2016年2月29日月曜日

完登はオマケ

2月27日(土)は、クラックリード講習にて、城ケ崎。
男性ONさん、男性YDさん、男性FMさん、加えて復習参加の女性KIさん。
<引き付け練習>

オンサイトトライでは、安全に落ちられるようにカムを決めることが、完登に優先します。

こう書くと当たり前なんですが、なかなか難しいです。
<色々な角度>

今回のONさんは、ちょっと惜しい感じ。

1トライ目は、核心部で固め取りせず。
高さ5m程度なので、万が一カムが抜けるとグランドフォールです。
念のために、もう1本取ってほしかったところ。

※本人的には、カムは効いていると思ったし、さほどランナウトしていないので恐怖心はそれほどではない。
<地上でのカムセット>

さらに、1トライ目の第2核心では、1.5mくらいのランナウト。

大フォールして落ちた訳ですが、本人はムーヴが気になる様子。
ただ、この核心を抜けるには、もう1mほど進むことになります。
それだと、さすがにグランドぎりぎりです。

態勢的に苦しくても頑張ってもう1本取っておくと、安心してフォールできるから、ムーヴに集中できましたね。
<KIさんも、まだカムセットは学ぶことあり>

さて、今度は2トライ目。

第1核心では、しっかり固め取り。
で、残念ながらフォール。

で、固め取りしたうちの1つが、カムが開いておりました・・・。

やっぱり、失敗はありえるので、固め取りして良かったですね。
まずは、安心して落ちられるように、リスクの少ないカム戦略を組み立てること。

オンサイトトライは、それが第一です。
<ビレイ姿勢が不思議なポーズ>

多少リスクを取ってでも完登する、という姿勢だと、そのうちクラックが怖くなってしまいますよ。
<フラッシュダンス>

具体的な講習内容
・ハンドジャム練習
・テーピングの方法(FMさん)
・地上でのカムセット練習
・リードで落ちる練習(ONさん、KIさん)
・トップロープでのジャミング&チムニームーヴ練習(YDさん、FMさん)
<見事にトップアウト>

・実践本気トライ
ONさん:フラッシュダンス(5.9)
2トライ共にテンション掛け掛けトップアウト。
良いトライでしたが、より安全を重視してほしいところ。

・KIさん:メルトダウン(5.9、PD?)
突っ込めずに、自らテンションコール連発。
ただし、このルートに関しては、実際に落ちたくないセクションも多いので、やむを得ないところ。
むしろ、好判断だと評価します。
<ネッシー>

ONさんは、これにてクラックリード講習を卒業といたしました。

安全に関して不十分であることが重々自覚できているだけに、
「えっ?あと1回かと思ってました。」

という反応でした。

卒業とした人は、大体そんな感じですよ。
あとは、自覚的に安全管理を高めていきましょう。
もちろん、復習受講やマルチピッチ講習も歓迎です。
<メルトダウン>

取材のお仕事

2月26日(金)は、某雑誌の取材を頼まれて、八ヶ岳の美濃戸の氷瀑にてアイスクライミング。
書き手のS川さん、カメラマンのK田さん、モデルのS水さんと。
<接写>

何年かぶりに、取材の仕事。
休業予定だったんですが、S川さんからの頼みとあれば、何なりと。

緩めの雑誌で、
「講習会で、アイスクライミング体験してきました♪」

といったノリの企画みたいです。
<「良いねー、良いよー。そこでニッコリ!レストも出来るかなー。」>

ちなみに、僕のアイスクライミング講習は、ジムで5.11aのR.P.、クラックで5.8のR.P.が参加条件です。

トップロープ限定の参加でも、ジムの5.10cをR.P.して、いずれ上記条件をクリアできそうな人だけを受け入れております。
ちょっとノリが違う気もします(笑)。

が、実際に集まったのはモチベーションある面々でしたし、楽しい取材でした。
あとはS川さんが、どんな形にしてくださるかですね。

来シーズン号用の取材なので、発売される頃には忘れてそうですが・・・。
<「良いねー、良いよー。」>

どこで止まるか

2月25日(木)は、リード2回目で、女性Sさん。
続けてリード3回目で、連続受講のSさんに加えて、女性ADさん。
リードの墜落距離予想をしたとき、ADさんは、
「最後のヌンチャクの場所で、止まる。」
という印象を持っていました。

