2018年4月27日金曜日

不意落ち

4月24日(火)は、無料体験講習。
25日は、ムーヴLv.0で、新規の3人組で男性STさん、男性AKさん、女性NMさん。
<久々に、5.10aを作ってみました>

本日の講習生で、過去にジムボルダリングで怪我をしたという方がおりました。

思い返すと、そのときの落ち方が悪かったそうです。
具体的には、スラブで微妙な足に乗っているときに足が滑り、・・・。
通常、このケースだと足がマットと壁の間に挟まって足首をグッキリ、というのを想像します。が、どうやら怪我をしたのは手の指だったそうです。

一般的には、“不意落ち”は避けるべきものということになっています。
本人が「落ちるかも!」という予測のもとに、チャレンジして落ちるのは勿論アリです。

「落ちるかも!」という予測時に、「落ちたらマットにこんな感じに着地かな。まぁ大丈夫か。」というイメージを加えます。
で、それから頑張ると。

これは、ロープクライミングでも同じです。墜落距離だけじゃなく、落ちる態勢もなんとなくイメージします。
たぶん、最もシビアなのは、岩場でのボルダリングです。

と、そんな話をしたら三者三様の回答。
Aさん「その怪我以来、すごくそういうことを考えて登るようになりました。」
Bさん「不意落ちしないって、なかなか難しいですね。」
Cさん「私は、むしろ不意落ちのときだけ落ちます。怖くて、チャレンジしてムーヴすることが出来ないので。」

Cさんは、講習初期によくあるタイプですねー。特に、女性に多いイメージです。
「怖がりだけれど、慎重に行動することは、まだ出来ない。」

すごく難しいテーマですが、怪我のリスク少なく、チャレンジもしていくには必要なことです。
今は全然イメージできないかもしれませんが、岩場も、山でのクライミングも何でも通じていますよ。

2018年4月26日木曜日

安全圏と安心圏

4月22日(日)は、岩場リード講習にて天王岩。
女性ODさん、女性NNさん。
<状況①の途中。クリップしてから少し登り、トップロープ状態の上限付近。>

ボルトルートのリードにおいて、クリップ直後は安心してムーヴが出来る状況です。(状況①)

一方で、ランナウトしていて落ちたらグランドフォールする場面など、落ちてはいけない状況です。(状況②)

その中間みたいな状態。「実際は、ロングフォールになるだけで、落ちても平気。」という状況があります。(状況③)
一般的には、①+③が安全圏になるわけですが、そうは言っても①は安心感が違います!
(ムーヴにしても、レストにしても、まるで心持ちが違います。)

ということで、①を安心圏と呼んでみましょう。
<状況③かな。足元1mほどランナウトしているが、落ちても実際には大丈夫(安全圏)・・・。>

極端に怖がりなクライマーだと、安心圏は(クリップ直後の)トップロープ状態に限られます。

一般的な中級者だと、クリップしたカラビナが膝下ぐらいまでが安心圏の平均値というイメージでしょうか。
地上15mで、1~2mぐらいランナウトしたって垂直以上なら安全は安全なんですけど、並みの人間なら怖いでしょう。
私は、めちゃくちゃ怖いです。
<クラックジョイ(5.9)>

ちなみに、②は危険地帯です。

②の状況では、ムーヴの選択も慎重になるし、クライムダウン敗退も視野に入れるし、岩が欠けて事故ることも避けなければなりません。
そういうリスク判断もリードの楽しみの1つですが、実はオブザベ段階でおおよそ見当がつきます。

下に、ボルト6本のルートを仮想的に設定してみました。

今回の設定。
1、下地は比較的良くて、スタート直後は落ちても平気。ただ、2mぐらい上がると、自分にとっては着地失敗して怪我しそう。
2、下から手を伸ばしてクリップして、クリップより少し上がったくらいまでは、安心圏。
3、ボルト3本目までは比較的易しく、ちょっと難しいセクションの直前にしかボルトがない。
4、ボルト3本目以降は、持久系のルートとなっているため、後半どこで落ちても平気になるようにボルトは設定してある模様。(特に、4~6本目は近い。)
「オブザベするほど、登る前の緊張感が増すから嫌!」
とかいう心理も、すごく分かります。
ムーヴだけじゃなく、リスクやら恐怖感まで見えちゃいますから。

