本年は、大変お世話になりました。
明日から登山に行きますので、メールの返信は遅れるかと思います。
個人的な心情ですけど、テント山行の準備をすると必ず気が重くなるのは自宅の片づけが悪いからでしょうか?
どうにか準備を終え、ようやく腹が据わって楽しみになって来ました。
寒さとか、諸々に対しての諦めの境地というか(笑)。
そう言えば、先日ランナウトでリハビリ登りをしていて、薄かぶりの5.11bとかはO.S.出来たりするんだけど、ボルダリングの黄色テープ(足自由で、掛かりの良いホールドが続く初級課題。120度~130度の強傾斜もある。)で登れないのがあったりして、自分でもビックリしました。
足自由でも傾斜に負けてるって、我ながらダメすぎでしょう。
がんばろ。
2月の予約は、1月6日(日)の夜22時よりスタートとさせていただきます。
岩場リード、クラックリード、読図、雪上訓練、アイスクライミング、何なりと。
登山講習、読図講習、ジム講習から、リード講習、クラック講習、マルチピッチ講習、雪上訓練、救助訓練、アイスクライミング講習まで。 初心者の富士登山から、アルパインクライミングを目指す方まで全力サポート。
カムの効きは、よく分からない
12月29日(土)は、クラックリード講習にて、城ヶ崎。
男性HNさん、男性SIさん、女性Mさん、女性ISさん。
カムの効きにも色々あります。
実戦的に、皆が言葉にするものをランク付けしてみます。
①バチ効き
(墜落率の大きなフォールでも大丈夫。出だし落ち、など。)
②バチ効き
(墜落率0.3ぐらいのフォールでも大丈夫。)
③ちょっと落ちるぐらいなら平気
(トップロープ状態なら、落ちられる。)
④静荷重ならギリギリ行ける
(テンションなど。)
⑤手で引くぐらいなら大丈夫
(テスティングなど。)
まず、①と②はカムは十分に効いている前提です。
カムのサイズが極小だったりすると①はそもそも得られないんじゃないか、とか言う話だと思います。
次に、③~⑤は具体的に、どういう状態なんでしょうか?
上の図で、左上がパラレルな面にセットしたもの。説明書通りのものです。
これなら、よほど岩がツルツルで無い限り、①または②の効きです。
右上は、スプーンカット状の凹部にセットしたもの。
これも、①または②の効きだと思います。
左下は、凸部にセットしたもの。
右面の凸部がどの程度の荷重で欠けるかに、信頼度が依存します。
③~⑤のどれになるかは、岩次第です。
右下は、フレアした面にセットしたもの。
カムの歯が岩を押すことで止まる、という仕組みが発揮されにくく、見た目にもギリギリの摩擦で止まっているように見えます。
③~⑤のどれになるか、案外②ぐらい行けちゃうのか。
それは、岩の表面の摩擦(濡れ具合も含む)、表面に砂や風化面の有無、などによって異なるでしょう。
今回は省きますが、カムの歯のうち1枚とか2枚が効いてない状態のときも似たような状況です。
③~⑤のどれなのか、はたまた案外②ぐらい行けちゃうものなのか、判断は微妙です。
あともう一つ、カムセットした際にテスティングはしても良いし、することによって得られる情報もあります。ただ、強度テストとしては「⑤以上です。」としか教えてくれません。
ちなみに、テンションして大丈夫だったとしても、「④以上です。」とだけ教えてくれます。
不安なカムは、落ちてみるまで止まるかどうか分からないというジレンマです。
「じゃぁ、何を信じれば良いんですか!?」
という突っ込みが聞こえて来そうです。
「(自分だって)教科書的にセットしたいけど、登りながらそんなに時間かけられないから、どこまで妥協してO.K.かを教えて欲しい。」
という趣旨の発言も、よく伺います。
正直、どこまで妥協してO.K.かなんて、よく分かりません。
神須の鼻みたいなエリアに行くと、嫌でも考えさせられますが、やっぱり分かりません。
考えまくっても結論が出ないので、虚しくなったりもします。
「(初心者が取り付くような)比較的プロテクションの良いルートであれば、大事なのは安心感あるセットが出来るまで粘ること。」
そういう考え方で、講習は行うことにしています。
実践本気トライ
Mさん:純(5.8) R.P.。
ISさん:純(5.8) フラッシュトライにて、テンション掛けつつトップアウト。
SIさん:初孫(5.5) O.S.。
HNさん:初孫(5.5) フラッシュ。
2018年12月27日木曜日
大室山~畦ヶ丸
12月25日(火)は、再び1人で丹沢へ。
城ヶ崎の帰路なので、車中泊して。
<出発して2時間ほどで稜線へ>
1回目は、ちょっとした登山道整備を見ても
「いやー、こんだけやって素晴らしい。富士山の下山道シェルター周辺にも、是非ともやって欲しい。」
