さて、1月の予約受付を12月4日(火)の22時より開始いたします。
冬真っ盛り、クライミング講習は湯河原、城ヶ崎、マルチ講習はお休みです。
また、雪上訓練、アイスクライミング講習を御要望の方がいらっしゃれば、御連絡下さい。
ところで、指の手術から3ヶ月が経過しました。
1ヶ月ほど前から、ボチボチと自分の登りをジム限定で開始しています。
2週間ほど前から、9割方オンサイトできそうなルート(5.10d~5.11aぐらい)、指にダメージが少なそうなルート、という限定で1日5本くらいを登っています。
この2ヶ月半、絶対に登れそうなルートしか触らなかったこともあって、久々のリードらしい緊張感に大興奮しています(笑)。
ただ、今のところ、1日登ると大分腫れるので、数日は休みたいレベルです。講習日程との兼ね合いを考えて、週1日だけジムで登る状態ですね。
今のところ、手術した左中指の傷跡そのものは良くなっているけれど、稼働域アップや痛みの軽減という意味では、さほど変化はありません。
むしろ、ステロイド注射をして腱を緩めただけの右中指の方が、稼働域が回復しています。しかも、手術していないので、腫れなども無い。
稼働域、変形、痛みの関連性については、私の場合は稼働域の減少が最初にあるらしいので、それが回復すれば全体が少しずつ良くなる可能性ありだそうです。
そんな訳で、右中指は手術しない方が良いかなと思っています。
結果的には、手術したのが損だった気がしますが、日々リハビリに通ったお陰で、少し腱の仕組みも分かり、ストレッチなどの自主トレも学べました。
10年先を考えると、良かったかなと思っています。
何にも登れない日々ですが、まずまず楽しくやっております。
また来週、ジムで5.10dをオンサイトトライしたいなー、という感じです。
登山講習、読図講習、ジム講習から、リード講習、クラック講習、マルチピッチ講習、雪上訓練、救助訓練、アイスクライミング講習まで。 初心者の富士登山から、アルパインクライミングを目指す方まで全力サポート。
サイズ選び
11月24日(土)、25日(日)は、クラックリード講習にて、城ヶ崎。
1日目は、女性Mさん、女性MKさん、男性YZさん。
2日目は、男性STさん、新規男性ARさん、女性ISさん、復習参加の男性ITさん。
カムをセットする際に、番手を間違えるということは、よくあります。相当なレベルでも、それがゼロにはならないと思いますが、あまりに頻繁に間違えているとヘロヘロに疲れてしまいます。
皆さんがやっているであろう方法を、3つ挙げてみます。
①ジャミングのサイズと対応させて覚える
キャメロットと男性標準サイズとの対応で考えてみます。
6番 膝が入るため、ノーハンドレスト態勢を作りやすい。
5番 膝は入らず、 フィストジャムも効かない。苦手サイズになりやすい。
4番 フィスト。
3番 狭いフィスト~広いハンド。
2番 ハンド
1番 タイトハンド(キツイが、ハンドが効く)
0.75番 シンハンド(入りきらないハンドで何とかするか、サムカムなどのオフフィンガーの技術で何とかするか)
0.5番 シンハンドorオフフィンガー(シンハンドと同じ対応)
0.4番 フィンガー(指の付け根まで入る)
0.3番 フィンガー(第一関節まで、第二関節までしか入らない、など)
それ以下 シンクラック(所々にフィンガーが効く。指は入らず、フェースムーヴで何とかすることも多い)
この対応表には、異論もあるかと思いますが、感覚的なものなので止む無しです。
問題点として、まだクラックを10本もリードしていないような段階では、この対応表の一部しか実感できないことです。
さらに厄介なのは、ムーヴはハンドジャム主体でも、カムは奥に決めるからフィンガーサイズ、なんてこともザラなのですよ。
<大賑わい>
1つは、家で並べ替えをしたりして、「紫の1コ上は、緑!」などと即答できるようにしておくことです。
もう1つは、ラッキングにギアラックを使い、順番通りに並べておくことです。(これには、デメリットもあります。)
