2013年6月24日月曜日

回数をこなして、段取りを良くする

6月22日(土)、23日(日)は、小川山にてマルチピッチリード講習。
常連男性NMさん、HYさんのペアが自主的に補習にて。

ルートは、初心者にとって憧れのゲレンデマルチの1つ、「セレクション」です。

<前日の雨で、取り付きは湿っている>

クライミングルートでは、どうしても突破力に目がいきます。
実際、そのピッチをリード出来なければ先へとは進めないので、もっともな話。

ただ、講習生が登っているのに同行して、とにかく目に付くのはロープワークの失敗、そしてロープワークの遅さ。

とにかく、最初はそれをスピードアップさせて欲しい、と思うのです。

<侮れない、1P目(5.8のハンドクラック)>
ただ、実際に教えてみて、分かったこと。

クローブヒッチの結び方、ロープの裁き方、カラビナの操作方法、なんかは教えれば数日でも素早くなります。

でも、本当に時間が掛かっているのは、それだけじゃぁない。

<ランナウトするスラブ(5.8)>
例えば、フォローがビレイ点に到着したとき・・・

慣れた人なら、次にリードする人が出発しやすい側に立ちます。
が、初級者だと、来た順に適当に並んでセルフビレイを取ります。

こうすると、リードが出発する際に、パートナーのセルフをまたいだりすることも無く、スムーズです。
また、そうすることで、ロープも絡みにくくなります。

<初日は雨にて、途中敗退>
こういうことは、先の流れが見えていて、「段取り良くやろう」って意識があるから出来ることです。

あと、「こうなっちゃうと、時間ロスするな」っていうイメージも大切です。

例えば、実際にロープを絡ませたときに、「ナゼ絡んだのか」を説明してくれる経験者がいたりすると、反省しやすいです。

<2日目の、1P目>
2人も、講習&自主練習で、かれこれ10日近くはマルチをやっております。
最近は、段取りもだいぶ見えては来ました。

でも、まだまだ遅い。

1日目は、半日掛けて3ピッチを終え、雨が降って敗退。
2日目は、朝イチから取り付き、4時間掛けてトップアウト。

もちろん、各ピッチをオンサイト&オールフリーでの完登!
成果としては、素晴らしいことです。

<4P目は、ボルト&NP(5.7)>
今のクライミング能力だと、全ピッチO.S.するのが精一杯なので、2時間で登れというのは無理があるでしょう。

でも、慣れれば1時間は短縮して、3時間は切れそうです。

<セレクションを終えて、2峰の頂上を目指す>
回数をこなせば、ロープワークは素早くなる。

あったりまえの話です。

が、講習生としても

「具体的に、何を改善していくのか?」
「将来的に、どのくらい時間短縮できるものなのか?」

をイメージできないと、三ツ峠や越沢に通い込むのも面白みに欠けますよね。
今でも、
「三ツ峠や越沢で、1日に3回トップアウト出来るくらいじゃないと、本チャンに行っちゃダメだ!」

なんてことを、後輩に言っている先輩を見かけます。

その通りだと思います。
まずは、そのぐらい段取りに慣れて欲しいものです。

<本日は、このピークを終了点としました>

<女性らしい完登シーン・・・>

<背中で語るHYさん>

<下降の歩きセクション>

<懸垂下降>
アドバイスした内容

・下降ライン、敗退ラインを考えながら、登ること
(特に、ビレイ中は暇なので)

・ビレイ点での並び順
・トポの細かい情報に惑わされず、自分でラインを読んでから、トポと照合した方が、分かり易い

・ロープを出しにくいが、ちょっと危ない岩稜歩きについての判断根拠を諸々

その他、細かいロープアドバイスを多数。