2020年11月18日水曜日

雪山講習の募集

12月19日(土)、20日(日)に、雪上訓練を希望されている方が1名いますが、誰か乗り合わせ参加する方を切望していらっしゃいます。
1日目が歩行訓練、2日目が谷川岳登頂を予定しています。

参加希望の方は、ご連絡ください。

また、それ以前に別予約が入ったら諦めていただく、という話なので、クライミング講習予約も普段通り受付を続けます。

どうぞよろしくお願いいたします。

2020年11月17日火曜日

マルチピッチから、何を学ぶか

11月7日(土)は、マルチピッチリード講習にて、NSさん夫妻。
11月8日(日)は、マルチピッチ体験講習にて、女性Mさん、男性KTさん。
マルチピッチをやると、ショートルートにもプラスがあります
モチベーションを上げるために、少し書き出してみます。
①よく考えて登るようになる。

これは、残置無視・トポ無視で行う講習では、特に顕著です。
考えずに突っ込めば、簡単にリスクに晒されます。

岩の形状、レストポイント、プロテクション、ロープの流れ、ムーヴ、全てをじっくりと考えながら登ります。

※そのための教育的配慮として、残置無視・トポ無視というのもある。
②レスト技術が向上する

上記を実践するためには、ステミング、バック&フットなどのノーハンド(もしくは、それに近い)レスト態勢で、試行錯誤する能力が要求されます。

マルチピッチの場合、傾斜は垂直より少し緩いことが多いですが、ついついレストできずに先を目指してしまうという登りは大いに反省させられる場面ばかりです。
③めちゃくちゃ丁寧に登ることを心掛ける

戻れる範囲でのノープロ、という場面は、いくらでも出てきます。
ボルトルートなら、次のボルトにクリップしてしまえばセーフ、という場面でも、そうは行きません。

また、クライムダウン敗退を考慮することは当然として、ホールドが欠けるリスクもあり、慎重な上にも慎重な登りが要求されます。

ちなみに、マルチだと、プロテクションがバチ効きであっても「やっぱり、普段以上には落ちたくないから」慎重に登るようになる、ということもあります。
「自分は、アルパインクライマーだからムーヴが雑だ。」という人は、認識を正した方が良いと思います。
④下降を考えることで、登りとは別目線で岩の形状を観察するようになる

ロープスタック、次の下降点をどこにするかなど、戦略的な要素があります。
⑤ロープワークの苦手意識が払拭される

ショートルートのロープワークは、マルチに比べたら単純化されたものです。
そのため、ショートルート専門のクライマーだと、ついついパターン暗記に走りがちというのはあるでしょう。

これを、体系的に理解して、良し悪しの判断基準を作っていきます。
⑥トラブルを想定することが習慣付く

もしも、この場面で・・・。
完璧なレスキュー技術はありませんが、ちょっとしたトラブルで救助要請というのもいかがなものかと思います。
⑦クライミングジャンルの位置付け、歴史、初登者への意識、リスク管理、などが自分の中で体系づけられていく

こう書いちゃうと、さも自分が出来ているみたいで不遜な感じですね(笑)。

ただ、マルチ講習のビフォーアフターで、講習生の中に「字面だけではない理解」が始まるように感じています。
そして、これが始まると、一層クライミングが奥深く感じられると思います。
この話は、「クラックをやることによって、ボルトルートの理解が深まる。」にも似た構図があります。
本日は、副次効果の話にフォーカスしましたが、実際にクラックやマルチピッチの技術そのものを上げて登れるようになることは、楽しいことです。

学びのモチベーションは多いほど楽しい、という程度の話でした。
NSさん夫妻は、冬の間はクラックリード講習への復習参加で、来春を目指すそうです。
Mさん、KTさんは、12月初旬にもう一度マルチ講習をば。

