2015年1月5日月曜日

クライミング道

明けましておめでとうございます。

今年も、思ったことやお知らせを書きつづる予定ですので、興味のある方は引き続きよろしくお願いします(笑)。

12月27日(土)~1月4日(日)は、四国の高知県にある大堂海岸にてクライミング。
大阪にいる友人Hさんと。
<小雨にて、0日目は偵察>

1泊、2泊以上に、ツアーは本当に色々なことを考えます。
スタイル、安全管理、上達方法、パートナーシップ、などなど。

今回も、その一部を。
<モンキーエリア>

クライミングをやるほどに、何か1つの真理に近づいているという感覚があります。

ちょっと宗教っぽい言い方ですが、“悟り”に近いのかもしれません。
<楽しいハンドクラック>

例えば、クライミング界には、多くの強いクライマーがおります。
んで、その中には競争心や名誉欲を、大きなモチベーションにしている人もいるでしょう。

ただ、グレード自体はトップレベルじゃなくても、達人と言われるような諸先輩は、

「登ること自体の喜び」
を重んじているように思います。
<スーパークラック(5.9)をオンサイトするHさん>

「同じクライマーでも、色々な考え方やモチベーションがあって、人によるんだね。」
という見方も出来ます。

ただ、個人的には絶対違うと思っています。
真面目に取り組み続ける限り、何か1つの真理に向かっていく、という感覚です。

あくまで、証明は出来ないので、例を出すとこんな感じ。
<ぐいのみ(5.8)をフラッシュするHさん>

①若いころは競争心が強かったクライマーも、そのうちスタイル重視のクライマーになることが多々ある

そして、逆行する例は、ほとんど見たことがない。
<3日目は、トポ無視でマルチっぽく遊ぶ>

②私の友人、紙面で見る達人、などなどの発言を見ていても、考えていることは似ているように感じる

突き詰めると、「クライミングとは?」という答えは似て来るのかな???
<海は苦手でも、花崗岩は大好きな私>

③私自身、登ること自体、あるいは完登を目指すこと自体の喜びに対して、毎年理解が深まっているのを感じる。

特に、クラックやマルチの場合、どのルートを登ったかなどということよりも、どういう過程を経て登ったかの方が、遥かに重要。

っていう思い入れは、年々強まっております。
<マルチピッチリード講習に、丁度良さそうな傾斜でした>

④クライミング以外の分野とも共通している、と感じる。

身近な友人だと、山スキーなどのガイド。
彼らにクライミングの話をすると、スタイル、安全管理、上達方法の全てにおいて、すぐに話が通じます。

逆に、私も以前より彼らの話が理解しやすくなっているんだろうな、と思います。
<その辺のチムニーをフリーソロするHさん>

⑤知らないだけ、という初心者の多さ。

例1:

「私は、スタイルなんて気にしないから。」
「マルチは、もう何でもアリでしょう。」
とか言っている人。

まず、本当に全てを気にしていないかは、疑わしいと思います。

山岳会で、先輩に連れられて、残置にA0の連発で登っていたとしても。
その人が、

「やっぱ、山小屋は反則っぽいよね。」
とか、
「ガイドに連れられるのだけは嫌。」

なんて言っているのを、何度となく聞いてきました。

やっぱ、ちょっとは拘っているじゃないですか!?
<トポに載っていないクラックをR.P.したHさん>

例2:

「リードなんて危ないの、やる人の気がしれない。」
なんて言っている人。

こういう人が、数年後にリードしているパターンは多いです(笑)。

たぶん、その人には、何かが足りなかったのだと思います。

安定したムーヴ?
危険な場所で落ちそうなら、諦めて良いという割り切り?
ランナウトしていなければ、落ちても大丈夫という確信?
信頼できるビレイヤー?
落ちる態勢の上手さ?

こういったことを、1つ1つ丁寧に潰していくと、
「リードって、やっぱり面白いですね。」

と意識改革される人の、実に多いこと。
<大ルーフ(5.11c)のビレイをしてもらうため、懸垂下降してきてもらう>

突き詰めると
「考え方は、人による。」

というのは、本当はチョットだけなんじゃないでしょうか?

