2018年8月29日水曜日

ビレイヤーの立ち位置、図解に挑戦

8月22日(水)は、リード2回目。
久々で再受講の男性KTさん、女性KDさん、男性STさん。

KTさんが、久々なので2回目から再受講で、という申し出でしたが、蓋を開けてみると問題なし。例外的に、KTさんにだけ3回目の内容を別メニューで。

で、KTさんは今回でジムリードは卒業といたしました。
<図1>

さて、図1はビレイの立ち位置。

①は壁から1mぐらい、③は5mぐらい、っていうイメージです。
リードがフォールした際、どの立ち位置でも(おおよそ)同じ力が加わります。

ただし、ロープの方向に引っ張られるので、
①は“ほぼ上向き”、②で“斜め45度”、③で“横向きに近い”
ということになります。

人間、横向きの力には弱いので、③だと強烈に壁に向かって引かれる印象になるかもしれません。特に、ビレイヤーがクライマーより軽い場合は、リスクが高そうです。

ちなみに、ビレイヤーの方が重い場合は、③でも平気かもしれません。ほとんど動かないで止まっちゃうかも。
ただし、クライマーのフォールラインにロープが張られることになり、クライマーが足を引っ掛けたりする危険性はあります。

これだけ聞くと、「①か、せいぜい②ぐらいが良いのか?」と思いますが、実際はクライマーの動きを凝視したい心情があり、ついつい③の立ち位置に入りがちなのが問題です。

そこで、次なる選択肢を考えます。
<図2>

図2は、後ろから見た図。
先ほどのビレイヤーの位置を、①~③と表現してあります。

で、ボルトの真下からの距離という観点では、
①=①’、②=②’、③=③’
という条件で、半円を書いてみました。

つまり、
「ボルトの真下から1mと言っても、真後ろに離れるんじゃなくて、横とか斜め方向に離れるという手もありますよ。」
という話。

これのメリットとしては、
・真後ろより、案外見やすいこともある。
・首が疲れにくいこともある。
・フォールラインを避けられることもある。
など。

結果としては、
「ボルトの真下からの距離は少なめでも、ビレイのしやすさを確保できることが多い。」
というもの。

絶対に横が良いとか、斜め方向が良いとか言うべきものではありませんが、相当な場合において使い勝手の良い方法です。
図2に限って言えば、
真後ろよりは左方向or左斜め後方、壁からの離れ具合は①’~②’ぐらいが、私には自然に見えます。

理屈を理解した上で、細かいことは身の回りの上手い人に聞いて、ケースバイケースを覚えていきますか。

2018年8月28日火曜日

テーピング

8月18日(土)、19日(日)は、クラックリード講習にて、湯川。
新潟の4人チームで、女性ABさん、男性IDさん、男性YMさん、男性SIさん。
ジャミングをする際、手の甲にテーピングを巻くことが多いです。

手の甲は肉や皮が薄いので、傷だらけになってしまうことを防ぐ、という目的。
もちろん、テーピングをした方が痛くない、っていうのもあります。
ジャミンググローブなる商品もあって、これは簡単に付け外しできる点と、ややジャミングしやすくなる点(グローブの素材、ズレの問題で、多少ロックが掛かる。)が売りみたいです。
これに対し、テーピングは、
「痛みや傷対策にはなるけれど、ジャミングが簡単になるという意味では、ほとんど効果がない。」
というのがメリットです。

「テーピングで登れたのなら、素手で登ったのと、難易度的には差が(ほとんど)ない。だから、完登の価値とか達成感には、マイナスは無し!」
というのが、私の理解です。
という訳で、クライミング業界では
「テーピングあり、ジャミンググローブは微妙なライン(状況や人によって、見解が違う。)。」
ぐらいが相場だと感じています。
個人的には、テーピングもやっぱりジャミングが(少し)易しくなることが多いような気がするので、なるべく避けたい気持ちもあります。

でも、ルーフクラックとかは、手の甲に掛かる圧力が強すぎて、テーピング無しでは相当トライ数が制限されちゃって面白み半減な気もします。
あと、手の甲に実際に傷が出来ちゃったら、そのまま登る訳にもいかず。

そんな訳で、テーピングありのルールを採用。
でも、モヤモヤは残ります。

今のところ、
「余裕のあるとき(垂壁前後の本気トライで、まだ傷なし)は、テーピングしない。」
ぐらいでやっております。

本当は、こういうイザとなったら破れるルール、みたいなのは潔くない気がしてなりません。
でも、ほとんど差が無いわけだから、
「テーピングするぐらいだったら、ルーフ系は2トライ目なんかしないぜ!」
ってのも、意固地過ぎる気がしてならず・・・。

