2019年8月2日金曜日

どこでクリップさせたいかを読む

7月6日(土)、7日(日)は、岩場リード講習。
1日目は、女性STさん、新規男性KMさん。
2日目は、引き続きKMさん、復習参加の女性ISさん。
岩場においては、ボルトは意図を持って打たれています。

「このムーヴ中に、落ちちゃいけないランナウトじゃぁ、さすがに怖かろう。」
みたいに、設定者が思ってくれていると考えれば良いと思います。
そこで、また図で考えてみます。

A~D、O~Rは、それぞれボルトが打たれている候補について挙げたもの。

左図は、ガバを持ってレストしている状態です。

経験上、このシーンではA位置に打ってくれているルートが多いです。
今のスタンスより一歩上がって、引き付けクリップになることもあります。
イメージは、ガバから届く範囲でなるべく高めにクリップされていた方が、今後のムーヴでの墜落距離が軽減される、という感じ。

B、Cというケースは、登る人にとっては有難みが少ない気がしますが、クリップそのものはやりやすいので、たまにある気がします。(Aの位置の岩質が脆い、ムーヴの都合で引き付けにくい、などの理由のときもありそう。)

Dあたりに打ってくれている場合、ガバを取る直前のムーヴが難しく、そこ用のプロテクションといった感じでしょうか。

次に、右図は小テラスのようなスタンスに立った状態です。

やはり経験上、Pの位置にあると今後の墜落距離が軽減されて助かります。

Oの位置だと、身長によっては届かないので、稀だと思います。ただ、テラスからの1歩2歩は難しくない場合などは、アリだとは思いますが。

Qの位置も稀ですが、グランドアップで手打ちボルトとかなら、そういうものかと思います。

Rの位置だと、テラスに立つ直前のムーヴ(例えばマントル)が難しく、そこ用のプロテクションかと推察されます。
そんなことを考えるようになると、設定されたクリップ態勢に導かれ、以前よりもボルトルートが登り易く感じるように思います。

初心者の場合、Aの位置に打ってあるのに、ガバより上のカチを保持して顔位置で必死でクリップ、みたいなことをやりがちです。
 
こういうのって、ジムでも同じじゃないかと思います。

僕も、ガバで引き付けクリップさせて、そこから4手ぐらいクリップしにくいムーヴを連続させ、次のレストポイントでクリップ、という感じでルートを作成することがあります。

この際、ガバで引き付けクリップを嫌い、結局悪い態勢でクリップしている人って結構多いんですよね。
まぁ、ムーヴの得手不得手もありますから、設定が全てではないのですが・・・。


<スラフェースの5.10aを見事にO.S.>