6月22日(土)、23日(日)は、小川山にてマルチピッチリード講習。
常連男性NMさん、HYさんのペアが自主的に補習にて。
ルートは、初心者にとって憧れのゲレンデマルチの1つ、「セレクション」です。
<前日の雨で、取り付きは湿っている>
クライミングルートでは、どうしても突破力に目がいきます。
実際、そのピッチをリード出来なければ先へとは進めないので、もっともな話。
ただ、講習生が登っているのに同行して、とにかく目に付くのはロープワークの失敗、そしてロープワークの遅さ。
とにかく、最初はそれをスピードアップさせて欲しい、と思うのです。
<侮れない、1P目(5.8のハンドクラック)>
ただ、実際に教えてみて、分かったこと。
クローブヒッチの結び方、ロープの裁き方、カラビナの操作方法、なんかは教えれば数日でも素早くなります。
でも、本当に時間が掛かっているのは、それだけじゃぁない。
<ランナウトするスラブ(5.8)>
例えば、フォローがビレイ点に到着したとき・・・
慣れた人なら、次にリードする人が出発しやすい側に立ちます。
が、初級者だと、来た順に適当に並んでセルフビレイを取ります。
こうすると、リードが出発する際に、パートナーのセルフをまたいだりすることも無く、スムーズです。
また、そうすることで、ロープも絡みにくくなります。
<初日は雨にて、途中敗退>
こういうことは、先の流れが見えていて、「段取り良くやろう」って意識があるから出来ることです。
あと、「こうなっちゃうと、時間ロスするな」っていうイメージも大切です。
例えば、実際にロープを絡ませたときに、「ナゼ絡んだのか」を説明してくれる経験者がいたりすると、反省しやすいです。
<2日目の、1P目>
2人も、講習&自主練習で、かれこれ10日近くはマルチをやっております。
最近は、段取りもだいぶ見えては来ました。
でも、まだまだ遅い。
1日目は、半日掛けて3ピッチを終え、雨が降って敗退。
2日目は、朝イチから取り付き、4時間掛けてトップアウト。
もちろん、各ピッチをオンサイト&オールフリーでの完登!
成果としては、素晴らしいことです。
<4P目は、ボルト&NP(5.7)>
今のクライミング能力だと、全ピッチO.S.するのが精一杯なので、2時間で登れというのは無理があるでしょう。
でも、慣れれば1時間は短縮して、3時間は切れそうです。
<セレクションを終えて、2峰の頂上を目指す>
回数をこなせば、ロープワークは素早くなる。あったりまえの話です。
が、講習生としても
「具体的に、何を改善していくのか?」
「将来的に、どのくらい時間短縮できるものなのか?」
をイメージできないと、三ツ峠や越沢に通い込むのも面白みに欠けますよね。
今でも、
「三ツ峠や越沢で、1日に3回トップアウト出来るくらいじゃないと、本チャンに行っちゃダメだ!」
なんてことを、後輩に言っている先輩を見かけます。
その通りだと思います。
まずは、そのぐらい段取りに慣れて欲しいものです。
<本日は、このピークを終了点としました>
<女性らしい完登シーン・・・>
<背中で語るHYさん>
<下降の歩きセクション>
<懸垂下降>
アドバイスした内容
・下降ライン、敗退ラインを考えながら、登ること
(特に、ビレイ中は暇なので)
・ビレイ点での並び順
・トポの細かい情報に惑わされず、自分でラインを読んでから、トポと照合した方が、分かり易い
・ロープを出しにくいが、ちょっと危ない岩稜歩きについての判断根拠を諸々
その他、細かいロープアドバイスを多数。