2015年10月5日月曜日

危険すぎると嫌になる

10月3日(土)、4日(日)は、岩場リード講習にて、小川山。

1日目は、NS夫妻、女性KIさん。
2日目は、女性KDさん、男性TYさん、女性KIさん、復習参加の女性WNさん。
<紅葉の始まり>

WNさんは、スラブが苦手ということでの復習参加でした。

ところが、意外な発見もありました。
<ムーヴの基礎練習>

ウォームアップレベルのルートで、WNさんがリードで落ちる練習をしていた際のこと。

ボルト1本目と2本目が、7mほど離れておりました。
そこで、最初はランナウトしていない状態で、落ちる練習です。
腰元20㎝とか、股下くらい。
<だいぶ落ち着いてきたNS夫人>

で、本人から
「これって、もっと上の方でも落ちなきゃですよねー。」

と、遥か上方を差して言いました。

だって、
「2本目クリップする前に落ちたら、結局それぐらい落ちる訳で。」

という理由です。
私の回答
「いやいや。そんなところで落ちたら、怪我しますよ。それに、2本目直前だったら、グランドですよ。」
「ってか、ランナウト中に落ちそうなルートだったら、“オーバーグレードだった。”と思って敗退して良いんですよ。
(トライする人の実力に見合うように、落ちそうな位置にボルト打ってある訳だから)」
<2日目も、スラブの基礎練習>

すると、
「なんだか、霧が晴れたようにスッキリです。(笑)」
とのことでした。

これは、クラックリードどころか、マルチピッチリードまで受けているWNさんの発言だったので、意外な感じでした。
クラックじゃぁ、バッチリのカムが効かなければ突っ込まないなんて、当たり前のようにやっているはずなのに・・・。
(WNさんも、相当な怖がり)

当の本人も
「クライミングがそういうもんだってのは、知ってたはずなのに。」

と不思議そうでした。
本人の自己分析を聞くと、

・落ちるまで一手出していくスポーツクライミング(特に、ジム)
・「怖くっても、頑張って5.10aくらい登んなきゃ」という、自他ともにのプレッシャー

という要素からの混乱があったみたいです。
<だいぶリード慣れして来たKDさん>

これが原因で、リスクに対して頑張り過ぎる方向に心が傾いた様子。

「怖すぎて、岩場が嫌になりそうだった。」
と言ってましたし。
<落ちる瞬間>

たしかに、初級者グレードのルートであっても、ボルト足元くらいで頑張るべきという場面もあると思います。

本日、講習生同士の会話に上がっていた小川山物語(5.9)。
これなんか、少しランナウトするけど、十分な高さはあるルートだったような記憶です。
<フォームも、だいぶ良い感じ>

でも、大抵のボルト位置って、核心ムーヴの本当に直前ですよね。
私が怖がりなのもありますが、95%以上のフォール経験は膝下とか、せいぜい足首程度だと思うんですよ。

頑張りすぎも、気を付けてくださいませ。
実力に見合ったドキドキ感が、成長にも良く効くと思います。
<かわいい女(5.8)>

具体的な講習内容
・スラブのムーヴ講習いろいろ
・ボルトの種類
・トップロープ練習(NS夫妻)
・リードで落ちる練習
・実践本気トライ
KIさん:かわいい女(5.8)をR.P.。2便。
WNさん:かわいい女(5.8)を再登。(ほとんど忘れていて、オンサイト状態)
KDさん:穴があったら出たい(5.10a/b)をR.P.(ほとんど忘れていて、オンサイト状態)
TYさん:穴があったら出たい(5.10a/b)をR.P.(再登?)

<見事に、穴があったら出たい(5.10a/b)を完登!>

KDさんの最後のトライ、素晴らしいトライでした。

危ないところは慎重に戻りつつ、クリップしてからは覚悟を決めて思い切りよく!
この感じを忘れずに、登って欲しいです。