2018年8月20日月曜日

リーチ問題の第1歩

8月15日(水)は、ムーヴLv.0。
女性SGさん。

前々から、リーチについて何度も質問していらっしゃるSGさん。
個人的には、リーチが無くても上手くなる人ってのは、「気の持ちよう、状況分析の2点が上手い人」ではないかと思っています。
「リーチのせいで登れない」と言いたくなる気持ちと上手く向き合いつつ、「この状況は、どうすれば登れるのか?」という試行錯誤に気持ちをフォーカスするのです。
まぁ、これってリーチに限らないんでしょうけど。

さて、状況分析に関しては、講習で扱いやすいです。
以下、2つの写真はスタートホールドから1手目(右手の指先が触れている緑色のガバ)が届かない、というもの。
※本当に、「何も思いつかないです。」と困っている訳ではありません。説明のために、とってもらったポーズです。
<右足が緑のスタンス、左足が黄色のスタンス>

<右足が黄色のスタンス、左足は1枚目と同じ黄色のスタンス>

この写真を見て、どうすれば届くかを考えてみます。

ちなみに、このルートは足自由。左手に持っているスタートホールドは、大きなガバです。
傾斜は75度くらいのスラブです。

方法① 両足とも、もっと高いスタンスに上げる。(これは、どんな初心者でも思いつくでしょうか。)

方法② 1枚目の写真の状態で、右足に乗り込む。(左足から右手までの距離が遠すぎる。右足は、まだ十分曲がっている。)

方法③ 2枚目の写真の状態で、右足に乗り込む。(1枚目よりも右足は低いが、左足なしで右足1本で立てば、右腰の「くの字」が真っ直ぐになって届くであろう。)

方法④ 1枚目、2枚目のどちらのケースでも、左足のみを右上方向のものに変更する。すると、右腰が「くの字」になった状態を解消できるので、方法②、③と同じ形になれる。

方法⑤ 足スメア、飛びつき、スタートホールドでのマントル、など。ただ、この場面では①~④の方法の方が楽そうなので、誰もやらないでしょう。
※飛びつこうとして伸び上がってみると、どちらの写真のケースでも右足が残ることになるでしょうが・・・。

ってな感じで、自分の状況を分析します。
足限定になっても、難易度が上がっても、基本的な作業は同じです。

今の自分の後ろ姿を想像して、どういう動きならば現実的に可能か、可能な動きが複数ある場合はどれが楽かを考えます。
まぁ、こうなってくるとリーチ問題というか、普通のムーヴ検討という話になりますね。

ただ、経験上リーチが短い⇒落ち込みやすい&諦めやすい、という傾向に陥る人は多いので、質問してくる気持ちを汲むことが出来ます。
ってな訳で、「結局リーチが無くても上手くなる人ってのは、物事の考え方の時点できっと上手いんだよ。」という気がします。
メンタルコントロールは専門外なので、講習では状況分析などの取り組み方がメインではあります。

さてさて、本日でSGさんはジムリード講習に進んでO.K.といたしました。
引き続き、よろしくお願いします。