引き続き、頑張りましょう。

2020年11月11日水曜日

ポケットマントル

11月6日(金)は、自分のクライミングにて、小川山。
Hさんと。
<意外なほど暖かい小川山>

10年ぐらい前に2本目のボルトまで辿り着けずにクライムダウン敗退したことがある、ポケットマントル(5.10d)。

グランドアップ開拓、ラインの合理性、ムーヴの楽しさ、などから大変評価の高いルートのようです。

Hさんが、ハコヤ岩でカムスタックさせたというので、それの回収半日と見込んで、ちょうど良い宿題回収かなと。
<1トライ目で、カム回収に成功したHさん>

で、無事に登れました。

前回は富士山ガイドのオフ日という、自然条件(真夏)も自分の能力(止むを得ず弱っている)もイマイチ過ぎるときに来た、というのを反省して、最高に近いコンディションで再訪。

たしかに、名クラシックですねー。
実際、下手なフォールは許されないので、慎重に次ぐ慎重さで登るべき一本でしょうか。

そして、今登っても十分に難しいです。
<で、2トライ目にR.P.もしておく>

例によって、前々から思っていること2点。

①今回は、オンサイトなのか?
a)「擬似フリーソロ」という直観的ルールで言えば、オンサイト。(「クライムダウンしたので、オンサイト権を残した」など)
b)コンペルールっぽく、一度でも離陸したら地上に戻るの無しなら、アウト。
c)地上に戻るのはアリだけど、日を跨ぐのは(なんとなく)ナシ、というルールだと、アウト。

僕は、a)ルールが、このルートにはしっくり来るような気がします。
冒険的なコンセプトで拓かれたルートですし。

個人的には、スポートルートでもa)ルールでやりますが、c)ルールを主張する人の感覚もわかります。
まぁ、答えは無いのですが。

②ときどき、ギリギリでボルトに届いてクリップできると、スポートルート以上に罪悪感がある。
本当は、立てる足場でボルト手打ちしたんでしょう。
そう思うと、そのムーヴの1つ手前(例えば、マントルの途中姿勢)から、クリップできることによって、少なくとも1つのムーヴの怖さが激減します。
(「怖さ」というと雑な感じですが、安全に登るためには、そのムーヴに求められる成功率やクライムダウン敗退の考慮が、格段に変わる。)

とはいえ、届くのにクリップしないでマントルするのもルールとして楽しくないと感じるし、立てる足場で10分間クリップせずに滞在する(ボルト打ちの時間)ルールなど全然楽しそうじゃないです。

どう考えても、初登者に楽に登らせてもらっているのですが、グランドアップルートの再登ってそういうもんなんでしょう。
他にも、今の方が登られまくって岩は綺麗になっていますし、チョーク跡もありますしね。

「なるべくマシなスタイルで登って、初登者のスピリットを感じる。」
という一般的な結論に落ち着くのでしょうか。
実際、「色々な意味で強過ぎでしょ」というのは、登れば分かると思います。
<発熱の街角も、楽しいルート>

具体的に登ったルート
・大和撫子(5.8、クラック) 再登
・冬のいざない2P目(5.10c、ハンド系) 再登
・ポケットマントル(5.10d、スラブ) オンサイト?
・発熱の街角(5.10b) フラッシュ

帰りにオジサン岩で登ったが、ラインがよく分からず。落ちたりしたけど、記録としては不明。

ちなみに、この後、猛烈なカブレに襲われ、土日の講習生の方には御心配おかけしました。
松か何かの漆か、何かの虫か、月曜の約束もキャンセルしてしまい、申し訳ありません。
もう、だいぶ良くなりましたので、週末からの予定は大丈夫です。

御岳山〜日の出山

11月4日(水)は、石井スポーツ登山学校の富士山登頂率向上プログラムの下見にて、御岳山〜日の出山。
御岳山は、ここ10年を振り返っても講習で5〜10回くらいは来ています。
大岳山〜海沢探勝路が、割と使いやすいと感じていますので。

ただ、そちらは岩場もあって、下山も点線コースと、登山道としてはチョット難しめ。
富士山を登って、そこから山が好きになった人とかに、さらなるステップアップを兼ねながら、登山の基本を説明するコースに使っています。

そう言えば、冬も海沢の滝が氷結していたりして、結構良かったです。
(アイスクライマー的には、氷結と言えないレベルですが、見た目には綺麗。)

