2013年6月27日木曜日

ロープワーク講習も、レベルは様々

6月27日(木)は、ストーンマジックにてロープワーク講習。
クラックリード講習だったのが、雨予報で変更。

女性MJさん、東京の女性HMさんの2名。
本日の内容は、かなり初歩的な感じ。
(マルチピッチリードの面々などに比べれば・・・、ですが)

①結び替え(2時間半)

とりあえず、出来てはいたが、まだまだ危なっかしかったりしたので、理屈を体で覚えていく2時間。

岩場リード講習の内容ですが、やっぱり本質の理解には至っていない部分があったので、気を付けましょう。
②ロープの畳み方(1時間半)

畳んで、解くたびに絡む。
畳んでいるそばから、バラバラになってしまう。

などなどの問題点を直して行く。

でも、意外とビシッと畳んだり、絡ませたりしないのって、難しいことです。
③オマケのハンドクラック講習(1時間半)
・フットジャムの位置
・ハンドジャムのコツを何点か
・順手と逆手のコンビネーション

などなど。

本日の場合は、ある意味メインディッシュ!?

MJさんは、10回ほど完登して、だいぶ洗練されて来ました。
HMさんも、最後に1回だけ完登!
④懸垂下降の仮固定(1時間半)

まだ、ボルトルートしかリードしたことが無い2人には、ちょっと価値が分かりにくいでしょう。

でも、これってマルチ、クラック、沢なんかでは、覚えておかないと困っちゃうこともあります。
2人とも、最後は知恵熱が出そうなくらい、ヘロヘロになってしまいました。
MJさん曰く、クラックで腕も疲れたそうです(笑)。

良いトレーニングになっている、ってことですね。

お知らせ

今受け付けている予約ですが、8月31日までのところを、8月31日が土曜だったので9月1日(日)までにしました。

こちらとしても、土日で日帰り2回よりも、同じ講習の方が楽だったので、31日の方に2日連続にして頂きました。

落ちるまで頑張る理由(リターンズ)

6月26日(水)の夜は、リード講習3回目。

女性SMさん、女性IBさんのペア。
リード講習自体が、2順目の女性ARさん。
自ら、リード知識の総チェックに来てくれた男性FDさん。
スポーツクライミングでは、とかく
「落ちるまで行け!」

と言われます。

実際、落ちそうで
「ムリ!」

とか思っても、

「ガンバ!!!」
と言われて、行ってみたら、意外と進めたりするんですよ。
で、落ちるまで頑張る理由を、久々に書き出します。
2年位前にも、書いた気はしますが。

ちょっと、文体を変えてみます。



①クライミング上達のため

テクニック面:
「落ちるかもしれない」 → 結果「落ちなかった!」

というのが、バランスの習得に1番効果的です。

パワー面:
「もうダメ」 → 結果「ダメ元で、もう一手出したら、意外と進めた」

というのが、落ちる前に諦める人よりも、はるかに持久力トレーニングになります。
②スポーツクライミングを楽しむため

「落ちそうだったけど、あきらめずにやってみたら登れた!」

というのが、スポーツとしては1番面白いんです。

「恐い。落ちたくない!」が「登りたい!」、に変わったあたりが、クライミングがスポーツとして楽しめる瞬間です。
③ビレイヤーのビレイ練習のため

落ちるかもしれないから、ビレイは気合が入ります。

もっと言えば、ときどき落ちてくれると、講習で学んだことを体感できて最高です。

落ちない前提のビレイは、むしろ変なサボリ癖が付く傾向があります。
色々、書きましたが。

安全なら「ガンバ!」
手繰り落ちなどの危険行為をしそうなら、「無理せず!」

ってことですよ。

具体的な講習内容
・ビレイの練習(立ち位置、繰り出し)
・スポットについて
・落ちる練習&止める練習
(トラバース落ち、ロングフォールなど)

・実践本気トライ
SMさん:垂壁5.10bをオンサイト
IBさん:薄被り5.10bをフラッシュ
ARさん:垂壁5.10bを、テンション掛けつつもトップアウト!(これが、本日1番の成果?)
FDさん:薄被り5.10c(おそらく、ランナウトで一番ボルダーチックな5.10c)は、敗退

さあて、リード講習を終えたら、ムーヴ講習、岩場リード講習、マルチピッチ体験、と受講できる範囲も広がりますね。

2013年6月26日水曜日

お知らせ

明日の木曜日、13時からロープワーク講習をストーンマジックにて行います。
現在2名(残り2名)

