6月7日(木)、8日(金)は、三ッ峠にてマルチピッチリード講習。
常連女性TZさん。
先月、風邪を引きながらも小川山で様々な経験を積んだTZさん。秋には、小川山でマルチピッチデビューする予定です。
(講師がフォローする、という形式で)
今回で、マルチピッチの段取りを少し物にしていきたいところです。
「初日にマルチ2本トップアウト、2日目にマルチ2本トップアウト」
と、私の方で目標を設定しました。
まずは、初日の1本目。
「今まで登ったことのないラインから登りたい」
との御希望でしたので、好きなところをリードして頂きました。
(トポ無視)
小川山でのカム抜けが堪えたのか、今回はカムセットが慎重そのもの。
時間を掛けて、安全なクライミングが出来るようになって来ました。
2P目は、ルートファインディングを誤り、困難なピッチへ(Ⅴ級くらい)。
まあ、ダメなら敗退すれば良いわけですから、私は黙って見守る方向です。
途中で疲れたため、このピッチを2回に分けてリード成功!
また1つ、Ⅴ級ピッチのリードを重ねました。
テラスでピッチを切ったのが、勝因でしたね。
まだまだ気の抜けない2ピッチを越え、5時間半でトップアウト!
時間こそ掛かりましたが、安全度、ルートの難易度という意味ではナイスクライミングでした!
もはや疲れ果てて、夕方はロープワークをやって終了。
2日目は、暑いくらいの晴れでスタートです。
まずは、去年もリード講習でテンションを掛けたラインでスタート。
去年より、カムセットが慎重なので、かなり安心してビレイしていられます。
「(今より登れない頃に登れたはずなのに・・・)今回も苦労したぁ」
との泣き言もありましたが、それは多分、去年よりも怖さを知ったのでしょう。
アップした実力は、慎重さに回されたので、御安心あれ。
で、このラインは4時間ちょっとでトップアウト。
やっぱり、慣れたラインだと早い。
このペースなら、1日2本も可能性アリです。
とはいえ、暑さと疲れでグロッキー。
そこで、午後はマルチピッチ体験と同じく、講師リードでのフォロー練習。
カムセットの方法、ビレイ点の作り方。
ある程度慣れたからこそ盗める技術、というのを見つけて欲しい。
しかしながら、久々のフォローでTZさんもそれなりに緊張!
すぐに盗むことは難しそう。
だからこそ、時々フォロー練習も混ぜた方が良さそうですね。
そして、最後の懸垂下降では、
・残置支点のチェック
・セルフビレイを取る場所
に課題あり。
次は、懸垂下降のトップが任せられるように、残置支点の使い方や補強方法も講習していきましょう。
具体的な講習内容
☆実践練習は、上記の通り
・浅打ちしたハーケンへのタイオフ方法(片手で出来るパターンも含めて)
・水平クラックへのカムセットについて注意点
・リード中にやってしまった危ういロープワークについての反省いろいろ
・難しいピッチは、短めにピッチを切ると楽になる良い理由
・ルートファインディングは、少し動き回って行った方が正解しやすい
☆ロープワーク
セカンドがトラブル(怪我、登れない、など)を起こした場合の対処方法
①ロワーダウン
②登り返ししてもらう
③テンションが緩められない状態からのロワーダウン(ルベルソ解除)
そろそろ、トラブル対処方法も複雑なロープワークが入ってくるレベルです。
いわゆる“レスキュー”ってやつですね。
成果もあり、課題も見えてくる2日間でした。