2018年9月28日金曜日

楽なムーヴ、安全なムーヴ

9月26日(水)は、リード3回目。
男性STさん、女性KDさん、復習参加の女性Hさん。
STさんは、これにてジムリード講習を卒業といたしました。

さて、ときどき質問される話。
「楽(なムーヴ)ってことは、安全(なムーヴ)ってことですよね?」

この命題、なかなか深いです。
マルチピッチやら沢登りのために、クライミングを始めた人にとって、

①楽な登り方は、ピッチ数や山行全体を考えたときにも大事です。
②安全な登り方は、落ちてはいけない場面が多い登山的なクライミングを好む人にとっては大事です。

実は、1ピッチのクライミングだけやっていたとしても、この話は割と大事です。
いかに省エネで登るかは、リードクライマーにとっては必修課題です。
岩場に行くと、ボルト位置の関係などで確実性の高いムーヴしかやる気にならない場面など、日常茶飯事です。
という訳で、山屋もフリークライマーも、避けては通れない命題かなと私は考えています。

さて、話を戻します。
楽なムーヴと、安全なムーヴは、完全には一致しません。
楽だけど、不確実なムーヴ、というのも存在します。大変だけど、確実なムーヴ、というのも存在します。
私が思い浮かべている例と、これを読んでくださっている方が思い浮かべている例が、ちょっとズレているかもしれません。が、そこを突っ込むと「安全とは何か?」みたいに厳密な話になりそうですね(笑)。今回は、あくまで大雑把に。

楽で安全なムーヴ、というのは誰の目にも良いムーヴだと思います。
反対に、大変で不確実なムーヴ、というのは悪いムーヴだと思います。(どうしても、それしか解決方法が無い課題は、自分にとって相当難しめの課題で、安全な状況でも10回のうち数回は失敗するというものです。)

1つだけ例を挙げると、クリップ態勢。
手繰り落ちはしたくないから、最低でも安全な片手バランスを作ります。
ただ、出来れば上手いことやって、楽で安全なバランスを作りたいとは誰もが思います。

良いムーヴとは何ぞや、ということの理解の足しになれば、幸いです。