4月16日(月)、17日(火)は、自分の登山にて中央アルプス宝剣岳。
K口さんと。
宝剣岳は、ロープウェイに乗って簡単アプローチです。そして、山自体も小さく、ロープウェイを使えば半日で歩いて登頂できるゲレンデ的な山です。
が、しかし。
岩の険しさは、八ヶ岳を上回り、アルパインクライミングの練習場としてはかなり充実したエリア。
冬の八ヶ岳の岩稜を初級者用のゲレンデとするならば、宝剣は中級者、錫杖は上級者向けのゲレンデと言えるかな?
(本番は、南北アルプスとか大きな山での登山というイメージ。)
さて、以前も書きましたが、宝剣は八ヶ岳よりも快適!
岩は硬く、残置も少ない。
さらに、クラック、ピナクルは無数。
灌木、アイスも少々。
つまり、プロテクションが良好なので、思い切ったクライミングにチャレンジ出来ます。
今回は、2年前に敗退した極楽尾根。
その時は、帰りのロープウェイの時間(夕方5時)に間に合わず、夜中の1時まで歩いて下山した苦い思い出があります。
今回は、前日夕方のロープウェイで入山し、テント泊。
早朝からアタックして、余裕を持ってクライミングを楽しみました。
一見すると、どこからでも登れそうな岩交じりの雪稜。しかし、登ってみると、Ⅳ級程度のちょっと手強いクライミングを強いられます。
でも、プロテクションがバシバシ効いて、楽しいんですよ。
そして、雪山らしいナイフリッジも。
先月のシンセン岩峰に比べたら、安定した雪で快調。
今日は、快調快調。「楽勝でロープウェイに間に合うなあ!」
と、ルンルンです。
が、この日は昼から雨予報。
幸い、宝剣では雪でしたが、なんと雷が!
この日は、湿度が高いのに、午前中が晴天で気温が上がってしまったためでしょう・・・
冬の雷は、僕は初体験。
しゃがんで居ても恐ろしいのですが、歩かなければ帰れません。
しかも、ロープウェイに帰るには、一度主稜線に乗らねばならず、雷鳴のとどろく中を上へ上へ・・・。
挙句、体からも、そこら中の岩からも、「ジリジリジリ」という強烈な静電気の音が!
体に関しては、しゃがむと音がせず、立ち上がると音がする。
恐ろしいので、立って歩けるような主稜線でも、四つん這いで進んだり。
「落雷で心停止したら、心臓マッサージが有効」
(他の外傷よりも、蘇生する可能性が高い)
とか言いますけど、主稜線は下地が雪なんで、心臓マッサージは上手くいかなさそう。
まして、「ジリジリジリ」と音を立てている
岩の上に寝かせるなんて恐ろしすぎる!
改めて、冬の雷に対する恐ろしさを確認。
全力で行動した結果、なんと2時前にはロープウェイに到着しました。
行動記録
<1日目>
16:30 千畳敷ロープウェイを出発
17:15 極楽平(幕営開始)
<2日目>
5:00 出発
6:20 適当なルンゼから登攀開始
1P目(K口リード、120mコンテ、Ⅲ+):アイス、ブッシュ交じりの雪壁。ろくなビレイ点が作れないらしく、苦肉のコンテ。2時間くらい掛かった。
しばらく歩き
2P目(石田リード、15m、Ⅳ+):凹角から、もの凄く狭いバンドをトラバース。遠いムーヴと狭いムーヴが交互に出てくる。早速、素手になる。
3P目(石田リード、45m、Ⅳ級):ワイド、マントル、リッジ、クライムダウン、と多彩。
4P目(K口リード、55m、Ⅲ級):微妙に怖い雪壁。
5P目(石田リード、45m、Ⅳ級):岩のナイフリッジ、雪のナイフリッジ、と多彩。
12時30分ごろ、雷鳴を聞く。
最初は、雪崩かと思っていた。
あとは、ロープ不要の雪壁だったので、とにかく急いで下山。
13:20 極楽平の幕営地
14:00 千畳敷ロープウェイ
実は、入山時は、とても疲れていました。
最初はどうなることかと思いましたが、成功して良かったです。
パートナーに感謝です。
ちなみに、登山体系のトポは良く分からないので、登ったのが極楽尾根なのか、その隣なのかは、自信はありません。
ただ、隣の尾根も面白そうだったので、来年あたり登ろうと思います。