2023年1月30日月曜日

3月の予約受付

1つ前の記事は、常々思っていることながら、アウトプットすることの少ない内容なので、自分なりに面白かったです。
登れないときの心理を俯瞰する、という話。

2月6日(月)の夜22時より、3月分の予約受付を開始いたします。

・先月同様、雪山とアイスクライミング講習は、あらかじめ予約相談をしておりましたので、ご理解ください。前日と翌日を休業にするためです。
・マルチピッチ講習が再開可能です。
・岩場リード講習は、湯河原と天王岩など東京近郊の可能性が両方あります。
・クラックリード講習、アドバンスクラック講習は、城ヶ崎を予定しています。

ではでは、どうぞよろしくお願いします。

登れなくてイライラすることへの考察

先日、講習生から
「パートナーが登れなくて、自分が登れたりすると、露骨に機嫌が悪くなって困るんです。どうにかなりませんか?」
という質問をされました。
まぁ、ショートルートでのクライミングあるあるですよね。

もはや、登山やクライミングの技術論・スタイル論ではなく、個人のメンタルの話で、私が講習生より詳しいかどうかも定かではない議題です。
しかしながら、自身の経験から思うところもありますので、少し挙げてみましょう。

登れなかったときに、本来考えるべきこと

A.決めきれない場合
O.S.やR.P.トライで決めきれなかった場合(1〜数回テンションすれば、ムーヴは全てできた)
 → 途中の省エネ、レスト、ヨレヨレになってからの土壇場の頑張り、様々な意味での戦略に改善の余地はあったか?
 →あったとすれば、それが出来なかったのは何故か?
(純粋に、思い付かなかった。トライ前からして、心構えがイマイチ。精神的にアップアップになって、冷静さが無かった。など)

B.ムーヴ、クリップ態勢ができない、繋げられそうな気配がなく近日中のR.P.が見えない場合
それでもハングドッグして、改善案を身体で実験していく。or一旦、封印する。

C.安全上に、問題があると感じた場合
クリップ態勢が危なっかしい。
ロワーダウン中に確認したら、カムが効いておらず、肝を冷やした。
落ちてはいけないセクションで、安定したムーヴが作れない。
 →そのルートをトライし続けるか?基礎を見直すために、何から練習し直すべきか?

D.ムーヴはできて、R.P.の可能性が見える場合
ホールド、ムーヴの要点、カムを決める場所や態勢、などの暗記。

次に、週末クライマーを例として、再訪までに何をすべきか?を考えます。
①翌週に再訪すべきか、一旦封印して、他のルートで基礎を学ぶべきか?
封印=逃げ、という思い込みも良くない。
一方で、十分にR.P.態勢なのに、トライ前のプレッシャーが嫌で逃げてしまうのも良くない。
このあたりのサジ加減も、試行錯誤が必要。

②再訪までに、何を練習しておくべきか?
・ストレッチ、走り込み、クライミングの補助的トレーニングなどのフィジカル面
・足置き、ムーヴの丁寧さ、フォーム、スタティックなどの基礎技術面
・オブザベ(こういうホールドの配置だから、こうするのが良いんじゃないか?という仮説立案能力)
・ジムで、似たムーヴを再現して、色々と実験してみること

講習で初級者を見ていると、
「ハングドッグで何故かパニック気味で、非合理な行動を連発してしまうので、まずはこれを直した方が良い。」
などということも多いです。

これらを総合的に考えて、再訪は来週末なのか、1ヶ月後なのか、来シーズンなのかを検討します。

パートナーが登れた場合の心理

A.ポジティブな反省
パートナーの優れた点から、自分のトレーニングに活かすべき点を考える。
特に、前述の「②再訪までに、何をトレーニングしておくべきか?」への検討材料になる。

B.嫉妬心
・パートナーが、自分より登れないと思っていた場合など、特に発生しやすい。
・男女パーティで、男性の方が筋力も強く、ロープワークなどのリスク管理も主導していて、女性が連れられ気味だったケースなどが典型。クライミングは、丁寧さ・冷静さ・柔軟性などが重要なスポーツなので、女性の方がO.S.やR.P.を決めることも、しばしば。
・男性同士で同レベルのパートナーが苦手というのも、競争心や嫉妬心が顕在化するのを恐れての行動。実際、冬山や本チャン系の山行では、リスク因子として無視できない。

