2020年6月9日火曜日

私は非国民か、続編

6月4日(木)は、自分のクライミングで岩場へ。
6月18日までは、「首都圏1都3県や北海道との移動は慎重に」という表現です。
6月19日から、〇に変わります。

観光についても、6月18日までは、「県内で徐々に」という表現です。
6月19日から、「県外も含めて徐々に」という表現に変わります。

「いやー、もうすぐ開放だね!」
という気持ちは私もありますが、そう話は単純ではないことは皆さんご存じの通りです。
これに関して、私が2ヶ月で体験したことを話します。

例① 感染者0人の町

八王子から裏高尾町、武蔵五日市などの山間部へとサイクリングの日々を過ごしていました。
報道されているように、観光駐車場は閉鎖され、公共施設は休館など、やはり非日常の世界です。

その一方で、近所のオバちゃん同士、近距離で普段通りの世間話に花が咲いている方々も、ちょくちょく見かけました。

彼らは、無防備なのでしょうか?
それとも、自分の街では感染者0人なのを知っていて、あえて普段通りの生活を楽しんでいるのでしょうか?
彼らは、感染者0人の町に観光客が入ってくることを喜ぶのでしょうか?

もちろん、観光業はありますから、受け入れたい人も多いでしょう。
でも、平和を乱されると考える人も、きっといます。

政府方針で移動が緩和され、駐車場が開いたとしても、この矛盾が無くなる訳ではありません。
ただ、緊急事態宣言中、都会との往復生活をしている人もおり、感染者0人の町が絶対安全圏ではなかったことも事実です。

「じゃぁ、いつまで行かないのが正解なんだ?」
と聞かれても分かりません。
だから、政府方針に従うことは、1つの手堅い戦略だと思います。
そのタイミングなら、みんな行きますから、安心です。

しかし、「他人に優しい正義だ。」と断言するのは危険だと思います。
うがった見方をすれば、「自分に優しい」可能性もあります。

政府方針に従う多数派に所属するのであれ、「他人に多少迷惑を掛けてでも、自分は登山に行きたいのだ。」と自覚した方が良いかもしれません。
例② 山頂の売店

裏高尾のとある山で、山頂の売店がやっているのを2つ見かけました。
もちろん、登山口には「新型コロナのため、登山を自粛してください。」と看板があります。
山頂の売店は、悪でしょうか?商売だから仕方ないでしょうか?
登山者は、悪でしょうか?買い物をする可能性のある、大切な顧客でしょうか?

高尾山口駅でも、ケーブルカーはGW前まで営業していました。お土産屋も、最後まで開いているところもありました。
商売だから仕方ないでしょうか?
ケーブルカーに乗って登山する人は、悪でしょうか?

緊急事態宣言解除後の5月末時点では、「特定警戒都道府県の方の来訪は自粛してください。」と書いてあったキャンプ場が、「6月1日から通常営業です。」と書いてありました。
首都圏からの観光客を受け入れたいと感じさせる文面変更ですが、6月1日~18日の微妙な期間は、言及を避けているようにも見えます。
彼らは、悪でしょうか?
ここを利用した人は、悪でしょうか?

こんな話をすると、「登山が社会的に認められるのは、経済活動のためだけか?」という悲しい気持ちにもなりますね。
何も買わなきゃ存在価値すらないのでしょうか?
それは違うと思いますが、本題から大きく逸れるので、今回はパスします。
(詳細は、池田航さんの『登山の責任論』を読むと面白いです。)
例①は、「政府方針でお許しが出ても、まだ行くべきじゃない。」という揺さぶりです。
その場合、コロナが収まるか、テレビの報道が収まるかを待つことになるでしょうか。

例②は、「政府方針に関わらず、様子見ながら行っても良いんじゃないか。」という揺さぶりです。
その場合、登山業界の「自宅から100km以内の県境越え」、などのガイドラインを意識するか?完全に自己判断で行くか?などの難しい判断があります。

困ったことに、①と②は、真逆方向の揺さぶりだと感じます。
とはいえ、普通は政府方針に従うだろうと思います。
ただ、その最も手堅い選択すらも、異論はあると思います。

たぶん、正義は存在しません。
もっと言えば、政府方針自体が、なかなか微妙です。
「慎重に」って、人によって意見が割れそうですね。

意図的にそういう言葉を使って、「不要不急の外出自粛」よりは県をまたぐ人の流れを増やそうとしているのか!?などと、勘ぐってしまうのは私だけでしょうか。
だとすれば、我々は見事にコントロールされていますね。
さらに、自粛の捉え方も微妙です。

政府方針に賛同して、「じゃあ頑張って、自粛するか!」というなら、分かるのですが。
賛同しない部分にまで自粛圧力を感じるのは、ちょっと不思議にも感じます。
話をまとめます。
・例①、②から、県外移動のタイミングに絶対的な正義は無いと感じました。
・政府方針は、おおよそ分かるものの、グレーゾーンの大きさを感じました。
・政府方針に従わない人への自粛強要は、不思議に感じます。

個人的には、医療崩壊ギリギリだったときは、自粛強要にも一定の正義があったように思っていました。ギリギリまでジムや岩場に行く自分が、悪人に感じていました。
今の方が混沌として、何が正義かめちゃくちゃ難しいのかもしれません。
ちなみに、これは6月19日で無事解除となるシナリオに限って話しました。
ホントにそうなるかは、まだ分かりませんけどね。
僕とは真逆に、地元感情を考慮して今後数年は登山しない人がいても良いと思いますし、3密を避けてジムクライミングを辞める人がいても良いと思います。

私は、多少の迷惑を掛けてでも登りたいですけどね。
その恩返しは、人生通して考えていくとして。

(コロナの場合、確率は小さくて、重症化したらヤバいので、「多少の迷惑」というのは期待値をイメージしたものです。)
いやー、こういう思考から、ぼちぼち逃れたくなって来ました。
でも、しばらくは話題に上げちゃいますよね。
具体的に登ったルート
・5.8(クラック) 再登
・5.9(クラック) 再登
・5.10a/b(クラック) 再登
・5.10c(クラック) オンサイト(たぶん、登ったことない)
・5.11b 再登
・5.10c/d 再登
・5.12a/b ムーヴが出来ず、エイドでトップアウト

さすがに、本日は梅雨っぽくて状態イマイチ。
この岩場の春シーズン終了を感じました。