1月29日(日)、30日(日)は、城ヶ崎にてクラック講習。
今回は、11月に三ッ峠マルチピッチ体験講習を受けた女性IGさん、男性OSさん。
二人とも、じっくりマルチピッチに取り組んで行こうという意識です。
クラック講習では、2つの技術を扱います。1つは、手や足をクラックに引っかけるジャミング。
まずは、ハンドジャムやフットジャムのような単純なもの。
最初は、とにかく効いているという感覚を覚えることが第一です。
それから徐々に、「ああ、こんな形状でも効かせられるのか!」というようにジャミングの幅を広げて行きます。
その際、色々なコツはあるのですが、その辺は質問や場面に応じて答えます。
“ジャミング慣れ”に応じて話していかないと、聞いてもサッパリ分かりませんので。
むしろ、リード出来るくらいの伸び悩みの方に講習したい内容があります。
2つめは、カムセットです。
これは、原理は結構単純です。
入門書に書いてある通り、「パラレルな場所にセットせよ!」の一言。
まずは、色々と例を示してみます。
しかし、やってみるとパラレルな場所探しというのは案外難しい。
時間を掛けてセットしてもらい、僕がチェックをしに行きます。
すると、「ちょっとダメ」、「全然ダメ」のオンパレード。
そこで、僕が隣に「もっとマシな」カムをセットしてきて、それを見てもらいます。
見比べてみると、本人も納得!
原理が分かっても、最初から出来る人はほとんどいないのです。
そして、カムさえ抜けなければ、クラックは割と安全なクライミングです。
ここだけは、じっくり押さえて行きましょう。
また、上の写真のような体がスッポリ入るクラックも体験してもらいます。
チムニーと呼ばれる形状ですね。
このムーブもまた、本を読んだだけでは分からないので、
「そう、それがニーロックです!もう少し高めにすると安定して効くはず!」
みたいな感じで、実践で覚えていただきます。
で、ジャミングは慣れの要素が強いので、講習後の自主練習が最も大切です。
ただ、カムセットは、自分でやってもなかなか上手くなりませんので、分かるまで講習を受けるのが良いように思います。
そして、当塾では他のスクールに比べて、かなり早い段階でリードを教えています。
それは、
「トップロープ慣れしてスポーツ的に取り組むよりも 、リードの判断力を早いうちから培った方が将来的に強くなれる」
という僕の考えによります。
“強くなれる”というのは、高難度クラックが登れるとかではなく、オンサイトトライでも頑張れるようになる、ということです。
これが、ひいてはマルチピッチや登山での判断力にも繋がるので、クラックをオススメしているのです。
さて、今回は2日目の終わりにIGさんが初リードトライ!
5.7のルートで、カムセット練習で2回登った後なので、安心感と緊張感が入り交じります。
リーチの無い彼女は、スタートからワンムーブあります。
落ち着いてカムセット。
難しいムーブの前は、絶対にグランドフォールしない間隔でカムを決めるのが基本。
写真を撮っていたら、案外余裕でポーズを決める。
最後の乗っ越しをこなし。
無事に完登!
(どこかで見たようなブログ展開ですが)
そして、OSさんも暗くなるまでカムセット練習。
グレードだけじゃなく、判断力のあるクライマーを目指して行きましょう!
具体的な講習内容
場所:フナムシロック
初日(昼までは雪のため、宿でロープワーク。午後は、パープルシャドウ。)
・木での懸垂下降(復習)
・結び替え(復習)
・ヌンチャクなどのセルフ用ギアを使い切ってしまった場合の結び替え、懸垂下降
・懸垂下降の仮固定
・ハンドジャム、フットジャム、フィストジャム
・ハンドジャムが広い場合の横ハンドジャム(一般的な名称ではない)
・カムセットやってはいけない集
・カムのラッキング方法
・カムセット練習1回ずつ
夜の宿にて
質問タイム、カムの番号暗記が夜12時まで続いた。
全くすごいモチベーション。
2日目(ネッシー、鬼ころし、純)
・チムニーでのレスト
・ニーロック、ヒール&トウ
・ギアラックの向き換え、チョークバックの場所換え
・カムセット練習(2~3本)
・実践リード練習(IGさんのみ)
まだ独り立ちには早いかな?
できれば、また講習の続きを受けて頂きたいですね。