C.不甲斐なさ
自分がダメなだけで、その課題が超難しい訳ではない、という事実が突きつけられる。
例えば、自分が5.10bを登れないとして、「もしかしたら激辛で5.11a相当のものを頑張っている自分エライかも。仮に、もう諦めたとしても、自分のメンタルがゴミな訳じゃないよね?」という言い訳を、自分自身に対して行っている。これが、パートナーが登れたことによって、「辛めかもしれないけど、まぁこんなもんだよ。」という事実が再確認される。

ベテランの心理

ベテランであっても、嫉妬心や不甲斐なさは感じているはずです。
ただ、いくつかの点から、それが緩和される傾向にあります。

①似た場面に何十回も遭遇しているため、自分の心理を俯瞰して見ることに慣れている。
②本来考えるべきことを、考察する能力が高い。
(初級者は、考察する能力が低いために、とりあえず再訪する、という判断に偏る。)

逆に言えば、経験が浅いうちは、
「いくらでも改善すべき点があるにも関わらず、考えても仕方ない嫉妬心や不甲斐なさに脳みそのリソースを割いてしまう。」
というジレンマがあります。

私自身を例にとっても、登山やクライミングを始めて10年未満の頃(例えば、20代中盤くらいの頃)と現在では、明かにベテランの心理に近づいていると感じます。

もちろん、加齢による競争心そのものの低下もあるでしょうが、多くの講習生が私より年齢が上でも嫉妬心や不甲斐なさに苦しんでいるのを見ているのも、興味深いです。

同様に、個人の性格によっても、そもそも嫉妬心を感じにくい人もいるようです。
登山やクライミングを通して、これが実現できれば一番良いとは思いますが、なかなか難しいですよね。
広く見れば、「本気で何かの趣味を目指すことで、煩悩を1つ減らして、悟りに近づく」という感じです。
オリンピック選手なんかを見ていても、ベテラン選手はそういう雰囲気も感じますが、若手は結構大変そうです。
我々一般層がどこまでそれを意識できることやら、という話でしょうか。

2023年1月24日火曜日

リードが得意、とは何か?

リードが上手くなりたいと思ったとき、フィジカル向上やムーヴ習得を考えると、ボルダーをやるべきなのは、一般的だと思います。
ハングドッグでムーヴ練習をする、というのが非常に効率が悪いため、「リードではムーヴ上達を期待するのではなく、その他の上達のためにリードを練習する」と割り切る方が良い、と思います。
(練習うんぬんではなく、単純にハングドッグしているルートをR.P.するため、という欲の話は一旦脇に置きます。)

では、その他が上達しまくった「リードが得意な人」とは、どういう状況なのでしょう?

一般的には、
・レストが得意
・持久力がある
・土壇場の頑張り、じっくり丁寧に登る慎重さ、などの駆け引きが上手い
・リードでのフォールに慣れている
などが挙げられます。

そして、これらはリードを練習する場合の目標になります。
ただ、目標とするには、あまりにもフンワリした概念ばかりで、練習に行き詰まりそうです。

練習に行き詰まると、闇雲に登れそうな課題をR.P.して塗りつぶしていく作業だけしかしなくなります。
それでも、少しずつは伸びるのですが、しっかり考えた方が弱点に対して網羅的に練習できるはずです。

そこで、目標を幾つかにブロック分けしてみます。

①完登率
仮に、同じボルダー能力の2人が居て、1人がリードが得意な場合、リードの完登率には大きな違いが出るはずです。
・O.S.率の違い
・R.P.までのトライ数の違い
・R.P.できる最高難度の違い

これについては、以下の例で考えます。
「ジムボルダー4級が50%一撃できて、3級がコンスタントに1デイで登れる人が、リードが得意になったと仮定すると、どこまでグレードを伸ばせる可能性があるか?」

