2019年12月20日金曜日

習ったことを練習する生徒の気持ち

12月15日(日)は、岩場リード講習にて、湯河原。
女性STさん。
<ムーヴ練習>

ムーヴ練習で、飽きのタイミングは人それぞれです。

少し、極端な例を挙げましょう。
<4b>

ムーヴ講習で、足を土踏まずなどでベッタリ置いて登っている初心者が何人かいたとします。

「足は爪先周辺で置くことが多い。」、「指の付け根が凹んでいるので、そこがホールドにフィットすると心地良いし、安心感がある。」といった説明をしたとします。

Aさん:
「ちょっと、色々なホールドで試してみても良いですか?」
(やってみたら、色々感じたり、質問が出て来そうだし。)

Bさん:
「とはいえ、土踏まずとかでベッタリ置いた方が楽じゃないですか?爪先は疲れます。」

Cさん:
「ヒールフックとかは、どうなんでしょう?あと、すごく小さいスタンスとかは付け根は無理じゃないですか?」

Dさん:
1つだけホールドに足を馴染ませてみて。
「ふーん。分かりました。」
Aさんが、当塾講習としては模範生徒の1タイプです。
ここで、なんだか楽しくなってきて、時間を忘れるぐらい実験にのめり込めるなら最高です。

Bさんは、素朴な感想です。
実際に、そう感じるのも理解できます。
「たしかに、そういうこともありますね。では、どういうケースでしょう?」
といった会話で、どうにかAさん型の学びに誘導したいところです。

Cさんは、ある程度のクライミング知識がある感じです。
「ヒールフックもあるんですが、今回は爪先周辺で置くケースだけを掘り下げるってことで良いですか?」
とか、お話しする感じでしょうか。
(ヒールフックも丁寧にホールドに馴染ませるように意識すると、爪先で置くのと近いぐらいに繊細な感覚があると思いますが、その話は深すぎるので割愛。)
<シルクロード(5.7)>

Dさんは、なぜそうなるんでしょうか?

①飲み込みが天才的で、次のルートからは爪先周辺で置くことが出来る。
(実際には、サンプル数0人。世の中には、たまに居るらしい。)

②講習は、知識伝授の場であり、反復練習の場だとは思っていない。
(もしかしたら、自主練習で反復練習するつもりなのかも。)

③理解すれば、次から出来ると思っている。
(自分が天才だと思っているわけではないが、漠然と。)

④講習初参加などで、先の展開が読めずに受け身にならざるを得ない。
(これは、私の失敗でもあるし、ある程度仕方ない部分もあります。)

と、Dさん側に立って釈明を考えてみるんですが、実は意外と多いのが
⑤特に、深い考えはなくて、受け身で説明を聞いていた。

②~⑤の比率は不明ですが、どれもそれなりの数は居ました。

さて、もうちょっと経験を積んだSTさん。
本日のムーヴ練習では、別内容を練習。

「練習しなきゃ身にならないのは分かるんだけど、飽きちゃうんだよねー。ピアノの練習曲みたいなもんで、効果は知っているんだけどねー。」

いや、すっごく分かります。そして、過去にも何人もそういう人は居ました。
そういう人は、時間をかけて学べば良いと思います。
そのうち、意識も変わって来そうですし。
実践本気トライ
・インチキするな(5.8) O.S.
・蟻さんルート(5.8) O.S.(上部は、インチキするなと共有)

ムーヴ練習も実践で活かせるようになってきたし、墜落距離も意識して行動できるようになってきたので、相当分かってきたと思いますよ。
あとは、本当に落ちる可能性大の本気トライとか、終了点が立木の場合の対応とかですね。