つまり、1mランナウトしていると仮定すると、1mの墜落距離という計算です。
もちろん、そんなこと有り得ません。

ただ、同じ誤解を持った講習生を、過去何人か見ております。
ちょっと信じがたい誤解、というのも、人間はしてしまうものですね。
これは、この件に限らず、どんなレベルの講習でも思うところです。

具体的な講習内容
リード2回目
・エイトノット、ATCの付け外しの復習
・トップロープで落ちる練習
・クリップ練習
・リードでやってはいけない事例集

リード3回目
・ロープの弛みをコントロールする意識
・ビレイの繰り出し
・ビレイの立ち位置
・ロープの置き場所
・墜落距離の計算
・落ちる練習(軽め)

2人とも、リード3回目の再受講をお願いいたしました。
今で、半分くらいの内容です。
よろしくお願いします。

女は度胸、男は愛嬌

2月24日(水)は、岩場リード講習にて、湯河原。
女性OGさん、女性MMさん、女性SMさん、女性NBさん。
今回、本気トライした女性3人。

めずらしく、全員がリードでフォールすることが出来ました。
<梅も7分咲き>

本気トライの場合、「落ちられて、ようやく1人前」みたいなところがあります。

で、なぜか覚悟決めるのは、男性の方が得意な印象があります。
そういう意味で、女性全員が落ちたのは、私には嬉しい出来事。
<ムーヴ練習>

不安定なムーヴを目の前に、MMさんは
「ええぃ、女は度胸だ!」

と思って、覚悟を決めることがあるそうです。
<終了点作業の練習>

すると、SMさん。
「私も、(スノーボードのデカいジャンプ前で)怖いときは、“女は度胸!”ってやってましたー。」

なんと、同じですね。
<99%オンサイトできるルートで、準本気トライ>

もちろん、これは墜落距離の計算があって、怪我しない自信が前提。

最後のメンタルコントロールです。
<行け!>

でも、こういう最後の一押しも大切ですよね。

お見事です!
<クリスマスローズ>

具体的な講習内容
・ムーヴ練習
ホールドに指を馴染ませる、スタンスを押すか乗るか、など
・流動分散、固定分散、独立分散(MMさん、OGさん)
・立木での懸垂下降(MMさん)
・結び替え(NBさん、SMさん)
・落ちる練習、止める練習
・実践本気トライ
MMさん:クリスマスローズ(5.10b) 1トライ目は1フォール。2トライ目でR.P.。
SMさん:アブラカダブラ(5.10a) 2トライ共に、1フォール。惜しい!
OGさん:アブラカダブラ(5.10a) 1トライして、1フォール。
<ライトアップされる夕方>

追記:
今回で、MMさんは岩場リード講習を卒業といたしました。
ものすごい時間かかりそう、という本人評価とは裏腹に、5回くらいで普通でしたね。

2016年2月28日日曜日

お知らせ

2点、お知らせです。

①今夜0時より、4月分の予約受付を開始いたします。
リマインドです。

②明日の、山の知り合いを増やす会ですが、今回は中止にさせていただきます。
3月のどこかで、臨時開催を考えていますので、よろしくお願いいたします。
風邪をひいておりまして、講習自体は催行できているのですが、自宅で過ごす日がないと完治しなさそうなので。
楽しみにしてくださった皆さん、申し訳ありません。

2016年2月23日火曜日

コツを一般化

2月23日(火)の昼は、ムーヴLv.0。
女性TMさん。

夜の無料体験は、珍しく満員御礼の6名。
昼のクラスでは、つま先の向きの話が出ました。
インエッジ、フロントエッジ、アウトエッジ。
「それぞれ良さはあるんだけれど、今の場面では、それが向いてると思いますよ。」といった具合に。

他にも、
「踵を下ろしても良いですよ。つま先立ちが良いとは、限らないので。」
という話もしました。

それについて、色々と試してもらった結果、最終的に本人の口から出た言葉。

「足首をフレキシブルに使え、ってことですか?状況に応じて。」
この言葉、良いまとめですね。
複数のコツを包括した格言みたいなもので、思い出すにも便利です。

でも、最初に私がこれを言っても、TMさんの心には響かなかったかと。
格言ですからね。

具体的な講習内容
・オートビレイの使い方
・ロワーダウンの姿勢
・足をスタンスに馴染ませる
・一手一手レストする練習
・スタンスに乗るか、押すか
・インエッジ、フロントエッジ、アウトエッジ
など

4月の予約受付

お知らせです。

2月29日(月)の午前0時より、4月分の予約受付を開始いたしたます。
主な講習場所の再確認です。

①岩場リード講習
天王岩
(小川山は、GW前後から気温を見て)