でも、だからこそオブザベは大事なんでしょうねぇ。

実践本気トライ
ODさん:クラックジョイ(5.9) 1テン。オンサイトトライにて、終了点直下にて見事にフォール。
NNさん:クラックジョイ(5.9) フラッシュ。

・オマケの小話
上の図を書く際に、安全と安心を何度も書き間違えて、自分がアホに思えました。
まともな技術書なら、もうちょっと間違いにくい用語を考えるんでしょうね。英語にするとか・・・、リスクマネージメントの分野から用語を引っ張ってくるとか・・・。
ブログなんで、この辺でご容赦を。

2018年4月24日火曜日

エイド練習

4月19日(木)は、クラックリード講習にて、湯川。
男性NSさん。
<地上でのカムセット練習>

本日は、無名フィンガーの下部にて、以下のような練習を行いました。

①スタートから、5mほどを全てエイドで登る。
テンションをかけた状態で、次のカムをセットして、ロープを緩めてもらってクリップ。これを繰り返す。

②そこで、自信のあるカム3つで、リードのフォール練習。
フィンガークラックでカムが小さめな分、今までより少し抵抗がある人が多い。

③エイドで登った①の逆再生で、エイドダウンして取り付きに戻る。

今回の方法は、アブミ無しのエイドです。
<無名フィンガーでのエイド練習>

こういう練習、人によって感想は様々です。

「これで、(一撃が)無理めのルートにも取り付けるな。自信が付いた。」
「頭が混乱。こんなに難しいんじゃ、無理めのルートはますます怖い。」
「習ったばかりなのに、こんなに苦労しているようじゃ、実際使いたい場面で困りそうだな。」
<曲がり煎餅>

これをやってから卒業にした人、やらなかった人、復習受講に来たときにやってもらった人、色々います。

これに自信が着くと、トップロープに逃げたくなる気持ちが大分軽減されると思います。

物は試し、たまにはこういう練習を織り交ぜると良いですよ。
<草餅>

実践本気トライ
・曲がり煎餅(5.8) O.S.。
・草餅(5.9) O.S.。

まだ、実践中のカムセットには失敗リスクも高めでしたが、地上でのセット練習はかなり良いレベルだと感じました。
あとは、それを見越したリスクマネージメント(固め取り、など)をして欲しいのですが、今回はまだ不完全でした。

とはいえ、反省が的を得ていたので、あとは自主練習に期待ということで卒業といたしました。
<カムセット中>

今後は、パイセン達と頑張ってください!

<NSさんは、「草餅は、星つきルートでも良い。」と高評価(笑)>

<翌日は、1人で黄昏の舞姫の再々掃除>

<取り付きも、改良しました>

2018年4月21日土曜日

ジャガーノート

月曜日は、山の知り合いを増やす会です。
上書き投稿を連続していますので、忘れ去られないように念のため。

4月17日(火)は、K君たちの茨城チームと小川山。
<ロッキーロードに魅了されるK君>

1つ前の記事“ロープの流れ”を気合い入れて書いたので、こちらは記録のみ。

具体的に登ったルート
・川上小唄(5.8) アップ。トップロープで、何回も。
・ジャガーノート(5.12a) 本日2便目でR.P.。通算2日。
ヌメったら、私の実力では無理そうなので、寒いぐらい風が吹く本日はベストコンディションに近かったと思う。それでも、カンテムーヴでアドリブっぽくなった瞬間は、相当頑張った。
核心部、すごく良い位置にボルトがあると思うんだけど、それでも怖いカンテムーヴ。本日の1トライ目は、怖さで吠えてしまった。
<本日は、早めに下山です>

ロープの流れ

4月16日(月)は、マルチピッチリード講習にて、越沢バットレス。
女性IUさん、男性NSさんのペア。

散々と雨中止を繰り返して来たので、今回がようやく初回。
本日、何度も苦労することになったのは、ロープの流れ。

図示してみましたので、参考まで。
マルチピッチ(あるいは、それ以上に登山的な分野)では、スリングで作ったヌンチャク(通称アルパインクイックドロー) を使用したりして、ロープの流れを調整することも多いです。

図1は、テラスがあって、テラスの奥(B地点)でプロテクションセットした場合です。
本日も、B地点に立木があったので、ロープが大屈曲することになりました。

しかも、厄介なことにテラスの角に強くロープが押し付けられる形になり、テンションするとロープが痛むという状況に陥ります。(最悪のケースは、切断事故。)