まず、この人は核心部3級以上のルートをO.S.することは、ほぼ不可能です。
同様に、核心部2級以上のルートをR.P.することも、ほぼ不可能です。(めちゃくちゃ通う、という話は一旦置いておきます。)

・スラブ、凹角など、大レストできるタイプ
⇨4級が核心部のルートでも、直前が大レスト可能ならO.S.率が30%。
 5級が核心部のルートなら、90%以上のO.S.率。
 1〜2日間でのR.P.では、3級が核心部のルートがコンスタントに登れる限界。

・120°以上のハング
⇨4級が核心部のルートは、ごく稀にO.S.可能。
 5級が核心部のルートは、70〜80%を目指せる可能性あり。
 1〜2日のR.P.では、4級が核心部のルートがコンスタントに登れる限界。(例外的に、核心部3級が登れる場合もある)

これが、目指すべき最終形だと思います。
(上記の例で2級が核心部のルートを、死ぬほどハングドッグを繰り返してR.P.するというミラクルも存在し得ますが、今回の「リードが得意になる」という主題とは異なります。)

逆に言えば、ここに漸近してきた人は、リード技術の伸びしろが非常に小さい状態です。
練習の比率を、ボルダー主体にすることを一考すべきでしょう。

②リスク管理
・ビレイ(下部での際どいフォールに対応できる、ロープの弛みが絶妙、立ち位置の工夫が良い、自分より登れる人に対してもムーヴやクリップ態勢の予測をしている、など)
・手繰り落ちの可能性が低いクリップ態勢を作ること
・全般的に、安定感のあるムーヴであり、岩場でも安心したトライができそうなこと(これを意識的に練習しているクライマーは、超少数。最近は、プリクリやTRリハーサルが当然のようになってきたのも、ここに一因があるように思います。
・フォールに対する慣れ(フォール姿勢の上手さ、フォール距離の予測、ロープと身体との位置関係、などへの予測。ジムの場合、オブザベの段階で、かなりの精度で予測できるはず。)

③その他
・ビレイのロープを絡ませない
・ハングドッグの作法
などなど

で、①〜③に関して、何を伸ばしたいかを考えて、自分でメニューを組みます。
本気トライをすべきなのか、何かしらのメニューを行うべきなのかは、コーチが居ない限り自分で考える必要があります。

最後に、僕自身への当てはめ。
①で目指すべき最終形に相当漸近しているかもと感じつつも、まだまだ細かい伸びしろは感じています。グレードを上げるという観点では遠回りでも、①を意識することの価値はありそうです。

②は、「自分は安全だ。と思ったら、それがリスクの始まり。」という恐ろしいジレンマがあるので、生涯に渡って追求を止めることができない分野です。幸い、講習などでディスカッションする機会に恵まれているので、考える機会は豊富そうです。

③は、ジムではメインの練習内容では無いですが、作業形のクライミングでは意識しまくることになるので、常に心の片隅に置くべし、という感じです。

これって、ボルダーをやるからこそ、①〜③が相対化されて見えてくるという話でもあります。
講習生の皆さんは、とりあえずボルダーを楽しめないところからの脱却が第一歩でしょうか。

2023年1月12日木曜日

河又の順子ルーフ、一応は完登

1月12日(木)は、一人で河又へ。
先週も行ったのですが、寒さやら色々あって、バラせた部分が出来なくなっており、一歩後退。
本日の夕方、ようやく登れました。

※初登者のラインとトップアウトのラインが微妙に異なるため、「一応」自分の中では登れたこととします。

<具体的なライン>
第3部を越えてから、忍吉98のボルト1本目付近へクライムダウンを交えてトラバース。そこから何手か右へトラバースすると、忍吉98の右面に出る。ここが5.7ぐらいの脆い緩傾斜なので、浮き石に注意しながら慎重にトップアウト。
初登ラインの方が岩も綺麗だし、ラインが自然なのも理解していましたが、このぐらいじゃないと私にはフリーソロできませんでした。
この課題、とにかく凄いです。

