2011年7月27日水曜日

無料体験講習(7月)





7月26日(火)は、毎月恒例の無料体験講習会。
昼の部:2名
(新規の女性IGさん、昼の講習から続けて参加の女性Kさん)
2人とも、リードとビレイが練習したいとのことで、目的が一致。
普通に、1時間半ミッチリ講習しました。
IGさんはリード経験者で、確認希望だったこともあり、今回だけでリードはバッチリになりました。

 


 


夜の部:4名

(新規の男性OSさん、トップロープ練習中の女性KNさん、先週末に小川山リード講習を終えた男性STさん&女性Mさん)
ここ2ヶ月は10人近い夜の部でしたが、本日は空いてます。
これはこれで、常連さんへのアドバイスもしっかりできますね。
50分は、初心者2名にトップロープや基本的な登り方の講習。
残りの40分は、常連さん2名に短時間ムーヴ講習。(ダイアゴナルの練習)
といった段取り。
これなら、結構お得だと思います。

5.10aチャレンジ

7月26日(火)の昼は、ランナウトにてジム講習。
今回は、常連女性Kさん。

1ヶ月ぶりのクライミングということもあり、リードと基本的な動き方を復習。
予想以上に動けていたので、5.10aのリードにチャレンジ!
テンション掛け掛けではありますが、2回トップアウトすることが出来ました。

前回リード講習を終えたばかりなのに、素晴らしいです。
来月は、レストについて、もう少し詳しく講習していきましょう。

具体的な講習内容
・ウォームアップがてら、基本的な動きの復習
・リードの復習

2011年7月25日月曜日

小川山でリード講習

7月23日(土)、24日(日)は、小川山にて岩場リード講習。
今回は、T山岳会の3人チーム(男性STさん、女性SZさん、女性Mさん)と、4月にクライミングを初めて目下急成長中の男性Kさんの合計4名。

今回行った小川山は、
「日本クライミングの聖地」、「クラック、スラブ、フェース、ボルダー、なんでもある」、「キャンプ場が居心地最高」などの、クライマーなら1度は訪れたい場所です。


その一方、「ジムで登れる人が苦手とする岩質」、「ボルト間隔が遠目」といった苦手意識を持つ人も多いのも小川山です。

今回は、その特色について軽目に解説。

<岩質など>
ジムと小川山の大きな違いは、岩のフリクションの良さです。
それだけ聞くと、プラス要素にしか聞こえませんが、実は結構奥深い・・・。

中級者には「ホールド無しで歩くように登れる」ようなスラブも、初心者にはハッキリとしたスタンスが皆無!
「ここに足置いて大丈夫?」といった迷いの連発。

最初は、難しく感じるでしょうね。
「特殊だよー」と嘆く気持ちも分かりますが、これぞホントの岩登り。
岩場っぽい新技発見が連続して、かなり刺激的ですよ。
(スメアリング、など)

<ボルト間隔の遠さ>
クラックや手打ちボルトの時代に開拓されたという経緯もあり、ありのままの岩を最小限のボルトで登ろうというスピリット(“ミニマムボルト”という考え方)が色濃い。

また、当時はジムも無く、5.9以上を登るのには人生を掛ける必要があったそうです。
さらに、当時はアルパインクライミングのために岩登りをやっている人が多く、5.9を登る人は5.7では全く落ちそうもなく登るのが当然。
(今のジムクライマーを見ている感覚だと、5.11aを登れてようやく5.7を落ちそうもなく登れるくらいかな?大いに人によりますが。)

そういった経緯から、今以上に丁寧なクライミング(いわゆる“落ちないクライミング”)に対する美意識も高かったのだと思います。

そんなわけで、小川山の5.9に取り付くなら、だいたい5.7くらいがランナウトして登れることが必須条件。
出だしが5.6以下なら、1本目が5mでも8mでも驚くことはありません。

でも、それも含めて挑戦権を問われているみたいで、面白いじゃないですか!?
クラックやマルチピッチを目指すなら、そういう意識や丁寧なクライミングスタイルは必須項目ですし。



もちろん、そんなことは現場で初めて聞かされる初心者メンバー。
それでも、小川山の文化は納得して、存分に楽しんで頂けました。



2日目は、1日目に講習したヌンチャクの向きや丁寧なクライミングを活かし、ひたすらリードトライ!

