1月10日(月、祝)は、自分のクライミングにて城ヶ崎。
カメチヨと。
『フリークライミング』(山と溪谷社、北山真・杉野保・新井裕己 箸、改訂前の方)に、この見出しで始まるページがあります。
新井さんが書いたフィジカルトレーニングの項です。
要約困難なほどにビシッと書かれた名文なので、一読をオススメします。(改訂後の方に載っていなかったらスミマセン。)
本日の帰りも、登れない自分に嫌気が差す中で、この文章を思い出すのでした。
さて、読まない人のためにサラっと表面をなぞると。
登るだけでフィジカルトレーニング兼スキルトレーニングになっていて、順調に伸びているうちは登り続ければ良い。
が、クライミングは特定部位を鍛えることにも、負荷の調整にも、トレーニングしたい部位に意識を集中することにも向いておらず、およそトレーニング向きとは言えない。
まして、クライミングは「いかに疲れず登り切るか?」を目的としており、「いかに効率的に疲れるか?」を目的とするトレーニングとは根本的に考え方が異なる。
というイメージのことが、「もっと正確に」書いてあります。
ちゃんと勉強したい人は、本を読んでいただくとして、僕のモヤモヤを読みたい人は続きへどうぞ。
実際、考え方としては当たり前だと思いますが、そこから先のアプローチは頭の使い所で、この考え方は実践することが核心だと思います。
①自分が極端に弱いホールド、傾斜、ホールド配置があったとして、「なぜ、コレが弱いのか?」という分析が正しくなければ、鍛えるべき筋力も間違ってしまいます。
結果、「よく分かんないから、いっぱい登れば良いや。持久力トレーニングだ、わーい。」という例の結論に陥りがちです。
そして、初級者にはコレでも十分に、中級者でも多少は効果があるので、これだけに走りがちというのも分かります。
②いつやるか?も結構難しいです。
ジムで登る前に本格的にトレーニングすると、トライに差し障ります。
しかし、フレッシュなときこそ正しいフォームも意識しやすく、以前より高い負荷にチャレンジできたりもします。
③モチベーション維持も難しいです。
本格的なプラトーの場合、本気トライを我慢して、トレーニングに邁進するぐらいの時期を作らないと「登るだけの限界」を越えることはできないはずです。
自分のクライミング時間の9割を「楽しい普段通りのクライミング」に割いていれば、劇的な成長は見込めません。
ただ、これってフィジカルトレーニングに限った話じゃないですよね。
講習生にテクニックを色々と講習しても、その習得のための基礎練習をせずに本気トライだけをしていれば、習得はできません。
ロープワークを講習しても、その復習をせずに本気トライだけをしていれば、習得はできません。
(ショートルート主体の人にとっての本気トライが、山屋系の人にとってのマルチや雪山に代わるだけで、大抵の場合は「自分の総合力を試されるゲーム性のあるもの」が一番楽しく感じるものです。)
そして、グレードを追うみたいな思考を少し離れれば、そのゲームを楽しむこと自体は素晴らしいことですし、グレードには直結しないような小技はやればやるほど身に付きます。正しい本気トライを身に付けることにも、終わりは無いと感じます。
(例えば、本気トライで自分のテクニックとフィジカルを出し切るノウハウ、心構えにも、人によって大きな差があります。)
なので、全て分かった上で、楽しい本気トライ主体でクライミングを楽しむのも、間違いとまでは言えません。
「本気トライだけは真摯に取り組むが、練習やトレーニングはほとんど行わない。」という人の気持ちも、めちゃくちゃ分かります。
しかし、それでも「本当に、お前それで良いのか?」という内なる声は聞こえてくるわけです。
正直、僕の場合は、その時期ごとに考え方が微妙にズレるので、当分は「登るだけの限界」を強めに意識してみようかなという感じです。
具体的に登ったルート
・もずがね周辺のボルダーで、色々アップ。ワイドボルダーで、ちょっと面白いのがあった。スラブで、ボルト撤去済みの割と綺麗なラインがあった。
・スクラップ(5.11b、ハンド系) R.P.。4トライぐらい。
O.S.トライは、下部核心ができず。数回練習して、ムーヴ解決。エイドダウン回収。
2トライ目は、下部でフォールして、エイドダウン回収。
3トライ目は、下部は繋がるも、中間部の持久系セクションで、カムセットにモタついてダメ。上部のホールド確認がてら、トップアウト。(ここで登れなかったのは、我ながら痛い。)
4トライ目で、ようやくR.P.。
ムーヴ全解明してしまえば易しく、最後にヘッデンでトップロープ回収をしてみたが、全然問題なかった。
グレードはちょっと辛いと思うが、激辛とかでは無さそうなことが一日の最終便で再確認できたのは良かった。
色々、自分の取り組みを考えてみましょう。