2019年8月23日金曜日

煩悩との戦い

8月17日(土)、18日(日)は、クラックリード講習にて、湯川。
初日が、女性Sさん、女性FIさん、男性FMさん、男性KTさん。
2日目が、女性FIさん、女性YDさん。
<アイドルの撮影会みたい>

講習とは直接関係がないのですが、行き帰りで少し盛り上がった話。

リードって、10年続けていても初心者レベルということは、よくある話だけど、ボルダーだと少ない気がしますよね。
リードのコンスタント5.10aの人口比率、ボルダーのコンスタント7級人口比率とで比べても、リードの5.11a、ボルダーの甘めの5級で比べても何でも構いません。

なぜ、ボルダラーは伸びるのか?
といった、切り口で僕も含めて皆さん好き勝手なことを言う、という雑談。
<カムセット練習>

①ボルダリングジムは“頑張って一撃~30分ぐらいで完登”ぐらいの、いわゆる丁度いい課題が、すぐに枯渇してしまうので、ちょっと難しい課題と向き合わざるを得ない。(FIさん)

②ボルダリングは、そういうメンタルコントロールできる人以外は、辞めちゃうんじゃないか?(KTさん)

③リードは、クリップが気持ちいいから、何か凄いことをしているような気分になりがち。やっぱ、紐が諸悪の根源なんじゃないか?(Sさん)
そう言えば、沢でも岩稜でも、「ロープ出す。」っていうと何か凄いことしたような達成感があった。内容的に、それが歩きに近いリードであれ、間違いだらけのダメロープワークであれ。(FIさん)
個人的には、教え好きのオジサンが初心者の女の子に講釈を垂れる、という場面もリードでは多いと思います。
しかも、同一の組み合わせで岩場も連れまわしていたりします。

もちろん、ボルダーでもあるんでしょうけど、リードほどは根深さを感じません(笑)。
思えば、リードは常々煩悩と戦っております。

オンサイトが難しそうなら、ついつい他人のを見たくなったり。
繋げ核心のR.P.は、そのルートを放棄したくなったり。
落ちるのが怖くて、ギブアップのテンションコールしたくなったり、ルート外のガバを掴んでトップロープ状態にしたくなったり。
(しかも、それぞれに妥協が賢明な判断という場合もあり、葛藤は尽きない。)

これらを乗り越えて、ジムのリードをスポーツとして取り組めるようになるまでに、一体どれだけの年月が必要なんでしょうか?
私自身、カチカチとクリップ音を鳴らしながらアップルートを登るぐらいでも十分に楽しいと感じる日もあります。

一方で、ボルダーはバラシを積極的にしたとしても、それ以上の逃げ道は断たれています。
登れない言い訳をしようが、それを我慢しようが、苦しくなるのは自分自身。
いつも、ボルダーで行き詰るたびに、淘汰されそうになる自分を感じます。
<フラッシュトライ>

ボルダラーの講習生に対して、省エネ技術、リスクコントロールの重要性を説いておりますが、基本的な心構えはジムボルダラーの平均値にも及ばない気がします。

だからと言って、ボルダーだけやっていれば、リードのリスクコントロールが出来るという風にも行きませんので、単純なボルダラー讃美という訳にもいかず。

色々な畑の人が交わって、考え方を交流させるところも、クライミングの魅力なんですかねー。
<本日、初クラックのFMさん>

<エイド練習>