登れる登れないは二の次。
安全なところでは気合の突っ込み、落ちてはいけないところでは丁寧に登り、危険そうならクライムダウン。
とにかく、まずはこれを覚えることが先決です。
単なる度胸試しでは、いつか必ず大事故を起こします。

そして、腕が疲れた頃には、終了点作業などのロープワーク。
全員で、どんなミスが有り得るかを検討してみたりして、どんどんクライマーとして大人になっていくのを感じます。

今回は、本当に充実した2日間でした。


具体的な講習内容
<初日>
エリア:スラブ状岩壁
ルート:かわいい女(5.8)、ウルトラセブン(5.7)、ルート名不明(5.9?)

・ウィップフラッシュ現象(疑似リードにて)
・クライムダウンできる範囲でランナウトする練習(疑似リードに)
・実践リードトライ
・スメアリングの練習


<2日目>
エリア:ソラマメ下部スラブ
ルート:甘食(5.10bだが、限定を解除すると5.9くらい?)、三色すみれ(5.9)、ルート名不明(5.8?)、ルート名不明(5.10c?)

・実践リードトライ
・終了点作業(結び替え、懸垂下降、立木のみの場合)
・終了点の仕組み、捨て縄での補強方法について(流動分散、固定分散、独立分散、捨て縄の使い方)



盛り沢山過ぎて、全員すごい量のアドレナリン。
帰路も、ムーブやランナウト、終了点作業の話が何度も他愛なく繰り返されました。

Kさんだけは、「3ヶ月の経験では、さすがにまだ早い」ということで、今回はリードせず。
次回目指して頑張って行きましょう!

2011年7月22日金曜日

無料体験講習のリマインド

無料体験講習会のリマインドです。

7月26日(火)
昼の部:15時から
夜の部:20時から
どちらも1時間30分。

参加希望の方は、メールで参加希望の旨を御連絡下さい。

主な対象
・完全にクライミング初めての方(トップロープのビレイなどを教えます)
・クライミング関係の講習選びを考えている方
・当塾講習生で、講習生同士の繋がり、ワンポイントアドバイスを求めて来て下さる方

ではでは、メールお待ちしています。

ジムでのロープワーク講習

7月21日(木)の夜は、ランナウトにてロープワーク講習。

今週末の岩場リード講習に向けて、男性Kさんの準備講習です。

スポーツクライミングであっても、岩場では多少のロープワークが必要となります。

その代表例が、結び替え・懸垂下降といった終了点作業です。

その他にも、"本当は覚えておきたい"(知らないクライマーも結構いる)ロープワーク集として、ウィップフラッシュ現象や、捨て縄による終了点補強の方法など。

これだけの内容、岩場講習の1日や2日間だけで教えきるのは、なかなか難しいものです。
今回のように、ロープワークだけに集中するジム講習も、たまに受けると価値がありますね。

具体的な講習内容
・終了点作業(結び替え、懸垂下降、立ち木で懸垂下降)
・スリングを使ったビレイ点補強の方法(流動分散、固定分散、独立分散)
・スリングの収納方法

週末の岩場が楽しみですね。

2011年7月21日木曜日

台風中止

7月18日(月)、19日(日)は、富士山の山頂御来光ツアー。
今回も、東京の某バスツアーです。

しかし、台風接近のため、夜中に山小屋出発の時点で中止。
2日目は、8合目の山小屋で朝まで待ち、風雨の中を下山のみ。

下山してみると、スバルラインが昼過ぎから通行止めになるなど、ちょっとした台風騒動。
とりあえず、全員無事の下山をお祝いです。

ツアー参加のお客様は、僕たち山屋と違って日程を来週にずらすなんてことも難しい方々。
山に行くこと自体、1年で1,2回の大イベントなんです。
本当に残念ですね。

ただ、今回は東京の方々です!
来年なんて言わずに、また来月のチャレンジはいかがでしょうか?

