10月21日(水)は、岩場リード講習にて、小川山。
女性OGさん、新潟からの新規女性NBさん、復習参加の男性NMGさん。
久々の技術ネタです。終了点作業の、結び替えの話。
テンションコールをしてからセルフビレイを外す、という方法が一般的だと思います。
懸垂下降のセットでも、似た方法をよくやります。
懸垂下降するロープにテンションを掛けてから(しかも、ブレーキハンドを持った状態で)、セルフビレイを(片手で)外す、という方法。
※こちらは、省くベテランも多いので、一般的とまでは言えない印象。
これは、どういう意味があるでしょうか?
<スラブをやりたかったNMGさん>
その際、テンションコールすると、クライマーは下から引っ張られることになります。
「そんなアホな話。」
と、思うかもしれませんが、通し忘れの事故例はあります。
リードなら、最終プロテクションのお陰で命ばかりは助かりそうですが、トップロープ回収なら死んでますね。
実際、当塾講習生でも、自分で岩場に行った際に以下のヒヤリハットがあったそうです。
①結び替えを終えてテンションコール
②セルフビレイを外そうと思っても、自分が下に引っ張られて外せないことに気付く
③つまり、通し忘れていることに気付く
そこで、
「ロープにテンションを掛けて、それによってセルフビレイを緩ませ、それからセルフビレイを回収する。」
という予防策が出て来ます。
これを、講習中は“テンションの移行”と呼ぶことにしました。
(たしか、講習生の誰かが使い始めて、それが便利なので使ってます。)
これなら、ロープでのビレイが確認済みなので、相当安心です。
ちなみに、
“セルフビレイには、なるべくテンションを掛けておく”
という前提もあります。
そうすることによって、テンションがセルフビレイからロープに移行したのが、分かりやすくなります。
(セルフビレイが緩むのが、確認の証拠になる)
また、
「足場の良いテラスで、ロープが絡んだのを解く作業中などに誤ってセルフビレイを外してしまった。」
という事故例もあります。
足場が良かったからこそ、セルフビレイにテンションを掛けていなかったのですが、テンションを掛けていれば解除は難しかったのでミスしなかったでしょう。
でも、足場が良いテラスで、常にセルフビレイにテンションを掛けておくってのも、現実的と思えません。
そういう意味で、セルフビレイにはテンションを掛けておく、ってのもルール化は難しいでしょう。
「必ず、やりましょう!」
とは言えないのですが、このチェック方法を標準にしておくと、こんなメリットも感じています。
足場やセルフビレイの長さの都合で、テンションの移行を省くときは、ものすごく慎重に目でチェックするようになる。
長いクライマーは、ある程度はやっている方法でしょう。
それでも、意識するとベターだと思いますよ。
具体的な講習内容
・スラブのムーヴ講習
・ATCを落とさない方法(NBさん)
・トップロープでの練習(OGさん、NBさん)
・疑似リード(OGさん、NBさん)
・リードで落ちる練習(OGさん、NMGさん)
・実践本気トライ
NMGさん:かわいい女(5.8) オンサイト(?)
Song of Pine(5.8) オンサイト(?)