2013年2月12日火曜日

ズームアウト型の苦労

2月9日(土)、10日(日)は、城ヶ崎にてクラックリード講習。
立川山岳会の男性HDさん、ランナウトの常連さんで講習初参加の女性UYさん、クラック講習卒業を狙うYZさん夫妻、の4名。

<アップで、5.7>
リード中は、2つのことを同時に考えます。

・プロテクションの効き具合、今後の見通し、手持ちのカム残量、などの安全面。
・ムーヴ、などの突破方法。
前者がズームアウト(戦略的な大局観)、後者をズームイン(目の前のことへの集中)。

最初はどっちか一方が得意です。

例えば、ジムでも

・ムーヴに集中しすぎて、クリップを忘れる人
(ズームインが得意)

・次の厳しい一手をこなせたとしても、クリップ出来なかったら落ちる距離が伸びて嫌だ、と思って進めない人
(ズームアウトが得意)

<痩せることを検討中のHDさん>
YZさんの奥様、典型的なズームアウト型です。

なので、余裕があるくらいのリード(5.7くらい)なら、戦略的にも優れたクライミングが出来ます。

その一方で、5.8以上になると本当に落ちそうなムーヴが要求されるため、かなり進むことが難しくなって来ます。

<5.7では、安全なクライミングをするYZ奥様>
でも、これって急には改善する癖ではありません。

あまりに急激なズームインへの変化は、クリップ忘れや手繰り落ち、カムセットミスなどの危険をはらんでいます。

で、そういうことを感じるからこそ、ズームアウト型の人はズームインするのが怖いのです。

<モチベーションの塊、YZ旦那様>
YZさん旦那様は、奥様が本来できるレベルのムーヴがこなせずに逡巡するのが、納得いかない様子(笑)。
会話は、ほとんどスパルタ!
講習中に同時開催される、YZ登攀塾!

でも、クラックのカムセット・戦略を学んでいる最中に、ズームアウト型を中間型に矯正する、って
のは至難の業だと思いますよ。

まずは、クラックの安全確保そのものを、マスターして欲しいものです。

リード中に一瞬のムーヴに集中する練習は、まずはジムやボルトルートで!

<5.8のリードにチャレンジするYZ奥様>

<無名の5.4くらいのルートで、リード練習をする5.12クライマーのUYさん>
ちなみに、全体としては

YZ旦那様:
1日目に卒業課題はクリアして、2日目にテンション掛けまくりでトップアウトするくらいの課題もクリア。
メンタルが強い!

奥様:
1日目に仮免許課題はクリア。卒業課題の、ちょっとプロテクションが難しい5.8になると、まだまだ不安定。
旦那がリード出来るし、易しいルートならリード出来るので、クラック岩場に行くのも良いでしょう。
その一方で、もう少し講習中に実践リード練習した方が、卒業後の成長が早そうですね。

HDさん、UYさん:
順調に、2日目までの疑似リード練習をクリア。
このまま順調に行けば、3日目にプロテクションの取りやすいルートをリード。
4日目に、卒業課題、かな。
具体的な講習内容
・ハンドジャム、フィストジャム、フットジャムの基本(HDさん、UYさん)
・カムの効かせ方(HDさん、UYさん)
・ナッツの効かせ方
・フィンガージャムの基本
・ギアラックの整理方法(HDさん、UYさん)
・疑似リード、実践リードを進行に応じて

<旦那様も、さすがに心が折れて敗退しそうになった、フラッシュダンス(5.9)>