これらにより、紫をセットしようとして「ちょっと開き過ぎで恐いな。」と思ったときに、1つ上の緑を選ぶことに迷いが減るだろうという話。
<気持ち良いハンドジャム>
「数をこなす」というのは漠然としていますので、何か初心者向きの方法は無いものかと。
自宅の襖(ふすま)を適当なサイズに開けて、そこにカムを決めて、自分の感覚の的中率を確かめる遊びを推奨しているクライマーもいます。
<カムセット練習>
城ヶ崎は潮の影響で、湯川や小川山よりはカムが錆びやすいですしね。
そういう手入れも、初心者にとってはサイズを覚えるチャンスなのかもしれません。
<落ちる練習>
<2日目>
ITさん:無名フィンガー(5.10a) ハングドッグしてトップアウト
他の方は、比較的易しめのルートでカムで落ちる練習など。
<ビレイ中>
<ムーヴ練習に特化>
<ITさんのみ、本気トライ>
<病み上がり?>
<無事にトップアウト>
<本日、初リード中>
1本目は、第一関門
11月23日(金、祝)は、岩場リード講習にて、湯河原。
男性STさん、男性FTGさん、女性ADさん。
「リードする際に、1本目まで行けないぐらいだったら、そのルートはトライする資格が無い。」という考え方があります。
おおむね、ボルトはそのルートをトライするであろう実力者が落ちる可能性が高い箇所に打ってあるものです。
したがって、下部が易しければ1本目は高くなります。
反対に、下部が難しく、かと言ってボルダーとして捉えるには下地が悪くて着地が困難、というときは1本目が低くなります。
という訳で、再登者である我々としては、1本目までを足切り試験として捉えるという結果になります。
この考え方は、課題を乗り越えて行くクライマーの気持ちにピッタリと合う上、自分にとっての適正難易度のルートを選ぶ基準としても重宝します。
一方で、ちょっと考えただけでも3つは問題点があります。
1つ目は、ついついボルト位置に文句を言いたくなること。ときどき「もうちょっと右下にあれば、万事うまく行くのに。」なんて気持ちにはなってしまいます。
2つ目は、グランドアップのルートなど、ボルト位置設定の理由が、少し異なるケースも散見されます。下部が脆くてプリクリ前提、というルートもあります。
(グランドアップのルートは、多少怖くても冒険性を重んじた結果です。)
3つ目は、現代クライマーの我々は、安定したムーヴ能力に比べて、安全な環境での突破能力が高いらしいので、むしろ第一関門こそが核心になることもあります。
昔のクライマーは、おおむね高い水準の山屋だったそうなので、落ちない登りも上手かったことでしょうて。
と、ここまで分かった上で、この考え方を採用するかどうかは自分次第という話でしょうか。
ちなみに、講習ではこの考え方で本気トライは行います。
なので、1本目に辿り着けない場合は、敗退してもオーケー。正当な安全管理とみなしています。
クラックとかマルチまでやるなら、現代クライマーの強みと、昔のクライマーの良いところを、ある程度意識して登った方が良いと思うんですよね。
<マゾおけさ>
実践本気トライ
ADさん:アブラカダブラ(5.10a) 再登
マゾおけさ(5.10b) クライムダウン敗退にて、一撃権を残す
FTGさん:アブラカダブラ(5.10a) 再登
マゾおけさ(5.10b) ハングドッグして、最終セクションが抜けられず敗退
STさん:アブラカダブラ(5.10a) フラッシュ。ただ、本人の中では反省点があり、いずれ復習トライしたい様子。
2018年11月27日火曜日
おごれるものは久しからず
11月20日(火)は、ムーヴLv.0にて、女性FSさん。
11月21日(水)は、リード3回目にて男性NMさん。
爪先周辺でスタンスを捉える1つの理由として、「足を乗せたまま、回転させられる。(インエッジ、フロントエッジ、アウトエッジの各方位へ)」
というメリットがあると思います。
意図せず自然な流れで身体の向きを変えることも多いので、
「とりあえず、どっち向きでも対応できるように、爪先周辺で置いとくと良いことが多い。」