結局、テーピングする訳ですよ。
話は戻りますが、講習ではテーピング大推奨なので御安心ください。
初心者は、どうやっても傷が多くなるので、テーピング必須だと思います。

クライミングや登山において、諸々のモヤモヤと如何に向き合うかは大事な問題ですが、とりあえずこの辺で。

2018年8月26日日曜日

ビレイ点の続編

5月17日は、マルチピッチリード講習にて、小川山。
女性HMさん、男性SGさん。
<ビレイ点作りの練習>

ビレイ点作りで、講習生が頻繁に話題に上げるのが、足場です。
足場によって、求めるものが変わるという話。

上図で、下段のテラスは数人が座れる広さ、中段は立てる程度(セルフにぶら下がっていることが多いくらい)、上段は大型テントが張れるぐらい。

「中段の場合、ものすごく安全なビレイ点であって欲しい。」
「上段の場合、テンションなるべくかけないように、そうっと使える。」
という感覚。

感覚は、分かります。
ただ、その図はフォローが登っている状態で、このときフォローがテンションすると、ビレイ点に全荷重がかかります。

つまり、ビレイ点はトップロープ支点並みに安全であって欲しいのです。
しかも、仮にビレイ点が崩壊すると、リード(この時点でのビレイヤー)も死にます。

さて、この状況は、ビレイ点の足場が良くても同じです。
<カム複数支点でのハンギングビレイ>

個人的には、
「足場が悪い(ハンギング気味の)ビレイ点を、怖がって真剣に構築するのは悪くはない。でも、足場が良くても結局はパーティ全滅の危険はあるから、妥協は要注意。」
ぐらいのイメージです。
次に、複数支点の連結。

上図は、A~Dの4つのカムで、ビレイ点を作った場面。

A~Cの3つを連結し、一番強固な支点(パワーポイント、マスターポイント、などと呼ぶ人が多い。)を作り、そこでフォローをビレイしました。

で、本人のセルフビレイは、Dだけで1個からとりました。

本人の感覚としては、
「煩雑にならないように、分けた。」
というもの。
これまた、理解はできます。

ただ、もしDが抜けたり、セットした岩が欠けたりすると、本人はA~Cの3点には繋がっておりません。
おそらく、死にます。フォローは、とりあえず死にませんが。

複数支点の最大のメリットである、バックアップの効果がないのです。
このケースだと、普通にパワーポイントにセルフビレイで良いんじゃないでしょうか?

せっかくDが使えるなら、一応パワーポイントに連結して、A~Cが全部抜けたときの最後の保険にしておくという手もあります。
こうやって書いちゃうとサラリです。

でも、リスク管理で感覚と理性の仕分けは、永遠のテーマみたいなところもあり、現場では失敗しがちですよね。
ゆっくり学んで行きましょう。

<トップアウト!>



2018年8月20日月曜日

リーチ問題の第1歩

8月15日(水)は、ムーヴLv.0。
女性SGさん。

前々から、リーチについて何度も質問していらっしゃるSGさん。
個人的には、リーチが無くても上手くなる人ってのは、「気の持ちよう、状況分析の2点が上手い人」ではないかと思っています。
「リーチのせいで登れない」と言いたくなる気持ちと上手く向き合いつつ、「この状況は、どうすれば登れるのか?」という試行錯誤に気持ちをフォーカスするのです。
まぁ、これってリーチに限らないんでしょうけど。

さて、状況分析に関しては、講習で扱いやすいです。
以下、2つの写真はスタートホールドから1手目(右手の指先が触れている緑色のガバ)が届かない、というもの。
※本当に、「何も思いつかないです。」と困っている訳ではありません。説明のために、とってもらったポーズです。
<右足が緑のスタンス、左足が黄色のスタンス>

<右足が黄色のスタンス、左足は1枚目と同じ黄色のスタンス>

この写真を見て、どうすれば届くかを考えてみます。

ちなみに、このルートは足自由。左手に持っているスタートホールドは、大きなガバです。
傾斜は75度くらいのスラブです。

方法① 両足とも、もっと高いスタンスに上げる。(これは、どんな初心者でも思いつくでしょうか。)

方法② 1枚目の写真の状態で、右足に乗り込む。(左足から右手までの距離が遠すぎる。右足は、まだ十分曲がっている。)