多分、今後も使うでしょう。
一方で、日の出山は、高校生の頃に数回登った程度。
歩行距離も短く、標高も低い割には、見晴らしが良かった印象です。

当時は、奥多摩だと1,000m越えないと、景色とか空気感が盛り上がって来ないと痛感していた私なので、そういう意味で記憶に残っていました。
<平日も、そこそこ賑わう御岳山頂>

最近、つくづく思いますが、標高の割りに見晴らしが良い山って、結構貴重ですよね。
冬でも、ほとんど雪が積もらず、登山初心者を迎えてくれますし。

もちろん、状況次第で軽アイゼンや冬用の防寒着、グローブなどが無いと、危険な目に遭うこともあるでしょうが。
時々、こうやって半日ハイキングというのも、楽しいですね。
八王子に住んでいるので、アプローチの近さがありがたい。


<日の出山頂>

<青梅、八王子、立川などを見やる>

<林道を渡る>


<地域の氏神様らしい>

2020年11月9日月曜日

リードの受け身に対する、1つの成長記録

11月3日(火、祝)は、岩場リード講習にて、天王岩。
女性STさん。

本日で、岩場リード講習を卒業といたしました!
本当に、よく分かるようになってきて、僕も嬉しいです。
STさんは、もともとは落ちるのが大して怖くない方でした。
ただし、落ちる態勢(受け身)が上手かった訳ではなく、「落ちても案外平気なんだな。」という理解で、怖くなかったタイプです。
(最初から、受け身をしっかり覚えないと怖い人も多い。一方で、落ちているうちに受け身に慣れてくる人も多い。)

しかし、落ちる練習で2回も怪我を味わい、今や落ちるのが相当怖くなってしまいました。

一方、落ちる練習の必要性も重々承知していて、
「どうやって落ちたら良いのか、全然イメージできない!」
と嘆いていました。
(色々と説明したので、本日だけでも多少のヒントは得てもらえたとは思いますが。)
そして、本日の本気トライ(クラックジョイ)では、核心部で落ちる可能性のあるムーヴを起こして、無事に完登!
そのセクションは、被って(ハングして)いて、ボルト間隔も足下ジャストぐらいで次のクリップと割と近め。

それらを見極めて、「ここは大丈夫。」と判断して突っ込んだことは、一般的には正しいように思います。

ただ、落ちる練習ではトップロープ状態で落ちるのが本日の精一杯だったことは、一考に値します。
練習では落ちられない距離を、本番で落ちても大丈夫な距離と判断したことは、どうなんだろうというモヤモヤ。
<クラックジョイ(5.9)をO.S.して、懸垂回収も練習>

とはいえ、私自身も落ちる練習含めてちょくちょく落ちるのは足下ジャスト程度ですが、足下3mでも「ここは落ちても(どこにも激突しないし)大丈夫なはずだ!」と判断して1%落ちるかもというムーヴを繰り出すことはあります。
(足元ジャストのときと、足元1m以上のときで、受身の姿勢に大差は無いという経験則はあるが、足元3mで落ちたことなど人生で数回あるかどうか。)

「練習でできることしか判断に使うべきではないのか、理論値を判断に使って良いのか?」
そう問われたら、僕も理論値を使っています、と答えます。

ただ、理論と練習経験の差が大きいことは、リスク回避能力が脆いことの証明だとも、自分自身の経験から感じます。

なので、今後は少しずつ落ちる練習も上達していけると良いですね。
怖いもの知らずだったときは、スタートライン以前。今がスタートラインだと考えるぐらいの方が良いかと思います。

クラック講習にも強い興味があるようなので、今後ともよろしくお願いします!

