときはコミュニケーションスキルを抜群に発動させているように見えます。
いわゆる良い人じゃなくても、経験が長い人同士ならある程度は合わせられる訳で。
<ラインに迷う>

もしかして、
“マルチピッチの場面ごとに、相手が考えていそうな内容を予測しながら、お互いやりやすい雰囲気を作る”

というのは、もはや登山技術の1つなのか!?
<敗退を決める直前>

そんな考えに至り、最近は講習でもパートナーシップについて言及することが多くなりました。

ま、ややもすれば人格否定っぽく聞こえるので、嫌な人には嫌な話でしょう。
でも、やっぱり大事だなぁと思う日々です。

何卒、我慢してくださいませ。
<懸垂下降開始>

<19時に車に戻れました>