②クラックリード講習
湯川
※卒業後に復習参加されるなら、5.10以上もある湯川がオススメです。
フィンガーについても、多少は触れられると思います。

③マルチピッチリード講習
越沢、三ツ峠。
(体験講習は、越沢の予定)
※気温が上がれば、小川山を検討するつもりです。

クラックムーヴ講習でワイドを希望される方、研修登山で沢登りを希望される方は、5月以降をお勧めします。
今年は、残雪は期待薄い感じでしょうね。
小川山、ミズガキ、沢登りといった夏の登りに、早めにシフトする流れでしょうか。

1週間後なので、またギリギリに再告知するつもりです。

2016年2月21日日曜日

勝負師

2月21日(日)は、岩場リード講習にて、湯河原。
男性YDさん、男性KMさん。
<冬晴れ>

YDさん、本日の本気トライにて。

1トライ目は、核心部を越えた最終ボルトにて、ギブアップ。
2トライ目も、何度もギブアップ宣言する中を、ガンバコールで何とか完登!
<梅も5分咲き>

「結果的には登れたけど、(内容は)全然ダメでしたね。」
という本人談。

本人なりの反省の中で、紹介しやすい2点。
<岩探し>

①オブザベ段階で、ついつい楽観的な読みをしてしまう。
「あそこは、まぁまぁ簡単そうだなー。」

→その場になると、意外と難しい。
→ジムルートの核心部みたいに、ムーヴに集中しても出来るか否か、みたいな難易度じゃないのは分かっている。
→でも、なんだか覚悟が決まっていないので、右往左往。
→パンプしてくる。
→「テンション!」って言いたくなる。
<ムーヴ練習>

②良いスタンスから出発したくなくなる、という病。

→このスタンスから出たら、もう安心できるところは無い、というプレッシャー。
→なかなか出発できない。
→無限レストポイントって訳でもないので、徐々にパンプ。
→「テンション!」って言いたくなる。

特に、途中にテラスがあるルートは、そこで辞めたくなってしまうそうです。

(どこかで聞いたような話ですね・・・)
<アブラカダブラ(5.10a)>

これを読んだ皆さまは、いかがでしょう?

共感できて友達になれそうですか?
<ガンバ!>

アドバイスするまでもなく、反省点も明確でした。
自分のメンタルを客観視できる人は、強くなりますね。

私から言えることは、1つだけ。

「大丈夫です。半分くらいの初級者は、同じような気持ちだと思いますよ。あとは、そういう自分を自覚してトライすれば十分ですよ!」
<マジでギブする5秒前>

具体的な講習内容
・ムーヴ練習
・ヌンチャクの向き
・トップロープでのムーヴ練習(KMさん)
・リードで落ちる練習&止める練習
・立木での懸垂下降(YDさん)
・実践本気トライ
YDさん:アブラカダブラ(5.10a) 1トライ目は、1テン。2トライ目で、R.P.。

2016年2月19日金曜日

ヒゲ剃り

本題とは関係ありませんが、お知らせ。
明後日2月21日(日)の岩場リード講習、まだ空きがありますので、もし直前でも申し込みたい方がおりましたら。
さて、2月16日(火)~19日(金)は、水上の冒険小屋に泊り、奥利根スキー場にて、スキー&確定申告合宿。
3日目は滑りに行かず、事務作業というだけですが。
意外と、1日目と2日目の夜も、1~2時間くらいずつ出来たので、ありがたかったです。

で、写真のヒゲ剃り。
外出用に持ち歩いているものは、歯が弱くなったり、目が詰まったり。
夕方あたりの私は、ヒゲが薄い人が剃っていないくらいの状態になります。

身長185cm、体重83kgの大男が、ヒゲ面だと不審なんでしょうかねー?
今回も、初対面の何人かに、顔を見るなり距離を置かれる傾向を感じました。
本日が暑い日だったので、スキー場でも顔は隠さなかった。

ガイドの先輩が、「年食ったら、身だしなみも大事。」みたいなことを言っていました。
たしかに、学生っぽければ許されますよね。
おじさん顔になってくると、なかなか厳しいんでしょうか(笑)。

一方で、本当は山でボロくなってスペックが落ちたものを街で来たいのが、本音です。
でも、ここ数年はそういうのもすっかりしにくくなりました。
普通の人になってしまうような気がして、とても寂しく思います。

