2012年4月24日火曜日

色々な初心者?

4月21日(土)は、城ヶ崎にてクラック講習。
今回は、男性STさん発信の公募により、男性OSさん、男性WNさん、女性ODさんと、4名の参加。
最初、駅で集合した際、全員が自己紹介。
みんな「初心者です。」って言っておりました(笑)。

今回、カムを購入して来てリードを習おうという人から、岩場初体験の人まで。

まあ、講習を受けてリードを習おうって時点で、たしかに初心者なんですが、色々な初心者がいますよね。
僕もブログなどで自分で行けるレベル以前の人を総じて“初心者”と読んでおりますが。
ちなみに、このクライミング業界、どのくらいまでが初心者なんでしょうか?
どうでも良いことですが、僕は仕事柄で一定の基準を設けています。

たとえば、
「同じお客様を、僕の気分で初心者と呼んだり中級者と呼んだりするのは、あまり良くないかな」
と思っていたり。

「お客様はほとんどの場合初心者or初級者と考えたとき、いずれ自立してから中級者になるまでにどうすれば良いのかのヒントを与えたい!」
などなど。
以下が目安です。

①スポーツクライミング(岩場)
素人さん:岩場初めて、トップロープにも不慣れ。
初心者:リード不可、練習中。
初級者:リード可。5.10~5.11をR.P.くらい。
中級者:5.12~5.13前半をR.P..くらい。
上級者:5.13後半以上。
エキスパート:プロクライマー級の人々。

②クラック
初心者:リード不可、練習中。
初級者:5.8~5.10をR.P.くらい。
中級者:5.11~5.12前半をR.P.くらい。
上級者:5.12後半以上。
エキスパート:DVDとかに出てくるような、最難クラスのをやる人々。

③マルチ
初心者:リード不可、練習中。
初級者:自立して入門ルートで練習中。(錫杖の左方カンテ、一ノ倉沢南陵、小川山のセレクション、大貧民、などなど)
中級者:ちょっと難しいと言われるルートにチャレンジ中。(錫杖の注文の多い料理店、海金剛のスーパーレイン、ミズガキの調和の幻想、ベルジュエール、などなど)
上級者:5.11以上が複数ピッチ出てくるようなマルチ、もしくはアルパイン要素が強くて難しめのマルチに行く人。
エキスパート:日本最難クラスを作ったり、海外のとんでもなく長いビッグウォールフリーをやる人々。

④アルパイン(冬期)
初心者:リード不可、練習中
初級者:自立して、入門ルートで練習中。(八ヶ岳の岩稜シリーズ、残雪期の雪稜、などなど)
中級者:やや難しいと言われるルートにチャレンジ中。(宝剣の岩稜シリーズ、冬期の北鎌尾根、など)
上級者:色々な意味で、オールラウンダーじゃないと行けないルートにチャレンジ中。(錫杖、一ノ倉などの冬壁登攀、黒部横断、パチンコ、などなど)
エキスパート:ギリギリボーイズの人々など。

僕自身、ようやく中級者くらいのものと、得意なものは上級者に掛かっているかも、ってものがあるくらい。
ホントは、何でも上級者ならカッコ良いんですけどね(笑)。
ちなみに、ジムとかボルダーの場合はグレードくらいしか区切る物がありませんね。
クライミングがどんなものか分かってくる初級者が、5.10c、6級くらいだとすると・・・。
5.12、3級あたりが、中級者の入り口かな?

ジムによって、グレードにばらつきがありますが。
草コンペの“ミドルクラス”ってのが、その名も中級者を表している気もしますね。
そういう意味では、クラック初心者の皆様。
他の意味では初心者じゃなかったりします(笑)。

STさん、OSさんは、ボルトルートはリードできるし、ジムでは4級くらい登れたり。
WNさんに至っては、岩場初めてで、リードも知りませんが、ボルダーは3級を登れたり。
さらに、ODさんはガイド登山ながら、ちょっと難しいマルチと言われる“スーパーレイン”に行ったことがあったり。

経験の積み方は、人それぞれですねえ。
今回も、それぞれレベルはバラバラ。
全く別の成果がありました。

STさん、OSさん:カムの使い方の基本は理解できたと思います。

※できれば、もう一回。オンサイトトライの準備やカムセットの難しいルートでの講習を受けていただくと、安心して岩場に送り出せます!

WNさん:初めての岩場に、とにかく大興奮。ジャミングにも大興奮。そして、持ち前のボルダー力で、ガンガン飲み込みます。

※来月、リード講習を受けていただきましょう!

ODさん:カムの仕組み、ジャミングの種類を少しずつ増やし、5.8を2本トップロープで登れました。

※前回登れたネッシーが登れなかったことだけが、心残りみたいですね。また次回。
具体的な講習内容
<STさん、OSさん>
ひたすらカムセット練習。
疑似リードして、私がチェックする方式。
Ⅲ級、Ⅳ級、鬼ごろし(5.7)とチェック後にリードしていく。
ネッシー(5.8)は疑似リードのみ、パープルシャドー(5.8)は、初回からリード。

<WNさん>
・ハンドジャム、フィストジャム、フットジャム
・カムの仕組み
・アームロック

<ODさん>
・ハンドジャムを横向きにする方法(フィストを潰したような形)
・カムの仕組み
ちなみに、講習生というのは初心者・初級者としては、かなりテクニックを持っている方です。
講習を受けていますから、逆に言えば、そうじゃないと困りますよね。