小川・瑞牆シーズン終盤

10月26日(月)は、自分のクライミングで、瑞牆。
狂祖さまと。

10月30日(金)は、自分のクライミングで、太刀岡。
稲田夫妻と。

10月31日(土)は、岩場リード講習にて、小川山。
女性HNさん、復習参加の男性SKさん。

11月1日(日)は、自分のクライミングにて、瑞牆。
稲田先生、池田くんと。
<海豹(5.9)でアップ>

寒くなる直前は、ベストシーズンでもあります。
今回は、自分のクライミングの記録として。

それぞれのクライミングで、思ったことを徒然なるままに。

①リアス式のコーラスライン(ワイド系、5.11b)を、宿題回収。
(通算、2日間)

隣に居たワイドクライマーの方が、僕の登りを、「めちゃくちゃフェースで登ってますね!」と感心しきりでした。

(以下、オンサイト注意)
たしかに、コーナーの6番サイズということもあり、レイバック&ニーロックでレストやカムセット、という戦法を使いまくったんですよね。
そうなってくると、もはやジムボルダーのハリボテ課題と同じような感覚になってきます。

ジムでこれをやると「クラックっぽいですね。」と言われ、ワイドでこれをやると「フェースっぽいですね。」と言われるという不思議さ。
たしかに、真っ向ワイドという意味では、アームバーやアームロックで、しっかり半身入れて戦いますもんね。僕は、この課題では全く無理でしたが。

でも、結局は中途半端なムーヴが一番得意な気がしますねー。
<ジャイアントジャムサンド(5.10a)を再登する>


<クッキーモンスター(5.10b)で言わされるO西さん>

<かなり綺麗なクラックです>

②太刀岡にて、カリスマ(5.13a、ボルト)をR.P.。
(通算、6日間?)

何年も前に、3日間(?)やっていて、途中までライン共通のスーパーラット(5.12c)は登っていました。
この秋に、さらに3日間通って、ようやく登れました。

かなりジムっぽく、登れそうかどうかがハッキリする課題だと感じたので、封印は悪くない選択だったなと再確認。実際、数年ぶりにやっても、結構すぐにムーヴ思い出しました。
後半は、フォールしてもどこにも激突しないスッキリした壁なのも、なんだかジムっぽい。(下部は、結構注意が必要ですが)

1つ前の記事でも書きましたが、とにかく封印解除後の2日目が嫌な感じでした。
1日目は、ムーヴ作り&トップアウト目標で、割と楽しい。
2日目は、登れる気がしない中で、(そういうものだと割り切って)後日に向けてのムーヴ洗練。(カリスマは、非常に分かりやすい課題なので、洗練させられる部分が少ないのも悩み。)
3日目は、登れる可能性が見えてきたので、本気トライ。

2日目みたいなのが、とにかく僕は嫌なんですよね。どうせ、1日に1〜3トライしか本気トライはできないのだから、ある程度ワクワクした登りをさせて欲しいなと。
今回は、過去の記憶も手伝って、この時間が短く済んだので、心の平穏が保てましたが。

<GO ON THE BOLT(5.11d)をトライするチッペ先生>


<気迫のトライで、R.P.>

<終了点作業の練習>

<小川山デビューの、HNさん>

<ドキドキのリード>

<本日も、深く考えさせられていたSKさん>

③カサメリ沢で、ピカデリー・サーカス(5.12b、ボルト)をR.P.。
(2トライ)

記録というよりも、感想。
個人の感想なので、決して分かりやすくは無いです。

(以下、オンサイト注意)
このルートは、下部が5.11aです。その終了点で、完全レストができます。
さらに、そこから5mほど登ったところでも、再度ほぼ完全レストができます。

そこから、核心部は実質ボルト1本分です。
ホールドも、ほぼ完全に見えています。
ムーヴ強度は、3級〜2級で、手順も足順も大体読めました。

しかし、実際には核心に入って2手でフォール。
ハングドッグして、スメアっぽく置いている足を数cmずらしたり、ホールディングしている手を数cmずらしたり、親指の位置を結晶に当てたり、デッドのタメを作る軌道を意識的に少し変えたり。
色々と微調整したら、できました。

で、ラストのボルト1本分は、シークエンスを固めにくい4級って印象ですが、「R.P.なら落ちちゃダメ」と自分に言い聞かせて。

そして、夕方の最終便でR.P.させてもらえました。
実際には、核心以外でも危うかったんですが。
<医者の娘(5.12a)をトライする稲田先生>

さて、この微調整、壁に実際に入らないと身体が答えを教えてくれないのが悩みどころです。
核心前は、ほぼ完全なレストポイントで、核心部のホールドも見渡せ、5分以上は滞在しました。にも関わらず、結局は大体のシークエンスしか読めずに突っ込むという感じ。