富士山下山道での怪我

7月18日(月)の朝は、富士山下山道のパトロール仕事。

下山道には山小屋もなく、水場もありません。
下山は小さな怪我も多く、そういう人が居たらサポートしようかという試験的なもの。

8合目の山小屋で御来光を見て、ゆっくりパトロール下山開始。
なんと、30分足らずで、足を骨折している人を発見!

しかも、僕の仲間のガイドが率いるツアーではありませんか?
緊急車両が来るまでのお手伝いを少々。

ちなみに・・・
富士山では、ヘリコプターではなく、クローラーが緊急時に要請されるのが一般的。
なんせ、山頂を含む全ての山小屋への物資運搬は、車両が行っています。
しかも、下山道は元々クローラーとブルドーザーの通り道なのです。

今回も、怪我人を5合目までクローラーで搬送。
5合目から下は、救急車で搬送。

人の多い日の富士山と言えども、怪我はやっぱり大変ですね。

怪我をしないよう、お客様に怪我をさせないよう、気を引き締めて行きましょう。

富士山ブームの生き証人


7月16日(土)、17日(日)は、富士山の山頂御来光ツアー。
今回は、東京からの某バスツアーです。

本日は、富士山が梅雨明けしてから最初の3連休前半戦。
当然、1年で最大の混雑日の1つです。

前年の傾向からすると
・吉田ルートの最盛期の登山者数    : 1万人以上/1日(実数)
・吉田口山頂での御来光を目指す割合 : 8割から9割(体感)
・吉田口山頂に同時に居られる人数   : 満員電車並に詰めたとして4千人(体感)

ちなみに、山頂直下の登山道渋滞は凄まじく、ギリギリで御来光に間に合う登頂は、相当に疲れます。

つまり、山頂御来光は早い者勝ちの戦いなのです。
もちろん、睡眠時間を減らして早く出発し、山頂で寒さに震るえれば、戦いには完全勝利できます。
が、お客様は、体力もツエルトも無し。
それではツラいので、ツアーでは割りとギリギリの出発時間を設定します。

その出発時間で山頂御来光を拝めるか、なるべく渋滞の先頭に勝ち上がれるか、それはまさに団体競技!

ツアー参加者の団結力、ガイド同士のスポーツ監督顔負けの采配合戦、こういった要素が絡み合うお祭り騒ぎです。

出来ることなら、山でここまでやりたく無いんですけどねー。
ただ、やる以上は監督として勝ちに行きますよ。

なんせ、渋滞の先頭に立てば、それだけ楽に登れます。
お客様の登頂率も、それだけ高くなるというのが信条です。

参考までに最高に混雑する時期を挙げると
時期 :海の日3連休~お盆
曜日 :土曜から日曜にかけての日程が1番、金曜発が2番。
時間帯:初日は、5合目を午後出発が混雑。2日目は、山頂御来光を目指す時間帯が混雑。

できれば、渋滞を避けて登山を楽しんで下さい。
ただ、興味本位で富士山ブームの生き証人になりたい方!
最盛期に来てみてくださいませ。凄いですよ。

地方はみんな、講習に飢えている?

