5月26日(土)は、越沢バットレスにてマルチピッチ体験講習。
昨年にリード講習、冬には雪上訓練と受けてきた女性AIさん、そして新規の男性ONさん。
マルチピッチ体験講習は、その名もマルチピッチを初めてやる人が参加することが多いです。それだけに、大きな壁を登る感動は、私にも計り知れません。
涙を流すような人も居れば、クライミング観が変わってしまう人、帰りの電車まで興奮冷めやらぬ人も居ります。
本日は、女性ARさんはジム以外でのクライミングが初めて!
岩場って、どんなところ?
「フリークライミング、マルチピッチ、ボルトルート、残置無視???」
という世界からのスタートです。
たしかに、クライミング用語って、実践しないと分かりにくいですよね。
男性ONさんは、他ガイドのところで、ちょっとしたロープ登山の経験もあります。
が、本格的なマルチピッチは初です。
まずは、ロープのシステムを説明&練習。
(1ピッチ目だけを登り、懸垂下降で降りてくる練習を3回繰り返す)
半日かけて、本で読んでも分からなかったであろう点を講習していきます。
まだまだ余裕の笑顔。
後半、いよいよ1本のマルチピッチにチャレンジ!
(全く、初めての方をお連れする場合、3~4時間)
今回のルートは、1ピッチ目は練習に使用していラインそのもの。
ここまでは簡単。
2ピッチ目から、急に難しくなります。
しかも、当然ながら難しいセクションには
「リードが残したプロテクション」
があって、それを回収しながら登らねばなりません。
ARさん、回収で早速ヘロヘロになり、心は折れ気味。
ロープに掴まって登りたい気持ちを、堪えながら登って来てくれました。
下の写真は、2ピッチ目の終了時点。
なけなしの笑顔。
「もう疲れました。」
「降りたいです。」
というのが、本音だったとか(笑)。
そして、いよいよハイライトの3ピッチ目!
ARさん、足を何度も滑らせながらも、なんとかフリーで完登!
続く、ONさんはちょっと余裕あり。
僕からは、
「ARさんは、フリーで来ましたよー!」
と軽くプレッシャーをかけ、意地でフリー完登していただきました。
終了点について、いよいよ大興奮!
「フリーで登れた」
という用語の意味自体、どこまで分かっているかは微妙です(笑)。
でも、
途中であきらめてロープに掴まったりしていたら、感動半分、悔しさ半分だったでしょうね。
「頑張って、ロープに頼ったりしないで登れた。そこが、よかった。」
ということだけは、直観的に理解できたようです。
そして、下り。
完登で気が抜けきっているお客様に、
「こういう時に、事故が起こりますからね。少し休んでから降りましょう。」
という話をして、緊張の懸垂下降。
降りてからは、40分くらいロープの畳み方などの基本事項を練習して終了です。
今まで、ガイド登山でしかロープを使ってこなかったONさん。
初講習で色々なことが聞けて、嬉しそうで良かったです。
具体的な講習内容
・スリングの収納方法
・アルパインクイックドローの作り方
・ギアラックの整理方法
・ATCを落とさない操作方法について
・コール、コールなしの流れ
・懸垂下降の練習
・カム回収のコツ
・インクノットの作り方
☆実践、マルチピッチ1本
・ロープの畳み方