2016年7月10日日曜日

セルフ・ノーテンション症候群

7月7日(木)は、マルチピッチリード講習にて、ミズガキ。
女性HSさん、女性HMさんのペア。
<久々にミズガキで講習>

HMさんは、セルフビレイにテンションを掛けるのが苦手。

外傾テラスでも、頑張って立って、ビレイ点作業してしまう傾向にあります。
<1P目>

岩場リード講習やロープワーク講習、城ヶ崎のクラックリード講習の終了点作業でも、こういった問題は出て来ました。

有名な事故パターンだと、セルフビレイにテンションを掛けていないと、うっかりセルフビレイを外すという件。
<フォロー中>

ショートルートでの結び替え、立木での懸垂、トップロープ回収、何でも同じです。
だから、間違いを減らす意味で、敢えてテンションを掛けておくのは便利なことも多いのです。

(講習用語の“テンションの移行”というのは、もともとセルフにテンションが掛かっているから移行と呼んでいるのです。)

分かっちゃいるけど、セルフビレイにぶら下がるのが怖い、という心理・・・。
<荷上げを交えつつ>

マルチの場合、ロープをセルフビレイに乗せて行く方法が有名です。
特に、足場が狭かったり、外傾していたりすると、便利です。

で、テンション掛けていないと、これも難易度が上がります。
<2P目>

また、セルフにテンションを掛けることによって、ビレイ点(特にルベルソなどのビレイ器)に正対して作業できるものですが、これも難しくなります。
<3P目>

こういうメリットデメリットは、地上練習レベルでは分かっていると思います。

本日も、2P目のビレイ点で、この件に遭遇。
本人も「私は、テンションを掛けたがらないんですね。」と痛く感じていました。

でも、4P目のビレイ点では、またしてもノーテンションでの作業でした(笑)。
<フィストクラック>

もはや、ここまで来ると習慣。

ちょっとずつ自覚して、テンション掛けた方が便利なことが多いということを、身体に覚えさせるしかないでしょう。
<4P目>

この件に限らず、マルチ講習をやると、自分の弱点がよくよく分かるようです。

自分の人間性を知る、という方も多いです。
心のダメージと折り合いをつけながら、ちょっとずつ進化して頂ければ、何よりです。
<途中でバテて、リード交代>

話は変わりますが、2人はプロテクションさえ取れれば、マルチでもショートルート並みに安心して頑張る、という能力は高いと感じました。

本日も、難しめのピッチを十分に楽しんでいたのは、私としては1つの安心材料です。

何度もテンション掛けたり、リード交代したりしながら、どうにかムーヴ解決して楽しんでいました。
なぜか、マルチだと異常に怖がる人も多いんですよねー。
<再度、HMさんにリード交代>

<空は青い>

<フォローのHSさん>

<なんとフォローは、ノーテン>

<ここまでで降りることにしましたが、御満悦の様子>