2018年12月6日木曜日

安全基準向上の舞台裏

12月1日(土)、12月3日(月)は、岩場リード講習にて、湯河原。
1日目は、男性STさん、男性FTGさん、男性NMさん。
2日目は、男性YZさん、女性SDさん。
今まで墜落距離の計算をせずに登っていた人が、そのイメージを持つようになっていく過程にて。

それにより、「ここで落ちたら事故じゃん!」という場所が分かってしまい、過去に登れていたルートも登れなくなるという現象があります。
今までは怖いもの知らずだった、ということです。

(もちろん、「ここで落ちたって、全然平気でしょ。」と分かることによって、頑張れるようになる現象もあります。)
過去に、5.10でもリードしたことがあり、5.9ぐらいだったら色々登って来たという人にとって、5.8で敗退することは苦痛でしょう。
5.6、5.7であっても、ランナウトするセクションがあれば、決して侮ることは出来なくなります。
このタイミングで
「なんか、前より登れなくなった。」
「どんどん登れなくなっていく気がする。」
というコメントを、何人もの講習生から伺います。
「安全基準を上げることによって、以前の登りは出来なくなる。」
これは、生涯に渡って、ときどき訪れることだと思います。
そして、これは結構ツライです。

「登れなくなって行く。」イメージもそうですし、
「今までは、そんなことすら意識していなかった。」と自責の念に駆られる人もいるでしょう。
「こんなにツライなら、トップローパーになろうかな?あるいは、別の趣味を探すか。」
という気持ちがよぎっても、不思議ではありません。
今こそ、一番ツライ時期だと思いますよ。

どうか、腹が据わりますように。
実践本気トライ
STさん:フック船長(5.10a) オンサイトトライにて1テン。2撃。
FTGさん:フック船長(5.10a) 再登。(ほぼ忘れているので、フラッシュに近い。)
     マゾおけさ(5.10b) レッドポイント。(前回、敗退しているので2撃)
NMさん:シルクロード(5.7) オンサイト。
さてさて、STさんとFTGさんは岩場リード講習を卒業といたしました。

まだまだ聞きたいことはありそうですが、続きはクラックリード講習のときにでも。
あるいは、小川山でスラブ講習がてら復習受講してもらうのも良いですよ。