7月15日(金)は、ランナウトにてムーブ講習6時間コース。
広島の女性Nさんが、上京ついでに講習を受けて下さいました。

広島では、岩場トップロープ講習は長らく受けてきたそうですが、ほとんど上達は見込めず。
ジムも、最近までは狭いボルダージムのみだったとか。

5.9から5.10aくらいが大きな壁となる入門者にとっては、環境は悪いのは間違いありません。
なんせ、最初は超が付くほど入門ルートを登ることが重要なのに、そういうルートがほとんど無いのです。

岩場の5.8と言えば一手ものも多く、狭いボルダージムと言えば玄人向けの修業場になりがち。
「入門者の練習用で、中級者のウォームアップに心地いい5.8」なんてのは、広いジムだからこそ何本も作れるのです。


具体的な講習内容
・5.7を一手一手レストしながら登る
(安定した態勢を意識する練習)
・ダイアゴナル、バックステップ、正対といった超基本ムーブの練習
・ボルダリングの超入門課題を使って同じ練習をやってみる

そういう環境では、クライミングのムーブを教えるインストラクターも少ないそうです。
「地方はみんな、講習に飢えてますよ」との言葉が印象的でした。

まずは、Nさんが広島に持ち帰って、練習の材料にして欲しいですね。

2011年7月15日金曜日

基本ムーヴの各種

7月14日(木)の夜は、ランナウトにてムーヴ講習。
今回は、女性TZさんと、最強ブログの男性TKさん。

2人は、ムーヴ講習の第2段階です。
最も主要なテーマは、フォームの矯正や脱力だったりします。

さらに、毎回新しいムーヴを練習していただきます。
例えば、前回はアウトサイドフラッギング、今回はインサイドフラッギング。

他に、有名な基本ムーヴとしてはヒールフック、トウフック、デッドポイント、ランジ、かき込み、など。
1つ1つ習得して、練習に活かして欲しいですね。

具体的な講習内容
・脱力&全身リラックス(TKさん)
・即興課題を記憶して登る(TZさん)
・アウトサイドフラッギングのスタンスの使い方(インエッジで置く場合、フロントエッジで置く場合)
・ヒールフック体験(TZさん)
・インサイドフラッギングのやり方(具体的な使用例は、口頭での解説のみ)

基本ムーヴを教える順序は、案外悩ましいですね。
その人が1番覚えやすい順序、一体どれでしょうか?
インサイドフラッギングは、使用頻度は少ない反面、覚えるのは簡単。
それで、早めに教えることにしています。

富士山ゆったりツアー





7月12日(火)から14日(木)は、富士山の"ゆったりツアー"。
今回は、九州からチャレンジのお客様達。
ゆったりツアーの日程を御紹介しますと
初日:
・昼過ぎに、バスで富士吉田スバルライン5合目
・3時間ほど掛けて7合目の山小屋

2日目:
・小屋の前で御来光を見て、出発
・1時間半ほどかけて、8合目の山小屋へ
・不要な荷物を置いて、朝8時前に出発
・昼前に富士吉田口山頂
・2時間かけて、御鉢めぐり
・夕方4時前に山小屋に戻る

3日目:
・山小屋の前で御来光を見て、出発
・3時間でスバルライン5合目に下山
・バスで帰宅(遠方の場合は、飛行機も使う)


富士登山ツアーの中では、まだまだ少ない"ゆったりツアー"。
しかし、山頂御来光と違って、渋滞のピークを外した快適な登山を楽しめます。
また、睡眠時間が取れること、夜間登山でないこと、などからも登頂率もグンと上がります。

私個人が担当したツアーの印象だと
・山頂御来光ツアーで、リタイヤ率は10%前後
・ゆったりツアーで、リタイヤ率は5%前後(御鉢巡りを諦める方は、もう少し多い)

もちろん、山頂御来光ツアーの方が、お客様は健脚層ですが、それでも登頂率は逆転。
ただ、ゆったりツアーのお客様は、遠方から時間とお金を掛けて来ていることも多く、気合いは充分!