方法③ 2枚目の写真の状態で、右足に乗り込む。(1枚目よりも右足は低いが、左足なしで右足1本で立てば、右腰の「くの字」が真っ直ぐになって届くであろう。)

方法④ 1枚目、2枚目のどちらのケースでも、左足のみを右上方向のものに変更する。すると、右腰が「くの字」になった状態を解消できるので、方法②、③と同じ形になれる。

方法⑤ 足スメア、飛びつき、スタートホールドでのマントル、など。ただ、この場面では①~④の方法の方が楽そうなので、誰もやらないでしょう。
※飛びつこうとして伸び上がってみると、どちらの写真のケースでも右足が残ることになるでしょうが・・・。

ってな感じで、自分の状況を分析します。
足限定になっても、難易度が上がっても、基本的な作業は同じです。

今の自分の後ろ姿を想像して、どういう動きならば現実的に可能か、可能な動きが複数ある場合はどれが楽かを考えます。
まぁ、こうなってくるとリーチ問題というか、普通のムーヴ検討という話になりますね。

ただ、経験上リーチが短い⇒落ち込みやすい&諦めやすい、という傾向に陥る人は多いので、質問してくる気持ちを汲むことが出来ます。
ってな訳で、「結局リーチが無くても上手くなる人ってのは、物事の考え方の時点できっと上手いんだよ。」という気がします。
メンタルコントロールは専門外なので、講習では状況分析などの取り組み方がメインではあります。

さてさて、本日でSGさんはジムリード講習に進んでO.K.といたしました。
引き続き、よろしくお願いします。

2018年8月16日木曜日

8月12日(日)は、岩場リード講習にて、小川山。
女性NNさん、女性KBさん、女性FSさん、男性FMさん。
落ちたらダメな場面。
例えば、1本目のボルトが高いとか、途中がランナウトしているとか、ボルトが信用できないとか、色々あると思います。
ボルダリングでも、最後のマントルは落ちたら怪我する課題って結構多いですよね。
山だったら、そもそもロープを付けてない場面もあります。

で、その場面で、
「この一手(or一歩)出しちゃったら、戻れないな。」
と頭をよぎることがあると思います。
そこが、あなたのクライミング技術においての判断の分岐点になります。(どのムーヴまで確実にクライムダウン可能かは、人によって違います。)

さて、この場面での自問自答を考えてみましょう。

「今なら、まだ引き返せる!」
「進んだら、もう多分引き返せない。確実に次のボルトまで進めるかな?ホントのホントに自信持って大丈夫?」

もちろん、第三の選択肢を探しても構いません。
引き返せそうな別ラインを模索するとか、別ムーヴを模索するとか。
これが見つかれば、いつでも引き返せる状態で行軍しているので、ミスったら大事故とは思いつつもパニックだけは避けられそうです。
そんな会話の後。
講習生Aさん:
「私、そんなに(リスクを)考えてたら心が負けちゃいそう。私、怖がりなんですよ。(普通に登っちゃダメですか?)」

私:
「なるほど。うーん、でも考えないと長生きできないと思いますよ。」

講習生Aさん:
「分かりました。」(しぶしぶ、という雰囲気。)

たしかに、リスクを想定するとドキドキしてしまうから、片目つむって登りたい、という心理はあると思います。

講習生Bさんからも
「すごく気持ちは分かります。でも、考えないとヤバイです。」
というコメントをいただけました。

一方で、
「私は、考えずに突っ込むこと自体できないなぁ。もう、どうやっても考えちゃいます。心配だし。」
という講習生Cさんも。
この方としては、怖がりだからこそ考えずにいられない、という感覚なんでしょうね。
さて、皆さんは誰の感覚に近いでしょうか。

ちなみに、落ちたら行けない場面で、登ることも降りることも出来なくなって動けなくなることを、私は大学時代に蝉(せみ)だと教えられました。
「蝉にだけは、なっちゃダメだから!」

2018年8月14日火曜日

コーヒーが頂ける安定感

8月10日(金)は、ムーヴLv.0。
女性SGさん、新規女性NIさん。
本日、登っている講習生から「いま、すごい安定して、しっくり来ているんです。」という実況をいただきました。
状況を見ると、両手両足を別々のホールドに置いた状態、つまり4点支持の状態です。

