9月21日(木)は、クラックリード講習にて、湯川。
女性Sさん。
Sさん、周りの諸先輩から「(アイスとかアルパインも含めて)色々やりたいなら、クラックは早いうちからやっておいた方が良い。」
と言われたり。
反対に、
「フェースで5.11aぐらい登れるようになってから始めた方が良い。」
と言われたり。
どっちの言うことも分かるので、少し説明しました。
今は、山から入ったとしても、ジム、ボルトルート、クラックという順序で学ぶ人が多いと思います。(例外も多い)
単純から複雑へ、という進化経路でしょうか。
あまり登れないうち(フェースグレード5.9~5.10bくらい)からクラックを始めるメリットは、
・ジャミング、ワイドムーヴが相対的に得意になり、将来的に苦手系が少なくなる
など
ある程度登れて(フェースグレード5.11a~5.12aくらい)からクラックを始めるメリットは、
・ちょっとジャミングを覚えただけで、身体の動かし方自体は分かるので、5.10中盤くらいでも登れるルートがある(ただし、全然歯が立たない5.9とかもある)
ちなみに、単純から複雑へと歩みを進めることから、何をもってリード技術の基礎固めとするかは、グレードだけでは測れないと思います。
ジムで落ちるのが怖い人は、ボルトでもクラックでも怖いだろうし。
ジムで平気で落ちられても、クラックではちょっと怖いのですから!
これは、レスト技術も、ビレイ技術も、オンサイトトライも、ハングドッグも、終了点作業も全部同じです。
何度かクラックをやってみて、「こりゃー基礎が足りんわ。」と思って出直すのももちろんアリだと思います。
この業界、本チャンとか沢登りに行ってみて初めてクライミングを練習する必要性に目覚める人も多いですから、同じ構図ですね。
ちなみに、当塾講習は前者(クライミング能力)に関しては、早めに始めるのを歓迎。後者(リードの基礎技術)に関しては、ある程度分かっている人に講習したい、というぐらいのイメージです。
数値化しにくいので、いつも講習生とのやり取りには四苦八苦です。