2015年6月8日月曜日

登れない場合の奥の手

6月7日(日)は、クラックリード講習にて、湯川。
女性STさん、女性KIさんの2名。
<ジャミングを引きつける練習>

講習で、5.8くらいを何本かリードしている2人。

その2人に、オンサイトorフラッシュトライとして、それぞれ

STさん:無名フィンガー(私の体感で、5.9+)
KIさん:フォーサイト(5.10a/b)

をやっていただきました。
<ジャミングボルダー>

こちらの読みとしては、1撃できる可能性、10%くらい。
という課題です。

「テンション掛け掛けでも、リードでちゃんとトップアウトできれば。」
と言っているヤツですね。
<カムセット練習>

で、STさん、1テン入るまでは相当良いトライでした。
何度も足を滑らせながらも、下部核心を突破!

核心越えたところで、バチ効きのカムをクリップし、安心したところでテンションコール!

「えー!?行けますよ!ガンバガンバ!」
という声援むなしく、テンション断行(笑)。

本来的は頑張りどころなんですが、初心者のうちは、メンタルコントロールも不慣れだから仕方ない部分でしょう。

という訳で、ここまでは上出来です。
<デゲンナーで落ちる練習>

が、1テン後は、敗退したいオーラが漂います。

中間の易しいセクションを抜けて、上部核心でテンションした後は、ちょっとメンタルも不安定だったように思えます。
普段のジムでやっているように、ハングドッグすれば良いのですが。

ただ、結果的には1ムーヴだけ割愛しただけで、テンション5~6回ぐらいでトップアウトできました。
めでたし、めでたし。
<同じく、落ちる練習>

さて、ここからが反省のしどころ。
1テン入った後、どういうことを考えれば、メンタルを平静に保てるのか?

復習のために、ちょっと整理してみます。
<フォーサイト(5.10a/b)>

①次のR.P.トライに繋げる

できれば、テンション掛け掛けトップアウトであっても、全ムーヴ(特に、核心っぽい箇所)を解決しておけると良い。

※ハングドッグのスタイル上の反対意見は、とりあえず置いておいて。
<頑張ってトップアウト>

②カム残置を避ける

ムーヴ解決できない場合、トップアウト出来ずにカムを残置する可能性がある。
この場合、次にトライする人の邪魔になるなど、ちょっと面倒な展開になる。

そこで、
・ムーヴ解決できない箇所は、A0混じりでも突破して、とりあえずトップアウト
・カムにテンション掛けつつ、クライムダウン&エイドダウン回収
・上から回れるルートであれば、懸垂下降などでカム回収

といった、奥の手を用意しておきます。
<無名フィンガー(5.9+?)>

ちなみに、今回2人に紹介した奥の手いくつか。

・テンション中に、カムをセット。
つまり、カムセットムーヴの割愛。

・テンションから再開する際に、ちょっと上からスタートする。
つまり、1~2ムーヴ割愛する。
実質的にA0と同じだが、トップアウトのために止む無し。

・下部で使ったカムを回収するために、ロワーダウンして、再度もどるためにポンプアップする。
ポンプアップと言っても、初心者ルートは垂直以下が多いので、易しいことが多い。
<下半身も、少し上手くなった?>

こういう奥の手って、あればあるほどリードトライのメンタルは楽になると思います。

「まぁ、最悪~~すれば良いし。」
という、バックアッププランですね。

これから、沢山のリード経験を積む際に、色々な小技を習得していってください。
そうやって、リードで本気トライすることに、精神的な余裕が出てくれば、マルチも楽になることでしょう。
<夕方、フォーサイトに2トライ目>

具体的な講習内容
・ジャミング練習
(捻ると引き付けにくいので、避けたい。最低限の膨らませる力に留める意識。)
・ボルダー練習
上体を起こすと、次のホールドが近くなる

・地上でのカムセット練習
・カムで落ちる練習
・実践本気トライ
STさん:無名フィンガーをトップアウト(1ムーヴのみ割愛)
KIさん:フォーサイトをトップアウト(カムセットのみ、一部割愛)。2トライ目は、ヨレにつき下部敗退。

さて、本日にて2人ともクラックリード講習は卒業といたしました。
STさんは、意外と短い期間でしたね。

まずはコツコツ、5.8~5.9あたりを登り込んでいけば、確実に上手くなりますよ。