5月14日(土)、15日(日)は、マルチピッチリード講習にて、小川山。
女性HKさん、女性KIさんのペア。
<懸案の1ピッチ目>
1ポイントのルーフ越え(といっても、正確にはルーフ巻き)があります。
そこから、5~10mくらい先に立木もあったのですが、ルーフ越えでロープがクラックに挟まってしまい、それ以上登れなくなってしまいました。
<ルーフ抜け口に、ロープがスタック>
何度か前進を試みるも、上手く行かず。
垂壁部分もなかなか難しく、ロープに下から引かれることで、さらに恐怖倍増。
このとき、本人の頭の中では、敗退か前進しか思いつかなかったのでしょうか。
<後半の垂壁部分(やや傾斜の寝たクラック)>
「ルーフを越えたところで、ピッチを切っても良いですよ。」
と助け舟。
「ただし、(そこの垂壁部分で)バッチリのカムが複数個とれるなら。」
<シャクナゲ>
で、そこでピッチを切って、後半の垂壁部分をHKさんのリードに委ねることに。
<今度は、プラスの興奮気味>
ハンギングビレイの“講習生あるある”なんですが。
<数々のドラマを産んでます>
足場が悪いから、ビレイポイント作りにも心に余裕が持てなかったのでしょうね。
「一刻も早く、セルフビレイ!」
「一刻も早く、この場から抜け出したい!」
という心理で、スッキリしたビレイポイントとは程遠くなっていきます。
<天空のボルダー?>
でも、現場だとまず1個目にクリップしたくなります。
それがハンギングだと、是非ともセルフビレイ。
慎重な人なら、そこも2個?
<気持ち良い>
仕方ないと思います。
特に、“セルフビレイのうっかり外し”なんかと違って、致命的ではありません。
失敗した数だけ強くなる、ってので良いと思います。
<完登!>
そこで、こういうことが多い初級者に、私なりのアドバイスをすると。
<まさかの登り返し練習になった、空中懸垂>
スピードが要求されるようなルートには、当面は行かない。」
<2日目>
が、講習生限定で言うなら、
「当面、ショートルートで色々なトラブルを経験してもらって、マルチ講習を卒業するくらいまで、なるべくマルチは仲間内で行かない方が・・・。強い人に面倒見てもらって行くなら、まだ分かるけど。」
といったところ。
<チムニーっぽい>
しかし、2日目の昼にも若干のパニック発生。
プロテクションが悪い状態で突っ込み過ぎてしまい、クライムダウン出来なくなる恐怖・・・。
今度は、それでメンタル崩壊してしまい、午後はずっとイマイチ。
終始、気遣われながらのクライミング。
<2ピッチ目>
しかも、敗退が難しい本チャンだったりしたら、本当に死ぬ確率がリアルです。
<メンタルチムニー>
ただ、それはダメなことだと自覚して、先読みを頑張ったり、リカバーに努めたり。
そういうもんですよね、特にマルチから先の世界は。
<夏のよう>
なんとなくの感想ですが、春くらいから質問内容が本当に変わって来たと思っています。
僕から講習するというよりも、本人が聞いてくる内容に沿って話を進めて行けば、自然と講習として形になるという感覚でした。
<トップアウト!>
という気持ちにもなりました。
<本日も、良い岩峰でした>
でも、あえて言いましょうか。
かなり、良い感じになっていると思いますよ。