今回も、53人ツアーで、51人が吉田口登頂、48人が剣ヶ峰登頂。
九州から来た気合いを感じるツアーでした。
ちなみに、今回は登頂を断念された方も、「また来たい」とおっしゃって下さり、嬉しい限りです。

2011年7月9日土曜日

オープンハンドの感覚

7月8日(金)の夜は、ランナウトにてムーブ講習。
今回は、常連男性のKさん。

初心者の多くは、ついついホールドを強く握りすぎる癖があります。
それを矯正する方法として、私は早い段階でオープンハンドという持ち方を教えています。

オープンハンドを言葉で定義するならば、
「指の遠位第2関節に力を入れず、伸ばせる限り伸ばして保持する方法」
といった小難しい言葉に。

中級者ならば、「引っ掛けるような持ち方」、「深めのポケットのときに使う持ち方」、なんて言えますが。

これを教えるとき、定義はオマケで付け加える程度。
感覚で覚えることが大事です。
講習で覚えたら、吊り革をオープンハンドで引っ掛ける練習がオススメです!

ちなみに、吊り革は面白いもので、ガッチリ握る人から、オープンで引っ掛ける人、ジャミングっぽくしている人まで居ます。
クライミングを知らない人でも、感覚的に楽をしようとするものなんですねえ。

具体的な講習内容
・中期レストの復習
・オープンハンドの練習
・懸垂下降、結び替えのシステム

富士山の御来光ツアー日程

7月6日(水)、7日(木)は、またもや東京からの山頂御来光ツアー。

今回は、御来光ツアーの大まかな日程を御紹介しましょう。
1ツアーあたりの参加者は、20名から40名程度が最も一般的。

初日:
朝の7時過ぎ、新宿集合。(東京以外の場合は、以後の到着時間が遅くなっていく)
10時前、吉田口スバルライン5合目にバスで到着。
昼頃ガイドと合流し、バス会社の添乗員さんにサブリーダー代わりになってもらい、登山スタート。
夕方に、8合目の山小屋に到着。
夕食後、仮眠。

2日目:
夜中0時頃、山小屋を出発。
吉田口山頂に、明け方登頂。
御来光(7,8月だと、4時半から5時過ぎ)を拝む。
朝9~11時ころ、スバルライン5合目に下山。
ガイドとお別れして、温泉・お土産・昼食の時間を取りつつ、バスで東京へ。
(ガイドは、そのまま午後から連続勤務に入ることもある)

これくらい順調に行けば素晴らしいのですが、ハイシーズンは道路渋滞や登山道渋滞で、仮眠時間はゼロに近づきます。

今は、まだ梅雨も抜けきらず、まだまだ登山道は空いております!
お陰様で、ツアー進行は時間通りの順調そのもの。
ただし、今回のツアーも雨・・・。(暴風雨ではありませんが)

しかし、今回のお客様もモチベーションが高く、結局は15名が全員登頂!
御来光は見られませんでしたが、大満足で下山できたようで何よりでした。

暴風雨の富士山!

7月4日(月)、5日(火)は、東京からの御来光ツアー。
今シーズンの富士山、1本目の仕事です。

この富士山ツアー、お客様にとっては日程フィックスなので、多少の雨でも登ることになります。
「一生に一度!」という覚悟で来る方はもちろんですが、挫けることが大嫌いな参加者は台風のような嵐でも諦めきれなかったり。

今回は、8合目の山小屋出発時に、瞬間風速30m以上の暴風雨。
さすがに、夜間登山は危険が大きく、山頂御来光の可能性もほとんど無い、ということに。
というわけで、山頂御来光は諦めて頂き、再度仮眠。
そして、明るい時間に、嵐の山頂アタック!(とはいえ、瞬間風速30mは変わらず・・・)

朝になっても、登山者全体で9割が敗退するような嵐。
が、我々のツアーでは希望者だけは無事に登頂することが出来ました。

ちなみに、嵐のアタック希望者を募る際の説明は、「間違いなく、ものすごくツライ」、「御来光は、まず見えない」、「頑張っても、途中敗退7割くらい」ということを情熱的に伝えます。
「それでも、可能性のある限り登りたい!」という熱い方が半数以上!
驚きの中で、感動すら覚えます!

