2020年2月20日木曜日

育った畑を理解する

2月11日(火、祝)は、リード講習で、女性YOさん。
2月16日(土)は、雨中止にてムーヴLv.1にて、男性KYさん。

例によって、講習で扱ったテーマではなく、個人的に考えていることです。
“ボルダラーらしい登り”について。
今回は、安全管理の話ではなく、スポーツとしてクライミングを考えます。

強いボルダラーは、ムーヴも上手いです。
足置きも丁寧だし、フック系の技も上手い、デッドもスタティックも上手に使い分けます。
おまけに体幹もしっかりしていて、ムーヴのブレも少ないです。

ただ、「リード主体の人の滑らかさ、省エネ登りとは、ちょっと違う・・・。」という印象を、結構みんな持っていると思います。
「具体的に、どう違うか?」ではなく、「なぜ、そうなったのか?」という点を、いつも考えています。
それが、お互いにとって上達のヒントになることは、間違いないので。

1つの要素として、意識の違いが挙げられます。

まず、リードのオンサイトトライで失敗した場合を考えます。
上部の核心で力尽きた、という状況です。
その場合、クライマーが反省すべき点として

①上部核心までの道のりで、誤ったムーヴを選択して、消耗した個所はどれだけあるか?
②レストポイントは、十分に活用できていたか?
③上部核心のムーヴを、思いつくまでに時間が掛かり過ぎていないか?(orもっと良いムーヴは無いか?)
④そもそも、オブザベでもっと分かっておくべき点は無かったか?
⑤クリップのタイミングなど、安全上の問題、省エネ上の問題は無かったか?
などがあります。

これは、レッドポイントのために、ムーヴやレストポイント、クリップ態勢を完全記憶していく、という作業においても同様です。
いかに無駄を省き、効率良く登るか?というテーマで、ルートと対峙しています。

一方、ボルダラーは少し違います。
まず、誤ったムーヴの連続で一撃できたとしても、「強い!」の賞賛です。
しかし、自分のフィジカル限界付近の課題では、ムーヴを練りに練ります。そして、リードクライマーのハングドッグより、はるかに上質で高回数を、課題に打ち込み続けます。
だから、フィジカルも強く、際どい足技も巧みになるのだと思います。
つまり、ボルダラーとしては正しい意識なんじゃないかという私の印象です。

ただ、リードクライマー目線で言えば、3級をコンスタントに登れる人が、4級~6級を力技で登っても反省するチャンスには恵まれないとも言えます。
(コンペのように、少ないトライ数での成績と向き合う場合は、リード的な考え方も重要になって来るのかもしれませんが。私は経験ないので、不明。)

ここから、私なりにやるべきこと。
①講習では、リードクライマーとしての考え方を、なるべく丁寧に分解して説明する。
(初級者はテンションしたら、トップアウトすることに執心してしまい、そこまでの道のりを反省するという思考に至らない場合も多い。そもそも、ジムではトップアウトしてヌンチャク、カムを回収する必要は無いので、トップアウトすることに達成感を見出すのは上達過程としていかがなものでしょう?)

②自分がボルダリングをするときは、ボルダラー的な意識を持つように心がける。
(限界付近のフィジカルで、テクニックの限界付近を、なるべく経験すること。)

とにかく、総合力的なことが好きすぎて、②をやろうとするとツラくなる自分は、何なんでしょうね(笑)。
まぁ、出来ることからやって行きましょう。