2012年6月12日火曜日

マルチピッチリードへの道のりは長し

6月7日(木)、8日(金)は、三ッ峠にてマルチピッチリード講習。
常連女性TZさん。
先月、風邪を引きながらも小川山で様々な経験を積んだTZさん。

秋には、小川山でマルチピッチデビューする予定です。
(講師がフォローする、という形式で)

今回で、マルチピッチの段取りを少し物にしていきたいところです。

「初日にマルチ2本トップアウト、2日目にマルチ2本トップアウト」
と、私の方で目標を設定しました。
まずは、初日の1本目。

「今まで登ったことのないラインから登りたい」
との御希望でしたので、好きなところをリードして頂きました。
(トポ無視)

小川山でのカム抜けが堪えたのか、今回はカムセットが慎重そのもの。
時間を掛けて、安全なクライミングが出来るようになって来ました。

2P目は、ルートファインディングを誤り、困難なピッチへ(Ⅴ級くらい)。

まあ、ダメなら敗退すれば良いわけですから、私は黙って見守る方向です。
途中で疲れたため、このピッチを2回に分けてリード成功!

また1つ、Ⅴ級ピッチのリードを重ねました。
テラスでピッチを切ったのが、勝因でしたね。
まだまだ気の抜けない2ピッチを越え、5時間半でトップアウト!

時間こそ掛かりましたが、安全度、ルートの難易度という意味ではナイスクライミングでした!
もはや疲れ果てて、夕方はロープワークをやって終了。

2日目は、暑いくらいの晴れでスタートです。
まずは、去年もリード講習でテンションを掛けたラインでスタート。
去年より、カムセットが慎重なので、かなり安心してビレイしていられます。
「(今より登れない頃に登れたはずなのに・・・)今回も苦労したぁ」

との泣き言もありましたが、それは多分、去年よりも怖さを知ったのでしょう。
アップした実力は、慎重さに回されたので、御安心あれ。
で、このラインは4時間ちょっとでトップアウト。
やっぱり、慣れたラインだと早い。

このペースなら、1日2本も可能性アリです。

とはいえ、暑さと疲れでグロッキー。

そこで、午後はマルチピッチ体験と同じく、講師リードでのフォロー練習。
カムセットの方法、ビレイ点の作り方。
ある程度慣れたからこそ盗める技術、というのを見つけて欲しい。

しかしながら、久々のフォローでTZさんもそれなりに緊張!

すぐに盗むことは難しそう。
だからこそ、時々フォロー練習も混ぜた方が良さそうですね。
そして、最後の懸垂下降では、
・残置支点のチェック
・セルフビレイを取る場所

に課題あり。

次は、懸垂下降のトップが任せられるように、残置支点の使い方や補強方法も講習していきましょう。
具体的な講習内容
☆実践練習は、上記の通り

・浅打ちしたハーケンへのタイオフ方法(片手で出来るパターンも含めて)
・水平クラックへのカムセットについて注意点
・リード中にやってしまった危ういロープワークについての反省いろいろ
・難しいピッチは、短めにピッチを切ると楽になる良い理由
・ルートファインディングは、少し動き回って行った方が正解しやすい

☆ロープワーク
セカンドがトラブル(怪我、登れない、など)を起こした場合の対処方法
①ロワーダウン
②登り返ししてもらう
③テンションが緩められない状態からのロワーダウン(ルベルソ解除)

そろそろ、トラブル対処方法も複雑なロープワークが入ってくるレベルです。
いわゆる“レスキュー”ってやつですね。

成果もあり、課題も見えてくる2日間でした。