そこで、図2が入門書によくある解法です。
リードしていたIUさんも、それは知ってはいました。
ただ、B地点にあったのが立木で、それにスリングを回してプロテクションにしていたため、それ以上にスリングを継ぎ足ししてまで延長するのも心理的抵抗があった様子です。

実際、延長するほど墜落距離が伸びるので、プロテクションの意味が薄れてくるという問題もあります。
今回は、クライミングが易しいセクションだったこともあり、A地点のクリップをしてからクライムダウンしてB地点を回収するような作業を、何度も繰り返し行いました。
図3は、スポートルートのボルト位置で、よくあるパターンです。
×は、ボルト位置。

テラス直前でクリップして、マントル。
テラスに立って、ギリギリ手が届くか、もしくは少し登り始めるぐらいでクリップ。

これで、ロープの流れが自然とよくなるように設計してくれています。
ありがたい話です。

ただ、図4みたいなことも、たまにあります。
テラス直後が難しいのか、止むなく低めの地点にボルトがあります。
そうなると、ロープがテラスの角に押し付けられて痛みます。

テラスの角の具合、自分のフォールする確率などを総合的に判断して、長ヌンチャクにするべきかを考えます。
場合によっては、次のクリップをしたら、下に手を伸ばしてクリップを外すことも一案です。
<マルチピッチは、緩傾斜も多い>

スポートルートは、こういう意味で設定者に守られていることもあります。

「本当はそれに甘んじすぎたらダメで、クライマーたるものリスク管理を考えて行動せよ。」
みたいな理念も、よく聞きます。

実際には、設定者に近い感覚で物事を考えることは、かなり難しいのですが・・・。
あくまで、努力目標ということで。
そういう意味では、クラックやマルチは、自分でラインを設計するという感覚が理解しやすいように思います。
<緩傾斜で、しかも奥まったクラック>

とても考えることが多い分野です。
NSさんは、「すごく、ややこしい。けど、楽しい。」と仰っていました。

「純粋にクライミングを(ムーヴのパズルとか、身体的な運動を)楽しむってのとは、だいぶ離れてますね。」
とも添えてくれました。
<懸垂下降>

私は、これが楽しいと思うんですよね。
皆様も、楽しんでいただければ幸いです。
<色々と苦労して、薄暗くなりました>

2018年4月18日水曜日

山の知り合いを増やす会

さてさて、来週の4月23日(月)に山の知り合いを増やす会です。

岩場リード講習、クラックリード講習くらいの方も、是非とも御参加くださいませ。
参加希望の方は、私まで御連絡ください。

鹿の湯

4月9日(月)~11日(水)は、小川山・湯川の周辺。
最終日は、湯川でN村さんと掃除。
<湯川>

N村さんが今回1本、掃除&初登してくれたライン。

鹿の湯(5.9?)。
“黄昏の舞姫”から15mくらい右側、10m弱の短いコーナークラックです。
<N村さんが登っているのが、ツムツム(5.9)。3mほど左のコーナーが、今回掃除した鹿の湯。終了点は、共通。このあと、もう少し掃除するのでご安心を。。>

<掃除中のN村さん>

<月影の騎士、黄昏の舞姫の周辺も、だいぶ整理されてきました。>

<夕方、掃除を終えて、R.P.するN村さん。残念ながら、まだ綺麗さは・・・。>

もともとは、山のためにクライミングを始める人が講習生にも多いし、私もそうでした。

実際、当初目的の通りに役立つこともあります。
安定したムーヴとか、本チャンでの核心部ピッチの解決力とか、ビレイの上手さとか、カムセットへの信頼とか。
<筑波のN見さん>

一方で、クライミングそのものが楽しくなったことで、山への見方も変化してきます。

登山道を歩いていても、綺麗な割れ目に惹きつけられるというのは、よく聞く話。
それが趣向によって、スラブであれ、ボルダーであれ。

そうなると、本チャンっぽい壁やら沢登りに行っても、登りたいラインに変化が現れたりもします。

反対に、シークリフのエリアでフィックスロープしたり、ユマーリングしてアプローチしたりすると、もはやこっちが本チャンなのではないかと思うときも多々あります。
<K君は、ロッキーロード(5.12a)をトライ>