「芸能人は、歯が命!」
っていうTVコマーシャルを思い出してしまいますよ。
調べてみたら、20年前でした。

2016年2月15日月曜日

地上練習&実践練習

2月14日(日)は、ロープワーク講習。

岩場リード講習予定だった、4人が全員参加。
男性YDさん、男性KBさん、男性KYさん、女性MMさん。
初心者向けのロープワーク講習では、7mくらいの疑似岩を使って、懸垂下降の練習を行うこともあります。

ロープワークというのは、仕組みが重要なので、地上で何度も練習するだけでも、内容は理解できると思います。
ただ、実際に7mの高さでセルフビレイにぶら下がってみると、結構緊張します。
そして、重力でロープが下に引っ張られたりするだけでも、作業が難しく感じるものです。

もちろん、経験者なら、テラスでの作業をイメージしながら地上で練習することも出来ます。
講習段階で言えば、マルチピッチリード講習を受けるくらいの段階であれば。

そのレベルなら、ジムでは地上練習だけでも良いかも。
実践経験は、岩場で積めますから。
本日は、岩場リード講習の面々ということもあって、疑似岩を使ってみました。

立木での懸垂下降、という設定でしたが、様々なトラブルに見舞われておりました。

皆さんも
「地上と実践は、違いますねー。」
と喜んでいらっしゃいました。
ただ、これは地上練習が無意味という訳ではないですよ。

基本なくして応用はありません。
具体的な講習内容
・ロープの畳み方を洗練
・終了点作業の練習(立木での懸垂下降)
・疑似岩で実践
・フィンガークラック練習
ところで、本日の皆さんは、反復練習に対する態度がとても良かったです。

1回とか2回やっただけで、
「もう練習しましたけど、次は何か教えてください。」
というのも、ちょっと考え無さ過ぎです。

だからと言って、
「ストップと言われるまで、ルーチンワークとして身体を動かすのみ。」
ってのも、考え無さ過ぎ。

自分なりに工夫してみて、その上で質問したり指摘を受けたりするのが、一番能率的だと思います。
そして、私としても教えやすいです。

2016年2月13日土曜日

新規受講の緊張感

2月13日(土)は、ムーヴLv.0の6時間コース。
新規男性STさん、新規女性MKさん。
ムーヴにせよ、安全管理にせよ、まずはウォームアップくらいのルートを登ってもらいます。
「まずは、これを登ってください。何回か登る中で、細々とアドバイスしてきますから。」
とだけ指示します。

で、それに対して、
「こうやったら安定すると思いますよ。」
「こういう意識で練習すると良いですよ。」
「ビレイは、もう少しこうやった方が良いですよ。」

と言った具合に、アドバイスしていきます。

ですが、本日の講習生は、結構な緊張状態。
「講師に、ちゃんと見せなくちゃ!」
という気持ちで、普段と違う動きになってしまったそうです。

で、ようやく気楽な気持ちになれたのは、6時間講習のうちの4時間半が経過したあたり。

この時点で、リラックスした動きになり、ずいぶんと飲み込みも良くなりました。
失敗して指摘されることで、伸びることはイッパイあります。
でも、指摘されるのは辛く、「上手いですね。」と褒められたくなるのが人情。

講習ってのは、これまでの経験を褒めるんではなく、覚えて欲しいことが出来たときに褒めるものなんですよ。
最初に気張っても、滅多に褒めませんから、御安心ください(笑)。

あんまり、気張ると受講を続けるのも疲れちゃいますよ。


具体的な講習内容
・ダブルチェック
・カラビナの持ち方
・ロワーダウンの姿勢
・トップロープのビレイを洗練
・足をスタンスに馴染ませる
・一手一手レストする練習

一手一手レストする練習は、奥が深いですねー。
細かいバランスの微調整方法は、本人の記憶の中で。、

オートビレイ機の思わぬ効用

2月12日(金)は、1コマ目がムーヴLv.0。
女性MMさん。

2コマ目が、リード3回目で筆談クラス。
男性OHさん、女性ODさん。
ロワーダウン時の体勢は、リードの墜落姿勢に似ているので、それが上手いことがリードの安心感につながります。

で、オートビレイで降りるのは、ロワーダウンよりちょっと早いので、中間的な練習としてなかなか良好です。
しかも、降り始めるときに、テンションしてもらえないため、落ちたときと同じような動きになります。