クラックとボルダーをやる人は、やった方が良いです。
高さとか、最後のフリーソロパートとか、石灰岩洞窟の臭いとか、コウモリとか、脆い岩のセクションとか、足が遠のく要素もあります。

☆ルーフワイドあり(低いので、ご安心下さい。例によって、ヘッデン。)
☆ジムっぽいルーフムーヴあり(低いので、ご安心ください。)
☆天井チムニーあり(下開きチムニーで、ホールドがあるので、ムーヴは単純ではない。)
☆なるべく落ちたくない高さのセクション(ギブアップのフォールまでセーフぐらい)と、絶対に落ちられない最終セクションの考え方を分ける必要あり

全長25mという長大な課題です。
内容は三ツ星なんだけど、マイナス要素の減点は人による、って感じでしょうか。

僕は、通算4日目の本日に向けて、マットを3枚持ち運ぶために荷締め用のベルトを購入してしまいました。
まるで、冬山1週間の装備を持ったかのような、フラつきでした。
ただ、お陰で第3部もギブアップのフォールまでは許容できる状態になったので、一気にムーヴ解明が進みました。
3人でワイワイとセッションすれば、理想でしょうか。

ちなみに、2日目と3日目は、フリーソロパートの練習用にヘルメットを持参していました(笑)。
ところで、ボルダー課題をやるにあたって、何点か葛藤があります。

①亀裂が入ったホールドも、何度もバラしで触っているうちに、「さすがに剥がれないだろう」と、段々と大胆な荷重方向・荷重量で使うようになってしまう。

 →いつか事故を起こす可能性があるが、これを完全禁止することも難しい。当たり前だが、理想は「リスクがある課題は、少し実力に余裕を持った状態でトライする。」ことだが、今回はギリギリを攻めた感はある。

②バラしで、落ちる可能性が高い場所が決まってくると、そこ以外のマットを減らせるようになる。

 →これって、R/Xのルートをトップロープリハーサルしてから登るのと、若干似ています。一般のルートでも、落ちちゃいけないセクションをトップロープリハーサルして自信を付けてからリードするのと、若干似ています。「落ちたら事故だけど、ムーヴ分かっちゃえば落ちる気がしないから登る気になる。」というイメージ。
  僕は、落ちたら事故の場所では、自分が取りうるムーヴに対する「ものさし」をブレさせたく無いと常々思っています。クライムダウンできる範囲で探るのか、完全に見切って突破するのか、これが出来ないなら降りるべきという考えです。
  これって、理論上は単純ですが、自分の能力とか体調で正確な判断をするためには、「ものさし」を常々研ぎ澄ますのが理想という気がしています。少なくとも、悪い練習によってブレさせたくは無いのです。
  そこを考えると、ちょっとグレーな感じはするのですが、強調して意識するというマイルールを課して、実際にはマット位置変更を積極的に行っています。
  「PDぐらいのクラックで、恐々テンション掛けながらトップアウトしたら、次はムーヴが分かったらから行けちゃう。」のと似ています。トップロープリハーサルを自主規制したとしても、これだけは許容になってしまうけれど、注意して行うのが現実的かなぁと。

  同様の理由で、フリーソロパートの練習でヘルメットを使用しましたが、繋げトライではヘルメット無しというのも、若干は引っ掛かりますよね。まぁ、「ものさし」には全く影響しない気がするので、雪崩ビーコンやらファーストエイドキットみたいな純粋な保険と考えて良さそうです。
この葛藤って、この課題に限った話ではないのですが、今回は強制的に向き合わされた気がします(笑)。

ムーヴとリスク管理の関係は、なかなか奥深いものですねー。
ただ、しばらくはジムなどで比較的安全な課題を登りたい気がしています(笑)。

2023年1月11日水曜日

レイダウンスタートの楽しみ方

12月29日(木)〜31日(土)は、豊田にボルダリングツアー。
カメチヨと。
初日のみ、MJさん。2日目まで、狂祖さまが一緒に。
<久々の岩場で、存分に楽しむMJさん>