それと同じことが、掃除にもありそうです。

実際、甲斐駒のAフランケで大々的な掃除を行って登られたラインもあるそうです。錫杖あたりなら、珍しい話でもないんでしょうか。
S本先生など、九州に通ってマルチを開拓されてましたし。

とはいえ、今のところ、探検的なクライミングなら掃除最小限なものを選びたし。宮島に行ったときも、30分~0分ぐらいのものを選んで登りました。
<妹岩より、マラ岩>

でも、近場の湯川で掃除をしてみて、少しずつ岩への見方に変化があるのも感じます。

大きな意味ではクライミング観や登山観への揺さぶりなのですが、小さな意味ではラインを読む目が少し成長してきたように思います。
たぶん、ジムでルート作りをやっている人が、オブザベ能力が高まるのと似た現象でしょう。
<ホリデーに敗れるK君>

いつもながら、色々と繋がっていて、興味深いなという結論に落ち着くのでした。
<ロッキーロード>

具体的に登ったルート
1日目:マラ岩周辺
・川上小唄(5.8、スラブ) さすが人気ルート。ミニマムだけど、有難い位置にボルトがあって、アップにも使いやすい。2回ほど。
・レギュラー(5.10c) アップで再登。
・帰って来た開拓王(5.11c) O.S.。本日の目標達成。割と、ギリギリでした。
・キーヘッドの裏側(表側?) 体感5.10c O.S.。キーヘッドより、こちらの方が綺麗なクラックに見えたので。
・キーヘッド(5.10c) O.S.。難しいというより脆いので、いかにして不意落ちリスクを最小限にするかを考えるクライミング。

2日目:マラ岩周辺
・川上小唄(5.8) 何回かアップ。
・レギュラー(5.10c) トップロープでアップ。
・ジャガーノート(5.12a、フェース) 1トライ目でムーヴ解決。2トライ目でも、繋がらず。

3日目:湯川
とあるラインを掃除中。
夕方、鹿の湯をフラッシュさせてもらった。

2018年4月15日日曜日

愛と感動のトライ

4月8日(日)は、岩場リード講習にて、天王岩。
女性Mさん、女性ISさん、女性MKさん、男性STさん。
<終了点作業いろいろ>

1ピッチのクライミングは、普通は個人スポーツっぽい感じです。

登れるも登れないも、全ては自分次第。
マルチピッチとか、テント泊でのパーティー登山とは、ちょっと違います。
<5.9くらいを、とりあえず>

でも、パートナーをビレイする以上は、ちょっと頑張って欲しくなります。
出来れば、完登という手土産も持ち帰ってもらいたいものです。

実際、そういった気持ちのやり取りとか、ビレイの上手下手が、登りに影響を与えるのも、真実だと思います。
本日の本気トライにて、ISさん、Mさんは、ノーリー(5.10b/c)。
2人とも、1トライ目はテンション掛け掛け、どうにかムーヴ解決。

「もう腕が筋断裂している感じです。」
というのが、ISさんの感想。

「5便以内に登れるかなー。」
というのが、Mさんの感想。
<サンコウチョウ(5.10a)をフラッシュするMKさん>

とはいえ、ムーヴが分かっちゃえば思いのほか登れることもあります。
ISさんの2トライ目、薄暗い中で5分5分のトライを魅せます。

が、惜しくも1テン。
ISさんが終了点に着いた頃には、だいぶ暗いです。
誰もがヌンチャク回収と思ったとき、
「どうしますかー?Mさん、残しますかー?」

「えー?」
と我々が驚いていると

「残しまーす!!」
ということで、Mさんの暗闇レッドポイントトライが決定。
しかし、そこはパートナーのMさん。
「ISさんなら、そう来るんじゃないかと思ってました。」
と、苦笑しながら覚悟を決めていた様子。
まんざらでもない雰囲気で、準備開始(笑)。

もはや、薄暗いというよりも暗闇なので、少しでも明るいヘッデンに変えて、いざトライ。
当然、夜間登攀の経験なんかはありません。
<ISさんの2トライ目>

そして、途中で足が切れて皆をドヨめかせながらも、熱いトライでR.P.成功。
薄暗いあたりから観戦モードになっていた、MKさんとSTさんも一緒になって感動を分かち合いました。そして、私も心揺さぶられまくり。