そういうの、ありますよね。
しっくり来て、心地いい感覚というのは、バランスを学ぶ上では重要だと思います。

ただ、欲を言えば片手は使っていない状態(両足なら3点支持、片足バランスなら2点支持)で、しっくり来るバランスを感じて欲しいという話をしました。
これは、クリップ、(ゆくゆくは、カムセット、アックスのスイング)などの基本的な態勢だからです。

すると、「片手で安定できました。残った片手で、コーヒーとサンドイッチが頂けそうですわ。」という上品なコメント。
それは、カムセットよりアックスのスイングよりも厳しい判定基準になっていて、将来に繋がる安定感だと思います(笑)。

レストとは何ぞや、ということを理解する1つのアプローチでしょうか。
私の方が「なるほどねー。そういう風に理解が進むわけねー。」と、しみじみ思うのでした。

2018年8月11日土曜日

9月の予約受付

遅くなりました。
8月14日(火)の22時より、9月分の予約受付を開始いたします。

例年なら、沢登りに興じるので休業設定日を多めにしたいところですが、今年は無しになりそうです。
というのも、いい加減に指の変形を治療してみようと思いましたので、自分の登りはお休みすることにしました。という訳で、現在は高月整形外科に通院しつつ、講習以外は登らない運動を心がけております。

ストックワークとか沢登りも、クライミングの本気トライよりは大分マシなんで、あとは経過次第ですね。
自分にとって、色々お試し期間です。

ではでは、よろしくお願いします。

2018年8月10日金曜日

衝撃は吉と出るか

8月4日(土)は、マルチピッチ体験にて、瑞牆。
NSさん夫妻。
人生初のマルチピッチとなる2人。
「都岳連の沢講習みたいな、歩きっぽいところを登るような気楽な考えで来た。」
という奥様。

「いやいや、体験って言っても、それなりにヒーヒー言うメニューなんじゃないかなぁ。」
と勘ぐる旦那様。
普段なら、その中間ぐらい(最高グレード5.7~5.8ぐらいのクラックで、数ピッチ)で体験講習を行うことが多いです。

NSさん夫妻のように、5.8程度のクラックを何本かオンサイトしているぐらいの実力であれば、「いやはや、本気でした。」とか言いながらもノーテンでフォローはしてくる程度。

それで、じっくりシステムとか、考え方とかを整理していこうと。
が、最近の猛暑で、日陰中心のマルチという限定が付きました。

色々思案した結果、瑞牆にて講習。
いつものように、講習生が選んだラインになるべく沿うように、私がリードしていくという趣向です。
なので、ルートファインディング次第で各ピッチのグレードは変わります。
果たして結果。

1P目:講習生体感5.8、チムニー系。いきなり本気。しかも、オブザベとムーヴが全然違うので、とても疲れた様子。2人とも、ノーテン。
2P目:講習生体感5.8、チムニーとかハンドとか。やっぱり本気。でも、1P目よりはオブザベが当たって、少しは余裕があった。奥様が、岩から立木に乗り移るときに1フォールを喫する。
3P目:講習生体感5.5~5.6。木登りなど沢の高巻き風味。余裕を持ってノーテン。
4P目:講習生体感5.10a~5.10b、ハンド~チムニー。見た目より遥かに難しくて、大苦戦。奥様は、ムーヴ解決不可能にてエイド混じりで突破。旦那様は、テンションを多く掛けつつもムーヴで突破。
5P目:講習生体感5.8。一箇所チムニーがクライミングっぽいが、あとは概ね高巻き風味なワイルドな構成。 2人ともノーテン。
2人にとっては限界グレードの連続ですから、当然ながら全ピッチで荷揚げとなります。
(自分でサブザックを背負っているので、各自でちょっと荷揚げ。)

とにもかくにも、疲れ果てた様子。
そして、岩峰の頂上付近にトップアウト。

2人の口から出た言葉は、
「頑張った!」
「良かった!」
でした。
「なぜフリーなのか」、「なぜリードなのか」という以前に、とにかくトップアウト出来たら嬉しくなるという原始的な喜び。
これくらい追い詰められると、強く感じるものなのでしょう。

(だからと言って、「マルチは、なんでもアリだ!」は肯定しませんけど。)
今回は、ちょっと厳しすぎる設定の感は拭えません。
ただ、とにかく大きな衝撃の中で色々なものを感じたようでした。

例えるなら、ワンゲル上がりの学生が社会人山岳会に入って、最初っから冬壁に連れて行かれたようなカルチャーショックでしょうね。
これにめげず、コツコツやっていきましょう。
クラックも、ロープワークも、千里の道も一歩からです。

