2020年8月6日木曜日

セルフジャッジ

7月18日(土)は、雨にてロープワーク講習。
NSさん夫妻。

7月19日(日)は、ムーヴLv.0とリード講習3回目。
復習参加の女性HNさん、男性KYさん、MHさん夫妻。
これにて、KYさんと、MH奥様は、ジムリード講習を卒業といたしました。
本日の講習とは関係ないのですが、よくジムなどで話題になる話。

・手足限定課題で、他のホールドに触れてしまったとき。
・左壁なし、カンテなし、などと書いてあるのに、触れてしまったとき。
・ボルダリングのスタート周辺で、マットに擦れてしまったとき。

あなたは、どうしますか?
①ルール上、使ってはいけない(無いと仮定して登っている)ので、アウト。
②他にホールドが付いているんだから、仕方ないので、セーフ。(コンペや岩場なら、そもそも付いてない。)

それぞれに言い分があります。
「コンペじゃないし、岩場で~~を完登した!と他人に発表するわけでもないので、厳密にやる必要はない。」
という意見もあります。
(知り合いには「登ったよ!」と言いたいと思うので、程度の差こそあれ発表しているという考えもあります。)

「長い課題だと、ちょっと触れたぐらいでトライを辞めたくない。」
という気持ちも分かります。
僕も、オンサイトトライなどのときに、痛感します。
反対に、こういう場面も見かけます。

「できないムーヴを何度も練習して、あるとき他のスタンスに荷重してしまい、そのお陰で突破できてしまった。」
ハングドッグもボルダー課題も、マット擦れも左壁も、同じです。

この場合、「そのムーヴ練習は、何のためだったのか?」という疑問が生まれます。
回答①
「そのルートを、完登するため。」

回答②
「そのムーヴを習得した、という達成感を味わうため。」

回答③
「将来、似たような手足の配置が出てきたときに、対応できるようにするため。」

さて、どうでしょう?
①だったら、甘くジャッジして欲しいというのも分かります。

しかし、あなたが上達したいと考えてクライミングをしており、そのムーヴ練習が③だったら?
今まで10回、20回と同じムーヴを練習し続けたあなたの努力は、結実しないまま、その課題を立ち去ったのと同じになります。

素人さんがテンション張り張りのトップロープで「突破できた!」と言っているのと同じで、ムーヴが上手くなる可能性を感じません。
ここで1つ、妥協案があります。

疑惑のステップを踏んだとき、それがどれだけバランスに影響したかをセルフジャッジするという方法です。
同じく、マットに擦れたとき、それがどれだけ振られを止めたかセルフジャッジするのです。

もちろん、初心者には難しいと思います。
ただ、これを追求することは、「なぜ、ここに荷重されると、ムーヴが楽になってしまうのか?」を考えるきっかけになります。

つまり、セルフジャッジする習慣自体が、ムーヴの勉強だという考え方です。

この話に限らず、岩場クライミングも、セルフジャッジが多いですよね。
「エキスパートが、超厳格派」とも限りませんが、「強いのに、超ゆるゆる。」ということも少ないと思います。

厳しめにするメリット、デメリットを考察すること自体が、面白いと思うんですが、どうでしょう(笑)。