メール配信希望者に、メールする時間がなかったので、ブログにて失礼します。

無料体験講習に関して、お知らせ

6月25日(火)は、無料体験講習。

昼は、常連のODさんのみ。
夜は、新規の方が7名と、以前に1回受けたことのある方が1名。
無料体験講習に関して、お知らせです。

今後、2ヶ月に1回(原則、偶数月)、夜20:00~21:30の1回のみ開催とします。

HPには、まだ昼の部があることになっておりますが、再来月からはありません。
御注意ください。
具体的な講習内容
・ダブルチェック
・トップロープのビレイ(ビレイサポーターあり)
・カラビナの持ち方
・トップロープの張り具合
・一手一手レストする練習方法

とりあえず、本日の方々は、ムーヴLv.0がオススメですね。
トップロープと、登り方に、もう少し慣れたらジムのリード講習、という順序です。

2013年6月24日月曜日

本日の増やす会

お陰様で、10名ほど参加予定です。

遅れる方は、直接お店に来てください。

金の蔵Jr. 新宿西口駅前店
(身分証明書など、年齢確認できるものの提示を求められる可能性あり)

また、今から急遽参加したいという方も、連絡ください。

回数をこなして、段取りを良くする

6月22日(土)、23日(日)は、小川山にてマルチピッチリード講習。
常連男性NMさん、HYさんのペアが自主的に補習にて。

ルートは、初心者にとって憧れのゲレンデマルチの1つ、「セレクション」です。

<前日の雨で、取り付きは湿っている>

クライミングルートでは、どうしても突破力に目がいきます。
実際、そのピッチをリード出来なければ先へとは進めないので、もっともな話。

ただ、講習生が登っているのに同行して、とにかく目に付くのはロープワークの失敗、そしてロープワークの遅さ。

とにかく、最初はそれをスピードアップさせて欲しい、と思うのです。

<侮れない、1P目(5.8のハンドクラック)>
ただ、実際に教えてみて、分かったこと。

クローブヒッチの結び方、ロープの裁き方、カラビナの操作方法、なんかは教えれば数日でも素早くなります。

でも、本当に時間が掛かっているのは、それだけじゃぁない。

<ランナウトするスラブ(5.8)>
例えば、フォローがビレイ点に到着したとき・・・

慣れた人なら、次にリードする人が出発しやすい側に立ちます。
が、初級者だと、来た順に適当に並んでセルフビレイを取ります。

こうすると、リードが出発する際に、パートナーのセルフをまたいだりすることも無く、スムーズです。
また、そうすることで、ロープも絡みにくくなります。

<初日は雨にて、途中敗退>
こういうことは、先の流れが見えていて、「段取り良くやろう」って意識があるから出来ることです。

あと、「こうなっちゃうと、時間ロスするな」っていうイメージも大切です。

例えば、実際にロープを絡ませたときに、「ナゼ絡んだのか」を説明してくれる経験者がいたりすると、反省しやすいです。

<2日目の、1P目>
2人も、講習&自主練習で、かれこれ10日近くはマルチをやっております。
最近は、段取りもだいぶ見えては来ました。

でも、まだまだ遅い。

1日目は、半日掛けて3ピッチを終え、雨が降って敗退。
2日目は、朝イチから取り付き、4時間掛けてトップアウト。

もちろん、各ピッチをオンサイト&オールフリーでの完登!
成果としては、素晴らしいことです。

<4P目は、ボルト&NP(5.7)>
今のクライミング能力だと、全ピッチO.S.するのが精一杯なので、2時間で登れというのは無理があるでしょう。

でも、慣れれば1時間は短縮して、3時間は切れそうです。

<セレクションを終えて、2峰の頂上を目指す>
回数をこなせば、ロープワークは素早くなる。

あったりまえの話です。

が、講習生としても

「具体的に、何を改善していくのか?」
「将来的に、どのくらい時間短縮できるものなのか?」

をイメージできないと、三ツ峠や越沢に通い込むのも面白みに欠けますよね。
今でも、
「三ツ峠や越沢で、1日に3回トップアウト出来るくらいじゃないと、本チャンに行っちゃダメだ!」

なんてことを、後輩に言っている先輩を見かけます。

その通りだと思います。
まずは、そのぐらい段取りに慣れて欲しいものです。

<本日は、このピークを終了点としました>

<女性らしい完登シーン・・・>

<背中で語るHYさん>

<下降の歩きセクション>

<懸垂下降>
アドバイスした内容

・下降ライン、敗退ラインを考えながら、登ること
(特に、ビレイ中は暇なので)

・ビレイ点での並び順
・トポの細かい情報に惑わされず、自分でラインを読んでから、トポと照合した方が、分かり易い

・ロープを出しにくいが、ちょっと危ない岩稜歩きについての判断根拠を諸々

その他、細かいロープアドバイスを多数。

2013年6月21日金曜日

リード講習は、連続受講がオススメ

6月20日(木)の夜は、リード講習3回目。
補習の男性FKさん、同じく補習の女性IMさんの2名。

実は、この日は別の方に岩場での講習予定。
が、雨で完全中止になったので、リード講習が終えきらないでいる人などに連絡して、この講習を開催しました。
FKさん、最初に1~3回目までを受けたときは、途中に間が空いてしまって修了できず。