余裕があるボルダーなら微調整しながら突破できますが、限界付近のボルダーだと微調整する数秒(〜10秒)も身体が持ちません。

だから、実力的にはオンサイトできなくて当然と思うのですが、まぐれ気味でも微調整がドンピシャでハマって欲しかったと考えてしまいます。
まぁ、それを運頼みというのでしょうか。
<ボルトが腰(膝?)クリップ。怖そー。その後、無事にR.P.>

方法は2つで、
・3級〜2級でも、微調整しながら登れるだけのフィジカルと基礎技術を付ける
(ほとんど、ボルダーグレードを1つ上げるのと同義なのが苦しいところ。これが出来たら苦労は無いが、ちょっとずつ上げるしかないか。)

・微調整をオブザベに組み込んで、「奇跡の一発」の確率を上げる
(シークエンスと違って、現状なかなか当たらないので、オブザベモチベーションの維持が難しいですが。)

ですかね。
<怒涛のレイバック(5.11b)をトライする池田くん>

「レストポイントからの行きつもどりつも交えて、シークエンス読みながら登る。」
という基礎的な方法が、ある程度できた上での話です。
<こちらも、無事にR.P.>

2020年11月5日木曜日

スポートルート、リード不要論

10月18日(日)は、マルチピッチリード講習にて、小川山。
NSさん夫妻。

10月19日(月)は、自分のクライミングにて、湯川。
狂祖さまと。

10月20日(火)は、ムーヴLv.0。
男性YKさん、男性ONさん、新規男性KIさん。

10月21日(水)は、自分のクライミングにて、太刀岡。
ランナウトスタッフのH川くんと。

10月24日(土)は、クラックリード講習にて、湯川。
男性STさん、男性SUさん。

10月25日(日)は、ムーヴLv.0。
女性YOさん、新規女性HSさん、復習参加の女性THさん、復習参加の女性KIさん。
1つ前の記事で、個人的には一番パンチが効いていると思う意見。

・スポートルートは、トップロープで完登したというルールに変更して欲しいぐらいの気持ちだ。

結果的に、私は真逆の方向性を選んではいるものの、「気持ちはめっちゃ分かる!」と感じているので、追加解説します。
例えば、コンペ。

たぐり落ちしそうで迷っている選手を見ると、競技ルールとしての不完全さを感じてしまいます。
ロープの絡みを気にしている選手を見ても、「もっとスポーツとしての勝負に集中させてやんなよ。」と、思ってしまいます。

一方で、頭からひっくり返って落ちていたり、手繰り落ちするシーンを見ると、こちらも肝を冷やします。(「どこにも激突しそうに無い」という判断の上で行動したのかは、観戦していても分からない。)
個人的な知り合いで、下部で手繰り落ちしそうだが、テンションコールする訳にもいかず、自らフォールせざるを得なかった、という例もあります。
(これは、ジムで自分がトライしていても、よくある。)

他の競技がどれだけ安全なのかも微妙ですが、安全に対する判断に重きを置かざるを得ないリード、というのが何ともモヤモヤするという話。
<マルチでの初リード>

次に、スポートルート。

瑞牆のカンマンボロンで、トップレベルのアルパインクライマー達が、トップロープで難しいルートを練習していました。
直接インタビューはしませんでしたが、きっと彼らにとっては、スポートルートのR.P.において、スタイルは大した問題ではないのでしょう。
(アルパインクライミングや、クラックなどでは、スタイルに拘りまくっていたとしても。)
今度は、身近な友人の話。
「トップロープで完登と認めて欲しい。」という極論を、昔から時々発言する本人。

彼は、落ちても大丈夫な場面では、落ちるのも大して怖くありません。
墜落距離の計算もある程度できるので、危険なセクションも意識して行動できるようです。
そのため、いわゆるトップロープリハーサルはほとんど(全く?)せず、多くのクライマーと同じように普通にハングドッグして、フォールしながらムーヴ探りしています。