そして、帰路。
ISさんのまとめ。
「あそこで、Mさんにも頑張って欲しかった!!!」
「リードは、パートナーを見つけたり都合を合わせたりするのが煩わしくもあるけれど、喜びを倍増させることもありますよね。」

いやはや、完登していないISさんが言うのだから、そうなんでしょう。
<Mさんの2トライ目。観客の雰囲気は、スーパーファイナル?>

さて、Mさん、ISさんは本日で岩場リード講習を卒業といたしました。

本気トライの質は、期待以上で驚かされました。
正直、本気トライの質は前回レベルで十分だと思っていたので、本日は苦手そうなロープワーク中心で卒業してもらうかなと思っていました。

心底、これからが楽しみな2人だと思いました。

2018年4月14日土曜日

安全になるまで進まない

4月7日(土)は、クラックリード講習。湯川の予定が、天候を見て城ヶ崎に変更。
NS夫妻。
<ジャミング練習>

本日の本気トライは、パープルシャドウ(5.8)。
NS奥様、密かに決めていたことがあったそうです。

「安全になるまで進まない。ランナウトはしない。それが出来ないなら、オンサイトとか完登とかを諦めよう。それで、エイドも習ったから上には行けるし。それで、頑張ってないことになるかもしれない。(石田さんに怒られるかもしれない。)けど、そうしよう。」
<パープルシャドウ>

かくして、無事にオンサイト。

「安全になるまで進まないことに決めていたせいか、思ったより怖くなかった。」
「今までは、どこかで“なんとか登ろう”と思っていたのかな。(自分は、怖がりなのに。)」
<無事にオンサイト>

前回までのトライを振り返ると、
「あのテラスに乗っちゃえば楽になる!」と思ってランナウト気味になったのは、つい1ヶ月くらい前のこと。
(これは、私も分かった上でやることもあるが・・・)

もっと前は、やや自信の無いカムセットだけれど、テンション掛けるのも怖いから進んでしまったこともありました。
(上に活路を求める発想。窮地に追い込まれるリスクあり。)

半年ほど前、初めてリードしたくらいの頃は、自信の無いカムだけにクリップして、自信のあるカムからクリップを解除してしまったこともありました。
(パニック気味。)
「ギリギリの本気トライこそ、“安全>完登”という気持ちで臨みたい。」

言葉にすれば短いものです。
でも、真に体感するのは人それぞれに掛かる時間が違うようです。
<旦那様もフラッシュ>

さて、本日でNS夫妻はクラックリード講習を卒業といたしました。
ゆっくりタイプで、月1回前後で1年強の期間が掛かりましたが、ここから色々と登ると楽しいんじゃないでしょうか。

小川山のジョイフルジャム、小川山レイバック、森林浴、冬のいざない1P目、などなどがオススメです。

2018年4月13日金曜日

大人のスポーツ

4月5日(木)は、リード3回目にて、女性KBさん、女性NNさん。
2コマ目に、ムーヴLv.0にて、男性Mさん。
クライミングは、ギブアップが許容されるスポーツだと思います。

1番分かりやすいのが、本気トライ中のテンションコール。
「怖い」とか、「やる気が無くなった」とかは避けたいものです。
一方で、「ここで落ちたら、実際に危ない」とか、「ロープが足に絡みそう」とかであれば、仕方ないものです。
安全であれば頑張ったほうが良く、リスクが高いと判断すればギブアップが許容されます。

もう1つ例を挙げると、難しい課題に直面したときにも、何回か挑戦してムーヴが出来なかったとします。
そこで、「一旦封印して、もう少し上手くなってからやる。」のか、「現状の実力でも、何か解決策があるかもしれないから、もう1トライしよう。」と考えるかは、判断が難しいものです。

あんまり早く諦めると、それが癖になってしまいます。率直に言えば、ヘタレになります。

とはいえ、ギブアップが悪ではありません。
前者に関しては、リスクを取り過ぎるのもダメです。
後者に関しては、ギブアップこそが優れた練習方法である場合もあると思います。
本チャン、クラックなどと比較して、ジムやボルトルートのことを、スポーツと呼ぶことが多いと思います。
でも、なかなか難しいスポーツです。
色々大変ですが、上手くやりましょう!

さて、本日でKBさんとNNさんは、ジムリード講習を卒業といたしました。
実際、最後の本気トライは2人とも素晴らしいものでした。
引き続き、岩場でもよろしくお願いいたします。