補習では、2回目と3回目を2日連続で受講。

本人曰く
「間が空いちゃうと、考えながらやらなきゃいけなくなるから、ダメですね。」

ムーヴ講習は時々がオススメですが、リード講習は短期集中がオススメです。
これは、ジムだけでなく、岩場リード講習でも、クラックでも、マルチでも。

ある程度できるようになるまで、危なっかしくて復習しにくいからです。
そういう意味では、リード講習の直後は、

一刻も早く!
1~数回、自分たちで練習するチャンスが必要です。

それさえ越えてしまえば、忘れにくいですよ。


具体的な講習内容
・ビレイの練習(立ち位置、繰り出し、など)
・落ちる練習(トラバース、ロングフォール、など)
・手繰り落ちしそうな人に対するビレイ
・実践本気トライ
FKさん:少し余裕を持って、5.10bを一撃。垂壁なら、グレードを上げても良さそう。
IMさん:根性で、5.10bを二撃。モチベーションが回復したそうです。

早速、2人からは8月7日の岩場リードに申込みがありました。
岩場の方が、連続受講するのが困難ですねー。

2013年6月20日木曜日

リードの墜落距離を計算する

6月19日(水)の夜は、リード講習2回目。
昨日から連続の、女性SMさん、女性IBさんのペア。

1年前に、リード講習を終えているけど、復習に来た女性ARさん。
補習をお願いしている男性FKさん。
リード中のフォール距離は

①“最後にクリップしたカラビナからの距離” × 2

②ロープの弛み(たるみ)

③ロープの伸び

④ビレイヤーが流した分

の4つの合計です。
で、大抵の本には

「①+α」
くらいにしか書いていないんですが、②、③、④は侮るべからず。

実際のリード中、

②弛みが50cmくらいは無いと、登りにくい。
この分は、①と同様に、丸々と自由落下です。

③ロープ長×伸び率。これは、ジムの高さだと大したことは無い。

④ビレイヤーは、浮かないまでも、前に引かれたり、しゃがんでいたのが立ち上がったり。
1m前後は、影響がある。

で、実際に落ちる練習をやると、
「最初の予想より、遥かに落ちるんですねー。」

と驚かれます。

そうなんですよ。
だから、これを意識してクリップ位置を考えたり、ビレイ位置を考えたりするのです。

レッツ実験です。

具体的な講習内容
・トップロープの復習
・クリップの復習
・疑似リード練習
・リードでやってはいけない事例集
・墜落距離の計算
・落ちる練習(軽め)
・疑似リードのビレイを体験

2013年6月19日水曜日

リード講習1回目は、トップロープの総整理

6月18日(火)の2コマ目は、リード講習1回目。
新規の女性SMさんと女性IBさん、という2人組。
 リード講習は、全3回を基本としています。

で、1回目はリード以前の総整理。

当塾の講習が初めての人なら
・ダブルチェック
・トップロープの手の動き
・カラビナの持ち方
・一手一手レストしながら登る練習

という基礎から。

その後も、
・エイトノットの結び方(効率的な方法、安全上の注意点)
・ATCを落とさない方法
・補助なしでトップロープを実際にやってみる
・持ち替え、スライドの両方のビレイ方法が出来るか確認

などのトップロープ技術を徹底確認。

で、最後にようやくクリップ練習です。
で、第2回がリード、第3回がビレイと落ちたり止めたりの実践練習、という流れです。

ジムの講習は、3時間という制約の中ですから、いつも結構なペースで進みます。

特に、新規の2人は、まだまだ緊張気味で大変そうでした。
私は、講習生の方が反復練習している間は、少し余裕があるんですがね。


具体的な講習内容
・上記の通り

登り方の方は、2人とも丁寧で、リード講習には問題ないレベルです。

怪我からは、ほぼ復活

6月18日(火)の夕方は、ムーヴLv.0。
常連女性ODさん。
ODさん、最近は確実に上達してきました。
秋は、すっかりクライミングが出来ない期間でレベルが落ちました。
冬には、調子が戻ってきたところで怪我をして、まだリハビリ中という部分もあります。