なので、スポートルートにおけるスタイル談議は、割と小さな問題に感じるようです。

R.P.のための効率的なリハーサルを考えるとスタイルは積極的に妥協するのもアリ、O.S.圏内ぐらいのルートは、結果的にスタイル重視になります。

彼の意見は、
「トラッドとかなら(グランドアップとか、スタイルに拘るのは)分かる。でも、スポートは(ゼロとは言わないけど)どうでも良いんじゃないの?結果的に、R.P.することが全て。登れたら正義だよ。」
という感じ。
<真剣>

さて、今度は真反対に、講習生を見てみます。

・落ちるのが怖い
・リードすると、若干のパニックになりそう
・墜落距離の計算が曖昧
・フォール時の受け身が下手
・恐怖心と現実的リスクの判別に苦労しまくり

ちょうど、カンマンボロンで見たトップクライマーとは、真逆の構図になります。

発言からも、
「スポートルートって皆言うけど、岩場はスポーツじゃないよ。(少なくとも、私にとっては冒険。)」
といった内容が節々に現れます。
<フォロー>

最後に、クライミングジムのオートビレイ。

ランナウトでは、薄かぶり10mの壁ということもあり、オートビレイで登ったら完了というルールで遊ぶこともできます。
実際、ボルダラーが「ちょっとロープをやってみよう。」という時は、ほとんどこのルールで取り組みます。

また、常連さんの何人かはそのルールで満足しているようにも見えます。
あとは、山屋さんの一部が、「フリーは動きの練習なんだから、リードなんて怖いことしなくて良い。」と考えているようにも見えます。

1人だけですが、「ムーヴさえ出来たら、本当はそれで完登ってことにして欲しい。繋げトライとか、めんどくさい。」と言いながら、オートビレイで一応完登している知り合いもいます。(彼は強いので、そのスタイルで5.12の全ルートをオートビレイ完登していく。)

ただ、多数派は、オートビレイはトップロープリハーサルとして使用するだけで、最終的にはリードでR.P.しておきたい、という風に見えます。
<フォローを迎え入れる>

こういった例の数々を、どう整理しましょうか。

スポーツクライミングの将来像はトップロープなのか、それでもやっぱりリードしたいのか。
<デゲンナー>

またまた、結論の無い話です。
ただ、極論を考えると構図が見えてくるっていうのが面白いと思っています。
<バンパイア>

10月19日(月)の湯川。

・デゲンナー(5.8、クラック) 再登。
・うたかたの日々(5.9、クラック)
再登?指の変形との相性が悪く、途中から本気であった。今度から、5.9以下の1セット縛りゲームは止めようと思った。自分にはジャムが出来なすぎて、危ないルートも多い。

・ストロマトライト(5.13c、ボルト)
ボルト間隔も近いし、グージョンだし、ということでトライしてみることに。
皆が敗退していると思しき残置ビナまでも辿り着けず、ちょっと困る。
自分のビナを捨てるか、隣のクラック登って回収するか迷っていたが、どうにか残置ビナをA0することに成功し(笑)、回収の手間を省けた。
グレードは、5.13のいくつかは忘れて取り付いたのですが、後から5.13cと聞いて納得。現状できる気がしないセクションがあったので。

この日は、午後早くに雨が降り、退散。
<太刀岡>

10月21日(水)の太刀岡。

・義理チョコ(クラック、5.9)の延長 再登
・ハッピーバースデイ(5.11a) 再登
・カリスマ(5.13a)
封印解除の2日目。
一応、繋げトライはしているものの、実質的にはパート練習。3便練習して、まぁまぁ洗練されてきた。
登れる気がしない状態でトライ開始するのは、緊張感が無くて罪悪感がある。そして、今日は3便ともそんな感じなので、非常に気楽な一日だった。「こんなことやってるぐらいなら、ジム行くべきじゃないか?」と自問自答。ただ、久々に通いR.P.しようと決めたからには、もう少し待とう。

・バーボンに乾杯(5.10b) 再登。やっぱ、これ局所的にムズイ。
<カリスマ(5.13a)>


<ポカポカの湯川>

<素晴らしい景色>


<初のクラックリード>

<SUさんも、ついに初リード>