本当に登れて良かったです。
アタックを断念された方も、また天気の良い日に来て欲しいですね。

富士山は、独立峰で風も強いので、雨具は山用のしっかりしたものでなければ太刀打ちできません。
コンビニなどのビニール雨具、上から被るポンチョ、風通しの良いゴルフ用雨具、なんかは厳禁ですよ!

僕も、富士山が始まる前には、毎年安めの雨具を新調しています。

2011年7月8日金曜日

富士山ガイドの研修登山

7月2日(土)、3日(日)は、富士山ガイドの新人研修。
2年目以上の現役10名くらい、新人10名くらいで、実際に富士吉田ルートを登ります。

もちろん、ただ登るだけではありません。

その中で、実際にツアーを率いた場合に行う要所要所での説明を、新人に訓練していきます。

例えば
・五合目で、装備不慮がある人を見付けて、有料レンタルしてもらう
・万が一はぐれた場合の説明
・山小屋で、ギリギリの体力の人が、行くか辞めるか判断してもらう
などなど。

ただし
・ツアーといっても、お客様の雰囲気やレベルは様々

・ツアーの中にも、登頂を途中で断念する方が1割以上!

・基本的に初心者集団なので、登れる人も決して余裕ではない切羽詰まった状況

などの理由から、要所での説明と言えど、情熱的な説得に近いものが要求されます!

新人のデモに対しても、現役からは
「そんな冗長じゃ、お客さんが聞いてらんないよ!」、「その説明の仕方じゃ、なんでビニール雨具がダメなのか分からない!」、「トークが一本調子で聞いてて疲れるなぁ」
などの厳しいダメ出しが・・・。


新人には、こういった訓練の中で、富士山ガイドの仕事のイメージを掴んで欲しいですね。

具体的な行程
初日:
スバルライン5合目、太子館

2日目:
太子館、吉田口山頂、馬返しまで下山

いよいよ富士山シーズンの開幕です。

2011年7月2日土曜日

手足限定の壁?

7月1日(金)の夜は、ランナウトにてムーヴ講習。
週1ペース続行中の男性Kさん。

本日の御希望は、手足限定ルートの登り方!

クライミングジムのルートは、超入門ルートは足自由ですが、それを過ぎると手足限定のものが多いです。

一般に、ジムルートが手足限定にしている理由は
・「壁に、そのホールドしか無い」と仮想して登るというルールが、単純明快
・ホールドの悪さだけでなく、ムーヴの難しさを含めて追及しやすい

といったところです。

と、ここまで聞くと手足限定の方が難しそうです。

が、実は5.9や5.10aくらいの入門ルートでは、中級者にとって筋力的な難易度は5.8と大差無いことも度々!

この矛盾、どういうことでしょう?
ルートを作る側からすると、筋力以上に、テクニック面での壁があるように思います。

例えば、5.8では手順が右左右左だったのが、5.10aでは少し複雑な"飛ばし"、"クロス"、"持ち替え"が入っていたりもします。
また、足が限定されることによって、正体だけが得意な人や、フリだけが得意な人は、都合の良いスタンスが無くて困ったりします。

他にも、アンダーホールドやサイドホールドも増えてきて、慣れないと難しいのも分かります。

つまり、手順・ムーヴ選択の余地の少なさ・ホールドの向き、などが壁になるわけです。

ということは、5.9を充分に楽に登れる技術が付けば、手足限定も恐れることはありません!
手足限定らしい、ムーヴの難しさを楽しむグレードは、もう少し先の話なのです。

5.9が楽に登れたら、次は5.10aが楽に登れるように練習してみましょう。
5.10bくらいが登れたら、いよいよステップ2「様々なムーヴを覚える」でしょう。

具体的な講習内容
・腰を壁に近付けてレストする
・1番易しい手足限定ルート(5.9)で、楽な足順を探る練習
・スラブの5.9(手足限定)で、反復練習
・スラブの5.10aを本気トライ!

スラブは、5.10aくらいでも結構テクニカル!
ムーヴを楽しませてくれます!