2015年1月21日水曜日

クラック講習に時間が掛かる人は、クラックが苦手な訳ではない

1月18日(日)は、城ケ崎にてクラックリード講習。

男性OGさん、女性MTさんのペア。
男性ITさん、怪我をしてリハビリしてきた女性SDさん。
<地上でのカムセット練習>

今回で、男性OGさん、女性MTさんは、クラックリード講習を卒業です。

想定範囲内の5~6回くらいで、特に大きな問題もありません。

本日、MTさんに5.8のオンサイトトライをしてもらいましたが、テンションは掛かったものの、落ち着いてムーヴ探りを続行できたのでO.K.としました。
<樹氷(5.8)>

じゃぁ、逆に10回とか掛かるのは、何が原因なんでしょうか。

経験上、こんな感じです。
<ここ一番の踏ん張りのあるMTさん>

①レストしながら先を読む、というクライミングスタイルが身に付いていない

本当は、ボルトルートでも必須項目なんですが、意外とできていない人も多いです。
<樹氷に本気トライ>

②足置き、ホールディング、態勢作り、などが不安定

普通に考えると、怖がりだと安定しそうです。

が、実際には、怖がりすぎて

「先に進んでしまいたい!」
という心情が働くことも。

これは、終わりなき戦いです。
トップクライマーから見たら、私も不安定に見えるんじゃないかと。

とはいえ、クラックをやるなら、このぐらいは安定感が欲しいって私なりの基準はあります。
当然、ランナウト必須のマルチピッチになると、さらに基準が上がって行きます。
<レスト中>

③墜落距離の予想をする習慣がない

ジムでも、いつクリップをするか、どんな位置でビレイするかを見ているだけでも、大体のレベルが把握できます。

自分でプロテクションの位置を決めるクラックでは、もちろん大事。
<プロテクション戦略を練習中>

④小技を大事にする意識不足

カムのラッキング、テーピングの巻き方、難しいカムセットをする際のポイント、ビレイの手の動き、などなど。

4~6日間ごときで全部を伝えきれる訳はないんですが、小技は意外と大事です。

クライミングそのものも、準備に掛かる時間も、だいぶ楽になってきます。
先日の、スキー板を担ぐ話に通じますね。
おおむね、ボルトルートまでの段階で、不安要素が多い人は時間が掛かります。

重要なのは、ここで落ち込まないことだと思います。

①~④にしても、クライミング全般に渡って重要なんですが、クラックをやると弱点が顕在化するということでしょう。
<MTさん、渾身のトップアウト>

行き詰まりを感じたら、岩場リード講習を復習に使うもよし、しつこくクラックリード講習を続けるもよし。

時間が掛かる人には、私もクラックそのものを講習している気がしていません。

「クライミングって、こういうことに意識を配ってやっていくものだと思いますよ。」
という私のクライミング観を伝えているんだと思います。

時間が掛かっている方々も、もう少し粘れば先が見えて来ますよ。
<暗くなりました>

具体的な講習内容
・ハンドジャム練習
・ジャミングの方向を変えずに引き付ける練習
・カムセット練習(地上にて)
・トップロープでのムーヴ練習(安定したムーヴになるまで、5.4を反復)
・リードで落ちる練習(ITさん、MTさん、OGさん)

・実践本気トライ
ITさん:樹氷(5.8)をオンサイト、鬼ころし(5.7)をオンサイト
MTさん:樹氷(5.8)をテンション掛け掛けトップアウト
OGさん:樹氷(5.8)をフラッシュ