2017年8月10日木曜日

グレーな状況、グレーな判断

またしても上書きしますが、9月分の予約受付は今夜0時スタートです。
念のため。

7月9日(日)は、マルチピッチリード講習にて、小川山。
女性SMさん、男性OMさんのペア。
<登攀準備>

プロテクションの効きによって、リードが突っ込むべきか否かという判断は、異なって来ます。

以下に、3つの場面。
<チムニーっぽいコーナー>

①プロテクションが取れない。
落ちそうなら登らない、絶対落ちそうも無ければ登る。

歩きっぽい区間なら、抵抗なく突破できる。
ただ、オブザベ段階では読み切れないことも多いので、実際にホールドを触って、クライムダウン出来る範囲で探る、という手段も有効。

⇒その最中に、不意落ちすると大事故になるので、探るという行為自体がそれなりに緊張感を伴う。
<脆い2P目>

②プロテクションが良い。(落ちてぶつかるテラスなども無い。)
落ちる可能性があっても、頑張ってみて良い。

とはいえ、ついつい恐怖心が先立って、テンションやA0に逃げたくなることもあります。
それを、どうやって克服すべきかは各自で考えていただくとして。

実際問題は心理的抵抗があるにせよ、本来やるべきこと自体は単純、というパターンです。

①と②は、講習的にはいつも通りの話。
③プロテクションに不安がある。

ここでの判断は、一言では語れません。

「8割方止まる」と思っているのか、「無いよりマシ」と思っているのかによっても、全く違うでしょう。
固め取り出来るかどうかも、割と重要です。「8割方止まる」が複数個で、「ほぼ大丈夫」と思える場合もあります。

ただ、特に本チャン的な場面では白でも黒でもないグレーな場面が多いです。「5分5分」+「無いよりマシ」+「無いよりマシ」の固め取り、など。

その場面って、どのくらいの落ちる可能性まで許容できるんでしょうか?
「落ちちゃダメ」とは言いますが、本当にノープロテクションの(①と同じ)ように振る舞っているでしょうか?

正直、ノープロよりはちょっとだけ大胆になっちゃいませんかね?
<ちょっとした奇岩>

こういったグレーな状態では、判断の正誤もグレーになります。

突っ込んでも「すげー精神力。」と言われちゃうかもしれませんし、辞めても「慎重で良いね。」と言われちゃうかも。
<朝ドラの帝王>

こういう場面について、今回も幾つか質問をいただいたのですが、なんせグレーな世界だと再認識しました。

せいぜい「私なら、さっきの場面でこうします。」ぐらいしか語れないんだなと。
<歩きのようなノープロ区間>

グレーにも多少慣れないと、マルチは登れません。でも、やっぱり現実的リスクより安心しがちという危険があるので、自覚的に行動する必要がありますね。
<ギア受け渡し>

<稜線歩き>

<フレアークラック>

<避暑>

<プロテクションばっちり>

<だが、高度感にビビりまくり>

<そのクラックをフォロー>

<チムニー内に落し物をして、拾いに行く>

<落とした本人>

<懸垂下降>