「うーむ、この岩場で鎖のアンカーがこれかぁ。怖いなー。」
などと感想盛りだくさん。
それが、段々と何も考えずに歩いているのを感じます。
<桜ではなく、樹氷>
心理的にも
「暗くなったら登山道とは言え、分かりにくいかもしれないからな。」
とヘッデン下山に不安が少しある初回。
それが
「この辺の登山道なら、暗くなっても分かるっしょ。」
と安心感が。
これに関しては、慣れの善し悪しが色々ありますよねー。
たった数回で、丹沢の登山道を分かった気になるというリスクもある反面、やっぱりプレッシャーが減って行動が楽になるような部分もあり。
<なかなか不思議>
車の運転も、慣れた頃が一番危ないとは言うものの、慣れて楽になってからがようやく遠出する気にもなるという話もあり。
山と自分の技量との距離感を、ボンヤリ測っているような感覚でしょうかね。
なんだか、その感覚は楽しいです。
登山道の場合、整備具合という人為ファクターで全く変わってしまうし、そもそも山の一部しか見ていない感も満載なので、ちと寂しくもあります。
まぁ、でも今の自分の状態では、これが1つの楽しみですね。
<大室山の山頂>
少し勘戻しも出来たので、年末はもうちょっと遠出しましょう。
そうしましょう。
<畦ヶ丸の山頂>
<明るいうちに下山できました>
6:55 西丹沢ビジターセンターを出発
9:40(?) 大室山
12:50 畦ヶ丸
14:40 西丹沢ビジターセンターに到着
2018年12月26日水曜日
8KNのボーダーライン
12月24日(月、祝)は、クラックリード講習にて、城ヶ崎。
女性Mさん、女性ISさん。
カムの強度で、よくあるのが14KN~10KN。キャメロット青(0.3)、メトリウス青などで、8KN。
各社の0番以下で、4KN~6KN。
ってところでしょうか。
念のために書いておきます。
カムが抜けることが無かったとしても、壊れる可能性がある力を表しています。
セットミスなどによるカム抜けは、別議題です。
<懸垂下降>
①各社がエイド専用(前進用)と表記しているか?
というのはあると思います。
今、ロストアローのHPを見直してみたら、C3キャメロットは#000がダイレクトエイド専用だそうで。
(#00、#0は、特に表記なし)
もしかしたら、#0はフリークライミング使用なのかもしれませんが、「#0以下は墜落用としては要警戒」というのは、クライマー間の相場としてあると思います。
<初孫(5.5)>
②8KNをどう捉えるか?
イメージとして分かりやすいのは、カラビナが横向きやゲートオープンでの強度です。
これと同じくらいなので、
「体重、墜落距離、墜落係数、などの条件次第では、壊れることもあり得る。」
といった風に理解しています。
ざっくり言えば、「非常に稀だが、壊れることもある。」ってことです。
ISさんが、
「医学的には、“稀に起こる”って書いてある症例を見ることは、まず無いですけどね。」
というコメント。
実際、僕も8KN~10KNのカムで結構落ちてますけど、壊れたことはありません。
だからと言って全幅の信頼も置きたくはない、という難しさです。
個人的には、以下のように考えています。
「セットミスを考慮して、1個で落ちるようなことはそもそも滅多にしない。特に、メトリウス青くらいのサイズなら、岩の形状を読み誤ることも多いので、固め取りが基本。結局、カムが壊れるリスクは、自然と回避されているのではないか?」
もちろん、これが5KN、6KNとかになって来ると、再考の余地があると思います。
反対に、12KN以上のカムでセットミスしていない自信があるなら、1個で核心突入も最悪アリ?(説明書上は、1個での墜落はダメですけどね。)
<純(5.8)>
これを読むにも、前提知識が色々必要な感じになっちゃいましたね。
本日の講習で、メトリウス青を信頼するか否かが、ずいぶんと話題に上がったので。
何をリスクとして考えて自分が行動しているか、という意味で少し復習になれば。
メケンの勧め
12月22日(土)は、ロープワーク講習にて、ストマジ。
男性NMさん、女性SBさん、女性STさん。
<スリングの収納>
実際にホールドを持たず、下からオブザベだけで作ってもらいます。
そうすると、予想と全然違う動きになることも日常茶飯事。
それでも、予想外の動きでどうにか登れる課題として成立しちゃったりする不思議。
<終了点作業の議論中>
メケン課題(おそらく目検討から来ている)とか言われるもので、作った本人にとっては凄く経験になります。
通常、ジムのテープ課題などは、試登をして不自然な箇所を訂正したりしていると思いますが。
まぁ、コンセプトが違いますからね。
<結び替えの練習中>
2018年12月23日日曜日
