2016年5月16日月曜日

ボルトから何メートル離れて良いの?

5月13日(金)は、岩場リード講習にて、小川山。
NS夫妻、復習参加の女性KIさん。
<快晴ですね>

NS奥さまの本気トライにて、ボルトラインから2~3mと大きく逸れて、ほとんど隣のルートに入ってしまいました。

講習に限らず、あるある話ですよね。

「下で考えたラインと違うところを登っても良いんですが、落ち着いて登るようにしましょう。
ボルトから離れると危ない場合もありますんで、落ちそうでもボルトから近い方が良いときもありますよ。」

というのが、講習的にはメインでした。
実際、ちょっと焦り気味だったので。
<スラブのムーヴ練習>

ただ、初心者あなどるべからずで、核心的な質問が今回も出て来ます。
「これ、登ったことになりますか?」

取付からボルトに経由しつつ、自分なりに弱点ラインを探して登りきった。
という意味では、完登ですよ!
もちろん、フリークライミングという意味でも、テンションもしていないのでO.K.。
<地上でのロープワーク講習>

ただ、ボルトを打った人が登ってほしいラインからは外れているので、“~~”っていう名前の付いたルートを登ったことにはならないでしょう。

今回の場合、NS奥さまが選んだ弱点ラインは、2~3mも離れた隣のボルトルートでしたから、
「そりゃ、ダメじゃない?」
って話です。
ちなみに、NS奥さまとは反対方向に、ボルトを1.5mくらい離れたラインが、初登者が意図したラインだと思います。
ボルト近くを直上ではないので、初心者には左右どちらか迷うのも納得。

※弱点ラインの1m横とかに意図したラインがあったりすると、「限定されている感」が強くなるので、設定者に文句を言いたくなる気持ちは分かります。
実際、人によってアリナシが分かれたりして、難しかったり。
ちなみに、ジムじゃないので、そこまで求めるべきじゃないという話もあります。とはいえ、再登者が大事だという話もあります。
スタートが決まれば、自然と終了点に導かれるようなラインが理想ではあります。

でも、実際の岩って、あみだくじ状に弱点ラインが交錯していたりします。
特に、初心者レベルの5.8~5.10くらいのスラブっぽい壁ですと、よく見かけます。

そんな訳で、
「2本目のボルトまで左ルート、そこからトラバース気味に、3本目のボルトから右ルート。」
みたいなことも可能だったりします。

「いや、むしろそれこそ弱点を付いた美しいラインなのでは?」
と思うときもチラホラ(笑)。
で、それはクライミングとして、アリ?ナシ?

それは、再登者である我々が、ラインを登りたいのか、設定された課題を登りたいのかにもよります。
個人的には、よっぽど限定っぽくて理不尽に思わない範囲なら、ボルトルートは設定されたラインを登るようにはしています。
<落ちる練習>

初心者には、とても難しい話だと思います。

最初に、岩を見てラインが複数読めます。
次に、ボルトを見て。

「たぶん、この辺のラインを登れって意味なんだろうな。」
と読み解く。

つまり、何メートルまでO.K.とかいう話じゃなく、このラインは初登者的にアリかナシかを読み解く作業になります。
<オーウェン>

僕自身、ボルトルートの開拓経験ゼロです。
でも、こうやって意図を読み解くことは、やらざるを得ないと思うんですよね。

しかも、講習生のような初心者であっても、やるしかないと。
<ウルトラセブン>

岩場リード講習では、まだボンヤリかもしれません。

でも、クラックリード講習、マルチピッチリード講習と進むと、ラインを読む発想が現実味を帯びてくると思いますよ。
<このあと、迷いに迷う奥さま>

具体的な講習内容
・スラブのムーヴ練習
・リードで落ちる練習
・立木での懸垂下降の地上練習(NS夫妻)
・実践本気トライ
KIさん:穴があったら出たい(5.10a/b) オンサイト
    オーウェンのために祈りを(5.10c) 上部フラッシュ?(下部は、落ちる練習に使用)
NS奥さま:かわいい女(5.8) 上述の通り、設定とは違うラインでオンサイト
NS旦那さま:かわいい女(5.8) 暗くなってしまい、1クリップまでで敗退