という話。
(あくまで原則論です。)
が、FSさんは足を回転させるときに、スタンスから足を離してパタパタと置き直す傾向にありました。
で、本人は自覚なし。
「爪先周辺で置いてるつもりが、もうちょっと土踏まず寄りになっちゃっているんですかね。もしかしたら、ちゃんと置けているのに、うっかり圧力を抜いて離れちゃっているのかもしれませんけど。」
などと話して、ある程度は自覚出来てきた頃・・・。
「自分は丁寧に足を置いていると言う、その驕りが!」
という、何とも自分に厳しいコメント。
どんなレベルであっても、
「自分は十分にテクニックがあり、足りないのはフィジカルだけだ。」と思うべきではない、
という趣旨の話があると思います。
これは、ある程度登れるクライマーへの戒めとして言われるものですが、その序章ってところですかね。
さて、FSさんはジムリード講習に進んでO.K.としました。
NMさんは、これにてジムリード講習は卒業です。
2018年11月26日月曜日
フォローなりの達成感
11月18日(日)は、マルチピッチリード講習にて、越沢バットレス。
NSさん夫妻。
今回を終えて、「なんだか、ようやく楽しめるようになって来た気がします。」
と語る2人。
本人たちの希望もあり、今回までの3回分は全てフォローでの体験講習形式。
<フォロー中>
と尋ねると
「なんだかんだ言って、(フリーで)登れたっていうのは大きいと思います。」
との御回答。
<真剣な様子>
そのときは、「そもそも、フリーで登らなくても良いかも。というか、マルチじゃなくても高い所は登山道から登っても良いかも。」ぐらいの心境もあったようです。
<3P目>
「本当は、残念がった方が良いんだろうけど、まだそんな気分にもならない。」
というような心境だった様子。
<懸垂下降>
「とりあえず、落ちないことが目標です。」
と朝から語っていた2人。
昼までに3ピッチで1本をトップアウトし、無事に目標達成。
午後から、別ラインで3ピッチでトップアウトし、オマケの1本も達成!
<午後からの2本目>
「登れた。」と「引っ張り上げられた。」は、やっぱり違いますもんね。
<2本目のトップアウト>
帰り道では、「こういうことも、自分たちで行ったら色々トラブルになりそう。」などの感想が的を得ていて、なかなか良い感じでした。
では、続きは春からでしょうかね。
2018年11月22日木曜日
講習、2打席目
11月17日(土)は、岩場リード講習にて、湯河原。
女性ADさん、男性STさん、男性FTGさん。
講習生から、よく聞く言葉です。ムーヴの話であれ、終了点に関する話であれ、リード技術に関する話であれ、
「これって、前も聞いたような話なんですけど。」
この後に続く言葉として
①「忘れてますね。」
(当時は、理解していた。)
②「誤解して覚えてました。」
(勘違い。)
③「あのときは、あんまり良く分かっていなかったと思います。」
(当時の実力では、完全理解できないのは止むをえない。)
という感じです。
立場上、未来が見える気分になることもあります。
今の会話の受け答え、顔色から察するに、きっと1ヶ月後に②っぽいことを言うんじゃないかな。
<結び替え練習>
「こういう風に誤解しがちだけど、そうじゃないですからね!」
と念を押したい気持ちに駆られます。
でも、それは老婆心が過ぎるというもので、経験上あまり効果を感じません。
(それでも言いたくなるけれど・・・。)
そういうときは、
「今日は諦めて、次回に理解を深めてもらおう。」
と割り切るのが吉だと感じています。
1年ほど間を空け、この秋から講習に復帰したADさん。
全体的に、2順目で聞くことが多いかと思いますが、今の方が理解したことが伝わってくる表情です。
こちらも嬉しくなりますよ。
実践本気トライ
ADさん:アブラカダブラ(5.10a) 1テン
STさん:アブラカダブラ(5.10a) クライムダウン敗退(まだ、一撃の権利は残る)
2018年11月19日月曜日
パワーゲージの下降は、折れ線グラフか?