上手さとグレード
12月21日(金)は、ムーヴLv.0とリード1回目を合わせて6時間コースにて。
新規女性YYさん、新規男性FMさん。
講習後に出た感想。「上手いことと、グレードが高いことは、別な気がしました。」
「私から見て、凄いグレードを登っている人を見ても、上手いとは限らない。」
登るための技術のはずなのに、相関関係が怪しく思えてくる、という不思議な話です。
一応、私なりの理解。
①心技体
上手いことは、技にあたる。
メンタルコントロール、フィジカル(純粋な筋力だけでなく、色々含めて)の総合力が、クライミング能力。
②グレードでクライミング能力を測ることの困難
得意系で5.12aを登ったとして、苦手系なら5.11aも登れないということは、十分にあり得ます。
それでも、最高R.P.グレード、最高O.S.グレード、と併記することで、おおよそのクライミング能力を表記するという慣習は、便利だと思います。
③完登ルール
R.P.の場合、そこまでの過程やトライ数、トライ日数に関わらず、完登は完登です。
とはいえ、1日の2トライで登った人と、10日間の30トライで登った人では、クライミング能力は違うはずです。
で、実際はクライマーによって、何日間ぐらい掛かる課題を好むかが異なるのです。1日~数日で登れなければ封印というクライマーから、「2シーズン越し上等!」というクライマーまで。
O.S.グレードという考え方にしても、30本の5.11aに失敗して、1本の5.11aに成功すれば、それが最高グレードになるのです。
それでも、O.S.とR.P.というのは達成感が分かりやすく、競技としての不自然さを差し置いても素晴らしく良く出来たルールで、ありがたい先人の知恵だと思います。
④フォーム
「例えば、脇が締まっていた方が、背中の筋肉は使いやすい。一般的に、小さな筋肉より、大きな筋肉で登った方が、故障もしにくく、将来的にはパワーも出せるようになるはず。」という話があります。
一方で、「肘や肩を痛めそうに見える登り方でも、ある程度の難易度までは登れる。」という現実もあります。
⑤安全管理能力
ロープが足に絡まったとしても、そこで落ちずに登りきったとすれば、完登です。
手繰り落ちしそうに見えたとしても、クリップ出来れば完登です。
カムが効いていなかったとしても、落ちずに登れば完登です。
スキージャンプのように、遠くまで飛んでも着地姿勢が崩れたら減点、というシステムではありません。
⑥隠れた技術
易しいセクションはバタバタ登り、どう見ても適当に登っているようにしか見えない人が、核心部だけ繊細なムーヴをこなすことがあります。
話してみても、アプローチセクションはほとんど記憶が無く、会話が出来ません。しかし、核心部だけはホールディング、足置き、バランス、タイミング、呼吸、とあらゆることが話のタネになって盛り上がります。
この登り方の是非は置いておくとして、この人は見た目以上に技術がある、ということを実感します。
だからと言って、「グレード向上に意味が無い。」ということにもなりません。
グレードを目標にするのが良いことかどうかも、私にはよく分かりません。
最後に、個人的なまとめを追記するか迷いましたが、陳腐なことしか書けそうにないのでやめておきます。
2018年12月20日木曜日
荷上げ失敗を考察
12月19日(水)は、クラックリード講習にて、城ケ崎。
女性Mさん、男性YZさん、久々の男性HNさん。
夕方の最終トライにて、無事に完登。
立木の終了点で、懸垂下降しようという場面です。
「あ、ATC持ってくるの忘れた。」
<図1>
状況は、図1。
細かく言えば、高さ10mほど。
平均傾斜は垂直。
ロープは50m以上のものを使っており、十分に余裕があります。環付きビナは余分にあったので、ムンターヒッチなどが自信を持って行えるなら、問題ない場面です。
今回は、そういうのは知らなかったので、ATCを荷上げすることを選択。
<図2>
図1のままでは、ロープに荷物を付けてもカラビナを通過できません。
そこで、ロープを引き上げてそのままロープを垂らすように私が指示。
イメージは図2でした。
<図3>
ただ、実際に講習生がロープを垂らした状況は、図3でした。
<図4>
荷上げ開始すると、荷物がクラックの僅か15cmぐらいのハングに引っ掛かりました。
<図5>
図5の通り。
ロープAをいくら引いても、ロープAそのものがクラック内に入っているので、荷物は引っ掛かるばかり。
ロープBがクラック外側に出ていたので、「そっちを引いてみたら?」と私が声がけしてみます。
(幸い、高さが低いので声掛けはしやすいエリアです。)
が、状況は図2ではなく図3なので、ロープBは講習生の手元にあらず!
