3月21日(水)の昼間は、ランナウトにてジム講習。
常連女性KKさん、KDさんのペアです。
リードのビレイでは、「しゃがんでビレイして、クリップのタイミングで立ち上がる」
という方法が推奨されております。
これは、そうすることでロープの長さを稼げるからです。
もう一つ、同じ目的の方法で
「壁から離れてビレイして、クリップのときに壁に近づく」
というのもあります。
僕自身、これは両方の方法を使い分けております。
前者のメリットは、壁から離れないこと。
具体的には
・「ビレイヤーと1本目のヌンチャクとの間に、張り綱が出来て、クライマーが落ちたときに危険」 という事態が避けられる
・ロープのたるみが少なくなって、クライマーの墜落距離が減る
・ビレイヤーが吹っ飛ばされにくくなる(クライマーが重いとき、要注意)
というあたりです。
後者のメリットは、クライマーの姿が見やすいこと。
具体的には
・クリップのタイミングや、ロープの弛ませ具合を調整してあげるのが楽
・クライマーを応援したり、観戦したりすることが出来て、楽しい
つまり、しゃがむのが安全性重視、壁から離れるのは便利さ重視。
実際の使い分けとしては、
出だしはしゃがんでビレイして、安全に関する3つのメリットが無いと感じたら、壁から離れてビレイです。
ただし、これは「今、クライマーが突然落ちたらどのあたりまで落ちるか?」を正確に予測できないと難しい・・・。
そこで、僕は
「とりあえずリード初心者は、ジムの5本目までは壁から離れずビレイする」
というように教えています。
「3本目まで」と教える人もいるようですが、これはダメだと思います。
3本目をクリップしてからでも、1本目くらいまで落ちることは日常茶飯事です。
そうなったら、壁から離れてビレイしていたら危ない!
4本目ですら、ルートによっては1本目付近までフォールすることが多いのです。
僕自身は、4本目で一端壁から離れてビレイしても、
「あっ、5本目にクリップせずに進むな(ムーヴしてからクリップする、トラバース気味、などの理由)」
というときは、再度壁に近づいてビレイすることにしています。
もっと詳しく言えば、たとえ6本目の後でも、ロングフォールが予想されるようなルートでは、終了点間際でも壁から離れずにビレイすることもあります。
(最終クリップを飛ばさざるを得ない、後半が斜上することによってランナウト気味になる、などの理由)
僕がジムで登っている人を見る限り、
「3本目は、迷信と言っても良い。せめて4本、経験不足で判断が付かないなら5本でしょう。」
と思っております。
講習生に限らず、参考になれば幸いです。
具体的な講習内容
・反動ムーヴを連続させて登る(KKさん)
・肩の脱力(KDさん)
・指の脱力(KDさん)
・リードとビレイの実践練習(クリップのタイミング、ビレイヤーの立ち位置、など)
KKさん、膝が悪いのでしゃがんでビレイするのが困難です。
足場の悪い岩場のつもりで、立ったままロープ操作だけで繰り出すのみ。
かなり難しいですが、細いロープを使用して、習熟すれば可能だと思います。
頑張っていきましょう。