2014年5月27日火曜日

マルチピッチリード講習は、自由

5月24日(土)、25日(日)は、小川山にてマルチピッチリード講習。
女性WNさん、女性MJさんの2人。
<ビレイポイント作りをスポットするMJさん>

マルチピッチリード講習では、私から講義形式で教えることは、ほとんどありません。

せいぜい、講習1日目~3日目くらいの段階で、

・セカンドの確保方法を理解しているか、チェックする
・カムなど、複数支点でのビレイポイントの作り方
・ピナクルなど、メインロープでのビレイポイントの作り方
・ハーケンの打ち方(これは、越沢、三ツ峠でのみ)

といったことを、登り始める前に練習するくらい。
<オブザベ中>

講習の流れ

①私が壁を指定して、それを残置無視で登れるラインを講習生がオブザベ。
②実際に登る
③登りながら、改善点を指摘していく

※行動する前に、こちらでアドバイスすることも、稀にある。

ただただ、これを繰り返します。
そこで、
・ロープワークの手際アップ
・敗退シナリオの立て方
・危険な方法へのダメ出し

といったことを、アドバイスして行きます。
<まだまだ、いろいろ不慣れ>

講習生は、まさに好き勝手に登れるのです(笑)。

以前、マルチピッチリード講習を受けた方が、
「登るとは何ですか?」
「安全とは何ですか?」

と、問われるような講習だと言っていましたね(笑)。
<でも、楽しそう>

残置やトポと無関係に、自由に登れる。
ということは、それだけ判断することも多い。

例えば、終了点も自由です。

私は
「仮に、ロープを付けずに登ったとして、ここに着いたら完登!と自分が思う場所。」

を終了点にしてもらいます。
例えば、分かりやすいのは

・頂上

・カッコいい岩塔

・壁の傾斜が緩んで、肩になったところ
(クライミング的に、面白い部分だけをやる発想)

そういうことさえも、自分達で決めて良いのが、マルチピッチの醍醐味だと思います。
<2人が決めた、終了点!>

ところで、当塾の場合は大半が、マルチピッチやアルパインをやりたい方々です。

ですが、マルチピッチリード講習は2人1組で5日間~10日間も掛かる訳です。
<2日目は、大貧民ルート>

ときどき思うのが、

「私が教えられる人数って、やっぱり限りがあるんだなぁ。」

1年に数人ずつがマルチ卒業するとして、10年で大きな事故なくやれたとしても、30人くらい?
<WNさん、渾身のリード>

講習生の半数以上が、マルチピッチリード講習を目指しているとはいえ・・・

マルチピッチリード講習を受けている方々との縁は、結構貴重なのかもしれない。

と、そんなことを思うのでした。
<ビレイ点作業自体は、ちょっと慣れているWNさん>

2人とも、敗退こそしましたが、マルチピッチの面白さに一層惹かれる2日間になったようです。
<次のピッチの偵察>

<ルートを変えることにして、とりあえず懸垂敗退>

<クラックを覗き込む>

<「今のピッチ、厳しくってさー。」という会話は、時間を忘れがちになる(笑)>

<時間切れ敗退>

<空中懸垂>

<大貧民ルートを振り返ると、赤い神様>