11月15日(木)は、1コマ目がムーヴLv.0で、新規男性DMさん。
2コマ目が、リード1回目で、男性NMさん。
上の図は、リード(もしくはトップロープ)クライミング中のパンプ具合、疲労具合などをイメージしたものです。
スタート時点をパワーゲージ100%としています。
左図は、折れ線グラフのように消費していくもの。
(ムーヴ毎に疲れる。ムーヴの選択、洗練度、などによって消費する量が違う。)
右図は、直線的に消費していくもの。
(どんなムーヴを選ぼうと、一定時間で力尽きる。)
左図のイメージが強いならば、時間を掛けても消費量の少ないムーヴを選択すべき。右図のイメージが強いならば、どんなムーヴを選ぼうと関係ないので、とにかくスピーディに登るべき。
という風に、私は理解しています。
リードクライミングって、概ね左図だから工夫の余地があって面白いと思っています。
垂壁やスラブは、時間を掛けるデメリットが少なめなので、しっかりムーヴを選んで行くべき、なんてのは耳にしますよね。
ただ、右図の要素も完全に無視はできないので、問題は少し複雑で、答えはケースバイケースとなるのでしょう。
しかも、今回はレストとか、複雑になりそうな要因は除いて書いてますしね。
とりあえず、今回はここまでで。
2018年11月16日金曜日
リード交代
11月14日(水)は、マルチピッチリード講習にて、越沢バットレス。
女性SMさん、男性OMさん。
<朝は、少し寒い>
「いやー、無理だ。SMさん、やるー?」
というギブアップ宣言。
<1P目を終えて>
しかし、一応はテンションせず、腕を下ろしてレストしながらビレイヤーのSMさんと会話中。
<1P目のフォロー>
①エイドで突破。その部分は、プロテクションが取れているので可能。
②テンション掛けて、ロワーダウンでビレイ点に戻り、リード交代。
③クライムダウンでビレイ点に戻り、リード交代。
今回は、選択肢に入りませんでしたが、OMさん本人が再リードでリベンジというのも状況によってはあるでしょう。
とりあえず、私が③をオススメして、クライムダウン敗退。
これだと、一応オールフリーは継続中という意味で。
<クラックが豊富な2P目>
そこで、SMさんにリード交代するにも2つの選択肢があります。
A.ロープを引き抜き、ピンクポイント状態でリード開始。
B.2人のロープの末端を交換して、7m分のプリクリップ状態でリード開始。
今回は、Bを選択。
<昼前に、太陽が射して来ました>
思いがけずリードの機会が巡って来て、1時間近くかけて突破。
お見事!
見ていて、たくましいと感じました。
<カム回収中>
「さすがに、フォローじゃ落ちられないっすよ。」
と気合いを入れて出発。
ザックも荷上げにして、空身で見事にノーテンション。
<3P目、OMさん>
2人ともフリーで登りきりました!
リード交代時も、テンションを掛けたのはビレイ点のみ。
<リード交代して、プリクリ状態で核心部まで>
いわゆるフリーマルチよりも、山っぽい場面では、リード交代って時々やるような印象です。
一番しっくり来そうな、チームフリーという言葉は、他の意味があるので使えませんけど(笑)。
<気合いの行きつ戻りつ>
<午後は暖かい越沢>
マルチピッチは、組み合わせ(場合分け?)によって、色々なケースが出て来ちゃいますね。
いずれにせよ、70mもの岩壁をフリークライミングで登りきるというのは、何とも達成感がありますよ。
<「いやー、よく行ったねー。」>
三ツ峠とかも、同じように登ってみたら楽しいんじゃないかと思いますよー。
もちろん、また復習参加に来ていただいて、今度はもっとクラックっぽいマルチをやっても楽しいと思います。
瑞牆は、例によって敷居が高いと感じているようですしね。
<「ここも悪くない?」>
<無事にトップアウト>