GW後半戦、5月3日(水)は野猿谷。
狂祖さま、STさん、Mさん、そしてS本先生。
<反転しているのは、“無双”中のS本先生(byセカキタ先生)>
ボルダリングのマットは、どこまでアリか?
という、考えても結論が無い話題があります。
マット無しでやっている方々を思うと、「どんだけショボい議論を真剣にやるんだ?」という気分になりますが、実際問題として考えざるを得ないと感じます。
<S本先生と狂祖さまにコツを伝授され、ジャンプ気味のマントルの意味が少し分かった私>
観点①
マットの上からスタートすると易しくなる場合は、マットは地面からズラして地上の高さからスタートすべし。(マットは、リードクライミングのロープと同じでムーヴの補助にしてはダメ、という考え方。)
⇨
・上の写真のマントル課題は、トポにもその旨が明記されている珍しい課題です。
・レイダウンスタートする課題とかは、ほとんど影響がデカい気がします。
・一番困るのは、影響が大きいのでマットを外したいんだけど、それで出だし落ちするとマット外に落ちて捻挫しそうな課題。まぁ、マットを外して登れないなら、封印すれば良いと思いますが。
<一番下のハンドジャムスタートで、サクッと登られるS本先生。「流石ですねー」と、言わずにおれない我々。>
観点②
マットの枚数、スポッターに制限(自主規制)を設けるべきか?
→ここが最もスッキリした回答を聞いたこともなく、「じゃぁ結局は曖昧なグラデーションで良いよね。」と思っています。
つまり、僕自身は「いくら使っても、ダメということは無い。」というものです。
ただ、なんとなく自主規制した方が良いなぁと思う理由が、2点かあります。
①自分で背負っていける枚数
アプローチが近いエリアなら2〜3枚は行けますが、ちょっと厄介な場所だと1枚+サブマットで何とかしたいです。まぁ、ノーマットなら登山や沢登りの途中でも遊べると考えると、グラデーションを感じます。
②リスクマネジメント意識
落ちる場所の予測、落ちる態勢の予測、落ちてはいけないセクションを戻れる範囲で行きつ戻りつする能力、などを考える習慣付けとしては、マットの枚数は少ないほど練習効果は高まります。ただ、かなり注意深く取り組む必要のある課題だと、結構な枚数のマットがあっても結局はリスクマネジメントを強烈に意識します。
※ある程度安全な課題だけを選んでマットを沢山使うのであれば、思考停止に陥る人もいるかと思います。まぁこれは、トップロープリハーサルとかチョンボ棒問題と同じ構図ですかね。
<同じ課題を、執念で完登するSTさん>
一方で、現実問題として以下があります。
③セッションするなら、マットの枚数の自主規制なんぞ、個人の変わった趣味に周りを付き合わせることは事実上無理。
④セッション効果やマット枚数が増えてジムっぽく登るのも、これはこれで楽しく、練習効果も感じる。
⑤スポットやマット移動など、ご好意でやってくれているものは、ありがたく受け取りたい。特に、背中側から落ちそうなときは、大変助かる。ただし、下地の悪い課題で「スポットいるから!(安心して突っ込んで!)」と言われても、到底信用できずに、ギブアップフォールしたことも数々。(僕が、デカいし重いのもある。)
<ヨレヨレでも、叱咤激励を受ける狂祖さま>
で、2日前のシューリンガンで、
「途中でギブアップする場合は、スポッターに補助してもらって降りる。」
というスタイルまで許容して、完登しました。
本日の宿題「ファンキーモンキー」では、さらなるスタイル妥協を考えて来ました。
課題の状況
・地上2.5m以上の6番サイズのクラックに対して、インバージョン(上下反転)でのムーヴしか、可能性が見出せない。
(一般的には普通に登れるようですが、体格的にインバージョンの方が可能性があると感じます。)
・すでに一人で2日間トライしており、たまに人と登るチャンスに、スタイル妥協してみようかなと考えていた。
<ファンキーモンキーにトライする先生>
具体的なアイデア
・男性2人に、マットを神輿のように背負ってもらい、マットの高さを1.5mほどにする。
→流石に、思い切りは落ちたくありませんが、「万が一落ちたときの怪我リスクの低減」、「ギブアップフォールの許容度向上」という2点は期待できます。
<山梨に移住して、さらに精悍なお姿に>
結果
・登れず。この課題に限っては、そこまで安心してトライできるものでも無いです。
・1トライ毎に、「お二人、お願いしまーす!」と呼び出すのが、打ち込むレベルの課題だと現実的ではないです。
・マットが1.5m上がっている状況が、自分で見ていても、流石に悲しい気持ちになりました。マットを20枚集めて敷き詰めるとか、課題毎に特注のマットを作れば、限りなくジムボルダーに近づけることはできるでしょうが、そうなると「そんなことするなら、岩場に来んじゃねーよ。」と自分自身を蔑むことになりそうです。
<ファンキーモンキーを、インバージョンせずにトライする私>
<ファンキーモンキー 、インバージョンで敗退。マット神輿あり>
という訳で、このスタイル(男性2人がかりでのマット神輿)は、今後別の課題をやるときも無しと結論付けました。
僕がスタイルについて考える時間が多いのは、「色々とズルい方法を考えるのが性格的に得意だから、自主規制しないと腐りがち」という一面もあると再認識しました。
<で、この日は誰も登れず>
<折れそうな根っこを掴み、ものすごく心配される私>
<トリックケーヴ(2級)にトライする私>
<本日は、登れず>
ベースが自分に厳しい人なら、さほど考えずとも「割とまとも」なスタイルとかリスク管理の意識に落ち着くんだろうなと思います。
僕自身もそうですが、講習生の大半も弱い人間なので、自主規制しまくらないとダメなタイプでしょうねー。
それゆえに、意識しまくっている点は、他の人より詳しい場合もあるのですが。
<S本無双>