状況的に、将棋の詰みになったように思えたので、私がリードして手助けに入るという顛末でした。
<図6>
状況的には、図6のようになっていますので、ロープをクラックAとBの間に垂らせば回避出来たであろうとは思います。
ただ、本人としては「引っ掛かるなんて、思いもしなかった。」とのことなので、そんな方法は思いもよらないのでしょう。
<図7>
また、傾斜の状況は図7です。
終了点手前に緩傾斜のセクションがあったので、ロープを上からコントロールするのは難しい場面でした。
<図8>
もし、図8のような立ち位置であれば、たとえハングがあってもロープを少しコントロール出来たりもします。
荷上げは、
・リード中の弾切れ(カムなどのギア)
・マルチの難しいピッチ
・沢登りでプロテクションが取れないけど空身ならフリーソロで問題なさそうなとき
などなど使い勝手の良い技術です。
様々なコツがありますが、とりあえず引っ掛かる仕組みを理解しておくことも大事だと思いますよ。
実践本気トライ
YZさん:鬼ころし(5.7) フラッシュ
Mさん:鬼ころし(5.7) R.P.
蛭ヶ岳~檜洞丸
12月18日(火)も、一人ハイキングにて、丹沢。
<植林の中で見る、朝日>
体力とか筋力もあるんですけど、私の場合は準備にそれを感じます。
<本日は、低山らしい趣き>
「この時期だと、このぐらいの防寒具、非常食かなー。」
「地形図のコンビニ印刷って、どうやるんだっけ?」
「アイゼンは、あの登山靴に合うかなー。合わせとくか。」
「手袋は、ちゃんとしたの1個と、軍手1個にしとくか。」
などなど。
<富士山>
山は準備が大事だ、と仰る諸先輩の言葉も心に突き刺さります。
ゴメンナサイ、準備嫌いのダメ人間なんです!
<10時ころ>
丹沢、なかなか良いですね。
さて、せっかくの準備を無駄にしないために、この際に何回か行かねばと思います。
<先日の残り雪?>
<12時ころに蛭ヶ岳>
<ちょっと盛り上がってくる景色>
<蛭ヶ岳を振り返る>
<檜洞丸>
<到着>
行動記録
7:10 神ノ川ヒュッテを出発
10:00 袖平山
12:00 蛭ヶ岳(丹沢最高峰)
14:50 檜洞丸
17:05 神ノ川ヒュッテに到着
うーむ、疲れました。
低山(中級山岳?)とはいえ、標高差が結構ありますよね。
2018年12月17日月曜日
塔ノ岳~丹沢山
12月16日(日)は、1人ハイキングにて、丹沢。
<秦野の方面、海も見える>
しかも、稜線に出ても山頂に行かなかったり、場合によっては隣の沢を下降してしまったりして、登山道を歩いた記憶がほとんど無いです。
<よくある史跡>
こんなタイミングに丁度良いかなと、まずは人気の塔ノ岳~丹沢山。
<二ノ塔>
<三ノ塔>
山域のイメージは、「やっぱ奥多摩に似ている。」、「岩場は、ちょっと脆い。」、「自分のイメージよりは、標高を感じる。」などなど。
回数が少ないので、なんとも言えませんが。
<細くて怖い稜線が、ときどき現れる>
<雪が強くなって来ました>
<塔ノ岳>
<うーむ、結構大変です>
<丹沢山>
<天王寺尾根から下山>
<暗くなって、15分ほどで駐車場>
行動記録
7:50 菩提峠駐車場を出発
表尾根をトレース
11:30 塔ノ岳山頂
12:30 丹沢山山頂
14:30 本谷橋(林道到着だが、ここから一尾根を登り返して隣の沢へ)
15:55 丹沢ホーム(ようやく林道着。最後の林道の登り返しが、予想通り悲しくなります。出発が遅れたこともあり、薄暗いのもある。)
17:10 菩提峠駐車場に到着
いやー、結構大変っす。
でも、楽しめました。