<痛風と腰痛を押して、とりあえず現地までは来た狂祖さま>

今回は、普通にフェース目的。

気になっていた桜餅(e、スラブ系)は、また敗退です。(12月29日)
名前不明の課題いくつか(下の写真など、2〜3級ぐらい)は登れました。(12月29日)
ムーンサルト(e、ハング下のトラバース課題)は、どうにか宿題回収。一応、このツアーの成果でしょうか。(12月31日)
ダイアモンドスラブ(d)は、また敗退。(12月31日)
<楽しいヒールフックの連続課題。1時間弱の打ち込みにて、完登。>

指や腕がヨレたときに、ふと歩き回れば割れ目があります。
課題と呼ぶにはチンケですが、低いだけにインバージョン(反転)の練習にはなる代物です。
<まずは、自分でルール設定>

まずは、ルールを決めます。
・スタートホールドを決める。
・シットダウンスタートにする。
・レイダウンスタートにする。(背中を付けて寝転ぶようにスタート)
・三点倒立スタート、逆立ちスタートもアリにする。

その割れ目が、ムーヴ的に面白くなりそうなルールを決めます。
ルーフクラックで、インバージョンからの戻りムーヴをイメージすると、色々とアイデアが湧いてきます。

写真のクラックだと、SD(シットダウン)スタートにすると、右側にテラス状のスタンスがあることも手伝って、普通のレイバック課題になりそうですね。
<今回は、レイダウンスタートを選択。>

次に、身体を起こすムーヴをオブザベします。
スタート姿勢自体は、ルールを自分で決める以上は想定できていることが多いので、ここが唯一の未知との戦いになります。

当然、厚いマットを敷くと大幅にスタートの高さが変わってしまうので、
・マット無しで取り組むか?
・薄手のマットにするか?
・スタートしてからマットを引っ張って頭の下に敷くか?(パートナーに押し込んでもらうか?)
といった選択も、面白いところです。
<狂祖さまは薄手のマットを選択、ニーロックを決めて離陸!>

あとは、スタート直後にインバージョンの解除ムーヴに入ることもあれば、インバージョンのまま50cmぐらい進んでから解除ムーヴに入ることもあります。
(発表された課題や、リードのように、インバージョン部分が長くは無い。ただ、それでも結構面白い。)
<この課題は、スタート直後にホールドが出てくるので、入門的>

オススメポイントを挙げます。

・岩が密集しているボルダーエリアなら、かなりの高確率で発見できる。
・指や腕が疲れないので、トレーニングとして良好。ジムボルダーで指が疲れてからスローパー課題をやったり、スラブや凹角課題に転戦するのと似ている。
・ツアー中のレスト日に、軽めに数回遊ぶくらいはやっても翌日のフェース系の本気トライには影響しにくい。
・家で腹筋するより楽しい。
・ルーフクラックの貴重なオンサイトトライに備えて、テクニック習得になる。
・経験上、「クラックを集中して練習しよう!」と思い詰めると、擦り傷が酷くて耐えられないので、フェースの合間に余興的に挟むのが心地良い。

<ルーフクラックが少々高さがあったため、逆立ちスタートでトライする私>

マイナスポイントも挙げましょうか。

・いつ何時、割れ目に出会えるかが全く想定できないため、原則的にフェースとクラックのどちらにも対応できる服装で岩場に向かわねばならない。
・人がいるボルダーだと、奇異の目で見られるか、尊敬の目で見られるかは、運次第。
・少々汚れる。
・少々の掃除道具を、ボルダー装備の中に常備したくなる。
<逆立ちスタート、トライ失敗>

<逆立ちスタート、一応トライ成功>

この練習方法は、野猿谷で用語化された「ハサマリング」の延長です。
地上1〜2mだけが被ったワイドは、SDよりもレイダウンの方が面白くなることが多い、という経験則から、この練習方法に至りました。

やってみると分かりますが、どこまでアリなの?というルールの明確化が難しく、一般化したゲームにはなりづらい印象です。
SDスタートにも多少そういうところがあるので、何となく想像いただけることでしょう。
ノーハンド課題と同じく、あくまで余興を兼ねたトレーニングかなと思います。