スラブ壁だと、特にそれが分かりやすいようです。

文章だけ読んでもイメージが沸かないという人は、お試しくださいませ。
具体的な講習内容
1コマ目:
・オートビレイ機の降り方
・足をスタンスに馴染ませる
・ネコ足
・スタンスを押すか、乗るか
・一手一手レストする練習

2コマ目:
・ビレイの繰り出し方
・弛ませ具合の調節
・墜落距離の計算、落ちる練習と止める練習
・落ちる体勢作り

筆談クラスの方は、通常クラスの2回目分は全部終わって(墜落距離の計算と、軽めの落ちる練習まで)、3回目の3分の1くらいまで(リードのビレイを、落ちた時のことを考えて改善していく)進んだところです。
少しゆっくりめではありますが、焦らずに考えながら習得しましょう。

2016年2月12日金曜日

終了点作業あるある

2月11日(木)は、岩場リード講習にて、湯河原。
男性FMさん、女性ABさん、男性KYさん、女性MMさん。
<梅の宴>

本日は、終了点作業の失敗例において、見本市となりました。
他人事ではありませんね。

ケースA:

結び替えの場面で、ラッペルリングを通し忘れて結び替える。

これって、家を出るときに鍵を財布から出したのに、鍵を閉め忘れて、再度鍵を財布にしまうようなものです。
「そんな馬鹿な?」
と、思うかもしれませんが、結構よくあります。

本日も、地上での練習中にその失敗をやった講習生がおりました。
ちなみに、先週の講習中も、おりました。
<梅>

ただ、この失敗には
“セルフを外す前に、テンションコールすることで、確認できる”
というチェック方法があります。

講習中、テンションの移行、と呼んでいるものです。

失敗しないことも大事ですが、チェック機能はもっと大事ですね。

※前回、今回ともに自分のチェック機能で気付けた。
<終了点作業の練習>

ケースB:

リード中に、終了点クリップを忘れて、終了点より少し上のテラスを目指す(トップアウトする)。

私)「なんで忘れたんだと思いますか?」
本人)「ボーっとしてたんですかねー。」

これまた信じがたいかもしれませんが、ジムでも岩場でも、クリップ忘れというのは時々やる人がおります。
<ムーヴ練習>

これは、残念ながら確実なチェック方法が無いため、

①常に、ランナウト具合(墜落距離の計算)を気にしながら登る習慣を身につける
②地上やレスト中のオブザベーションに、クリップも組み込むように努力する

ということぐらいでしょうか。
<暖かい>

ケースC:

結び替えのためにセルフビレイを付けたつもりが、実際にはヌンチャクにロープにクリップしただけだった。
ノーハンドで立てるスタンスがあったため、セルフビレイにテンションを掛ける必要がなく、気付かずにロープを緩める作業を進めてしまった。

これは、残念ながら本人のチェックで気付けませんでした。

ビレイヤーが、下から見て怪しんで、
「セルフ取ってますか!?」
と確認したことで気付けたものです。

本人は、付けたつもりなんですけどね。
ヒヤリハットの一歩手前ぐらいでしょうか。
<ついに、本気トライ開始のABさん>

これに対しても、ケースAと同様のチェック方法があります。

セルフビレイを付けたら、足場が良くてもなるべくテンションを掛けて作業する、というものです。
これも1つの、テンションの移行ですね。
<オブザベ>

いやはや、終了点作業も色々ありますねー。

クラック講習でも、マルチピッチ講習でも、果てはアイス講習でさえも終了点作業の失敗例の話は、よく説明する機会があります。

ときどきで構いませんので、ロープワーク講習にも参加して下さいませ。
現場で講習した方が効果は大きいけれど、作業練習を岩場でやるのも時間が勿体ないので。
<マゾおけさ>

具体的な講習内容
・終了点作業練習(結び替え)
・ムーヴ練習(片手主体のバランス、ホールドの向きに合わせること)
・リードで落ちる練習&止める練習
・実践本気トライ
ABさん:フック船長(5.10a) 2ピン目まで
FMさん:クリスマスローズ(5.10b) テンション掛けつつムーヴ解決
MMさん:マゾおけさ(5.10b) オンサイト
KYさん:マゾおけさ(5.10b) 1テン
<ラストのマントル!>

MMさんの中で、オンサイトトライが楽しくなってくる、という意識改革が起こったようです。
今までは、
「お先にどーぞ。」
「私は、トップロープで練習して、落ちそうもないルートだけでリードは十分。」
くらいの感覚だったそうで。

今回突然、という話ではなく、数ヶ月単位のゆっくりとした変化みたいです。
嬉しい限りです。