2018年8月7日火曜日

富士山から帰宅

6月30日(土)、7月1日(日)の研修から始まり、7月12日~8月3日までで、計10回ほど登って来ました。
今シーズンは1本目のツアー開始とともに、すぐに夢中になり、クライミングのことはすっかり忘れておりました。
普段はインストラクターという立ち位置が好きなのですが、ガイドはその富士登山を成功させることが全てと割り切って出来るので、たまには楽しいものだなと思います。

が、山頂御来光ツアーは夜間登山で疲労を蓄積し、昼間のツアーであっても連続勤務(朝に下山して、午後から出発のツアーを担当するもの)で精神的余裕を無くし、台風の中で下山してドップリと装備を濡らし。
心身ともに疲弊は凄まじく、今は遠征帰りのようにボーッとして半日が過ぎていくこともあります。

たぶん、高度の影響とか、時差ボケみたいなものもあって、富士山期間中は回復が今一歩なのかと思っています。

今シーズンは、ガイディングは夢中でやりましたが、成長を感じたのは関係業種の人達の振る舞いが以前よりも見えるようになったことでした。9年目にして、ようやく富士山のビジネス構図が少し見えてきたような気がします(笑)。

「周りを怒らせないようにしつつ、自分の担当ツアーのお客様のメリットを追求する。」というのが難しいので、今までは見て見ぬフリをしていて、関係各所を怒らせていたような気もしますが。
もしかしたら、少し混雑が減ってきて、ガイディングに余裕が出来たのかもしれません。だとすると、自分の成長では無いけど・・・。

残りのシーズン、仲間達はまだまだ頑張っている訳ですが、どうにか乗り切って欲しいと願います。人手不足で、すごく大変そうですが・・・。

そして、ボチボチ自分の登りを再開しましょうか。

2018年8月6日月曜日

型か、創意工夫か

7月9日(月)は、クラックムーヴ講習にて、瑞牆。
女性IUさん、女性HMさん、女性HSさん、女性WNさん。

ワイドクラックを強く御所望の皆さん。
<アトムエリア>

「ワイドクラックは、型だ。」
という人がいます。

何となく、言わんとすることも理解できます。
ズドンとひと続きの割れ目は、1つのムーヴがハマれば、その繰り返しで高度を稼ぐことが出来るからです。

すごく平行で、ホールド、スタンスも少なく、フリクションも一様、といったザ・チムニーみたいなのを登るときは、それを感じます。

ちょっと極端ですが、ビックロック日吉のクラックは、まさに型の連続って感じに思えます。
<取り付きで、ムーヴを試行錯誤>

「ワイドが上手い人は、創意工夫を自分で出来る人だ。」
という人もいます。

サイズ、フレアー具合、傾斜がちょっと違うだけでも、最適ムーヴが違って感じるのも確かです。
ということは、サイズが違う人が登る後ろ姿を見ても、参考にならないことが多いです。

これって、本来は他のクライミングでも同じです。
が、ワイドクラックは何が何だか分からないと感じる人も多いので、他人のムーヴが参考にならないことが痛手に思えるのも理解できます。

前述の型も、自分のサイズ感に合った方法を探すのは自分自身。
見つかったら一気に高度が稼げる、という話になります。
<傾斜の寝た、フレアーチムニー。スタンスは豊富、所々にジャミングも効く。という条件>

個人的には、ワイドクラックの面白さは後者にあると思います。
そういう部分では、ジムのルートセッターみたいな趣向の人がやったら、楽しくて仕方ないと思うんですよね。
<動画撮影>

擦り傷が絶えない、見た目のムーヴが地味(ルーフワイドは派手だけど)、比較的泥臭いルートが多い、などのスポートクライマーを寄せ付けにくい部分があるのは否めませんが(笑)。
結局、山屋系のクライマーが多いのは、そういうことですかね。
<右足フットジャム、左足ヒール&トウ、という型がハマって、高度を稼ぎ始めた。右手だけは、奥の方にハンド~フィストも効く。傾斜は、垂直以下。>

創意工夫をして、どうにか発見したムーヴを繰り返して高度を稼ぐ持久系もあります。
形状が目まぐるしく変化して、1mごとに別ムーヴを考える必要があるような、多彩なムーヴ系もあります。

これを、何系と呼ぶかは好みが出そうですね。
<ヒール&トウが、効いてはいるが、少し痛そうにも見える>

<他の人と逆向きを試す、HMさん>

<やっぱり、同じ向きに戻す>