2022年4月18日月曜日

トップアウトを目的化すべからず

ジムのリードで、クリップラインを間違える場面は、よくあると思います。

具体的には、6本目は右ラインのヌンチャクにクリップすべきだったのに、ついつい目の前にあった左ラインのヌンチャクにクリップしてしまい、このまま登ると危険(危険でないとしても相当なロングフォール)と考えて、テンションせざるを得なくなったというシナリオが典型的です。

さて、テンション後、他のホールド(周辺にあるルート外のガバ)を掴んでクリップを直し、そのままトップアウトしました。

この際、いくつかの懸念事項があります。
全て、よく見かける光景です。

①次のトライで、再び「うっかり左ライン」にクリップしてしまう。
 考えうる原因:
登りがアップアップで、「レストポイントで呼吸を整えて作戦を考える」という基本が出来ていない。(登る前は、「6本目は右ライン」と思って出発したはずなので。)
(リード全般の基本の欠如)

②次のトライで、右ラインにクリップすることは覚えているが、クリップ態勢が作れない。
 考えうる原因:
ハングドッグ中に、クリップ態勢まで含めて検証すべきだった。できれば、他のホールドではなく、そのルートのホールドでクリップすべきだった。
(R.P.戦略の基本の欠如)

③別のルートで、同じ間違いを頻発する。
 考えうる原因:
間違った原因を考察していない。あるいは、間違ってテンションとなり、登れるはずの1トライを無駄にしたことに、大した悔しさが無い。
(トライしているルートに限らない全般的なコツを見出そうとする心構えの欠如)

今回は、ハングドッグ中のクリップラインについて例示しましたが、色々な場面で共通する考え方だと思います。

考え方として最も重要なのは、③だと思います。
③を反省する人は、O.S.トライが得意になる可能性もあり、今後の練習方法の工夫にも期待が持てます。
ただ、やはり少数派です。

①、②を犯さないだけでも、ほどほどの難しさのルートを2〜3撃で登るタイプにはなれると思います。

つまり、
③を意識できる   → 上達が早そう。歳を取っても、細かい技術的な成長を楽しめそう。
①、②を意識できる → 実力範囲内のルートを短期間R.P.する力は高くなりそう。

といったイメージです。