クライミングを、より深く楽しむ方法は、万人共通の真理があるのだろうと。
<最終日の最果てエリアで、懸垂下降中>

一応、誤解のないように言っておきますと。

究極のスタイルを、オンサイトフリーソロとします。
最低のスタイルを、情報に頼りまくりでの、トップロープ、ボルト打ち足しでの再登だとします。

究極のスタイルをやるべき、という意味ではありません。
<1P目だけで、35m>

やるべきことは、現実的な妥協点で完登を重ねながらも、さらに自問自答していくことなんだろうと思います。

「もっと、良いスタイルで完登を目指した方が、楽しかったんじゃないか?」
「その方が、自分自身のスキルも伸びるんじゃないか?」

という感じで。

だから、一生終わりはないのですが。
<2P目>

クライミングは、単なるスポーツではありません。

スタイル、安全管理も相互に影響し合っている分、“道”って感じだなぁと思っています。
武士道、武道、書道、みたいに。
<2P目を抜けて、再び樹林帯へと戻る>

具体的に登ったルート
なるべく、トポを見ないでラインを見て取り付く作戦。
ただ、トポを見ないと、私の実力では発見できないラインもあるので、トポを見て取り付いたものも多い。

1日目:モンキーエリア
・ルート名なし(ワイド、体感5.9) オンサイト
・ルート名なし(ワイド、体感5.10a) オンサイト
・(ルート名忘れた)(ハンド、5.8) オンサイト
・あみだくじ(ハンド、5.9) オンサイト
・(ルート名忘れた)(フェース系フィンガー、体感5.9) オンサイト
・岡山ルート(フィンガー、5.10c) オンサイト
・スーパークラック(ハンド、5.9) オンサイト
・モンキーハング(フィスト、5.10a) オンサイト

2日目:モンキーエリア
・ぐいのみ(フィンガー、5.8) オンサイト
・シャトル(フィンガー、5.9) オンサイト
・ルート名忘れた(シャトルの右側、フェース系、5.10b?) オンサイト
・セイシクラック(フェース系?、5.10b) オンサイト
・ビッグウェーブ(アンダーフレーク系?、5.10c) オンサイト
・猿の道(フィンガー、5.10c/d) オンサイト
・モンキーハング(フィスト、5.10a) 再登

3日目:お座敷エリア
・トポを見ずに、マルチとしてトップアウト(体感5.8、2P)
・そこで気になったラインを、もう1回マルチで遊びに。

結果的に、私は5.10のトップロープ課題をトライしていた模様。
確かに、ムーヴは出来るけど、プロテクションが難しくてテンション掛け掛けになってしまった。

4日目:レスト

5日目:ハーバーエリア
・渚クラック(フィンガー、5.9) オンサイト
・ルート名なし(ハング越え、体感5.9) オンサイト
・αクラック(オフウィズス、5.8) オンサイト 懸垂回収に失敗して痛恨の登り返し
・βクラック(ハンド、5.8) オンサイト この2本は脆過ぎて危険だった。
・大ルーフ(ハンド、5.11c) テンション掛け掛け。一応、ムーヴは割愛していないが、解明した感じは無い。またトライしたい1本。

6日目:最果てエリア
・SECRET AGENT MAN(フィンガー系、5.11a、2P) オンサイト
大堂海岸の看板ルートらしい。

たしかに、小川山レイバックを3つ重ねたという前評判通り、美しい。
また、取り付くためには、この岩そのものを懸垂下降する必要がある。

しかし、ビレイポイント含めて、1本のボルトも無いエリアなので、取り付くためには工夫が必要。
久々に、本チャンのような緊張感だった。

このエリアに付きあってくれたパートナーに感謝。


全体を通して、もう1回か2回はツアーを組みたいエリアです。
ただ、あまりにも遠い。大阪から車で行っただけでも、地の果てに感じました。
次回は、飛行機かなー。