が、とりあえず今は・・・

去年の夏より、確実に上手く、強くなりました。

実際、岩場でも
「何年か前に登れたところは、今は確実に登れる気がする」
という自信が付いたようです。

本日も、手足限定の5.10bをトップロープでトライ。
まだ、完登とは行きませんが、アドバイスを受けて着実にムーヴ解決していける下地は付いて来たようです。

ちなみに、ODさんはリーチが短いので、小学生みたいな登り方が要求されます。

手足限定の5.10bは、5.11aに出てくるようなムーヴが数ヶ所&巨大なガバのレストポイント、って感じになります。
これ、5.10bぐらいの人には、なかなか厳しいルートになります。

ま、ムーヴが多彩で面白いとも言えますが。
かなり、善戦していると思いますよ。


具体的な講習内容
・フワッとホールディングする感覚
・反動を付ける際に、胸の張りを利用する
・ハイステップする前に、なるべく足ブラにならない
・悪いホールドから次のホールドをデッドする際、悪いホールドに入れている力を最後まで抜かないように意識する

Lv.0なのに、相当に高度なムーヴのコツを講習している気がします。

2013年6月17日月曜日

奥多摩の小袖川

6月16日(日)は、立川山岳会のK田さんと、奥多摩の小袖川。
午前中が小雨で、正直やる気ゼロでした。
が、もともと約束したK田さんが

「せっかくの休みに何もしないなんて暇すぎる!」

と、勢いごんでいたので、

「まあ、簡単めの所なら、雨の中で付き合っても・・・」

という流れ。
ところで、講習生から

「沢は講習しないんですか?」
という質問は、多いです。

色々な考え方があるとは思うんですが、私の考えとしては

①沢は、ロープを出せない(or出さない)場面、水による事故、なども多く、クライミングより危険だと言われている。

→私は、完全な初心者には教えたくは無い。

②ロープを出す、出さないの判断。ルートファインディング。これらを、東京近郊で練習する、という最適の登山練習場。

→マルチピッチリード講習を終えた人などは、自分で行ける初心者ルートが限られている。
本当は、沢も並行すると、登山全体の判断力を養えると思う。
という訳で、実は

「ある程度できる人向けだったら、沢登り講習ってやりたいよなぁ。」

とは、思っているんです。
具体的には、マルチピッチリード講習を卒業した人が対象で。
練習としては、判断力がメインでも・・・。

他に
・日本的な美しい風景
・ゴルジュや滝の、緊張感
・ビバークや焚き火の楽しさ
・ザックを背負ってクライミングする、バリエーション的な楽しみ方

この辺は、他の山雑誌でも見てもらえば、楽しそうな写真がいっぱいです。
気が向いたら、お問い合わせください。

日帰りでも、1泊でも、体験講習からやりますよ。

本日は、小袖鍾乳洞までで、遡行打ち切り。
林道を使って、下山しました。
行動記録
8:30 車を出発。すぐに入渓
11:10 小袖鍾乳洞
    作業道~林道を下山
11:50 車に到着

この日は、2週間前に大阪に転勤したHさんが、東京に来ていました。
帰りに合流して、温泉に行ったり。

雨の沢で、どうなることかと思いましたが、思いがけずノンビリな週末でした。

2013年6月15日土曜日

山の知り合いを増やす会

さて、2ヶ月に1回の定期開催を目指す、山の知り合いを増やす会。

(参加者で、「増やす会」と行っている人が居ましたが、言いやすくて良いですね。)

残念ながら、先月は前夜の段階で参加者1名(途中参加1名、途中退席1名)につき、中止にしてしまいました。
人数的に寂しすぎる上に、「増えない会」だったので。

参加御希望の方は、ちょっと早めに連絡ください!


6月24日(月)の夜、新宿にて

場所:
金の蔵Jr. 新宿西口駅前店
http://www.sankofoods.com/shop/kinjr/kinjr_shop114.html
(年齢確認できる身分証明書を、全員が持参していないと、ソフトドリンクのみになる可能性あり)

集合:
19時30分に、JR新宿駅西口改札。
(遅れても可。その場合は、会場に直接来てください。)

目的:
石田登山塾の講習生同士で、山の知り合いを増やす。
上手く行けば、山やクライミングのパートナーが見つかるかも。

参加条件:
当塾の講習に参加したことがある方

レベルは問いません。
※全くの初心者で、ビレイやリードを練習するのに、ジムのパートナー探しからでもO.K.
※岩場リード講習、クラックリード講習を終えたくらいの人が、岩場のパートナーを探しでもO.K.
※冬山や、バリエーションに行くのに備えて、ゆっくり友達関係を作って行くんでもO.K.

参加方法:
講習用のアドレスに、参加希望のメールをください。
sawayama.ishida@gmail.com

ジムのルートは、ムーヴ練習問題

6月14日(金)も、前日と同様に岩場講習が中止で、ランナウト。
常連男性ONさん、3時間だけ変則参加の女性ODさん。
ジムのルートっていうのは、登りやすいように作られています。

例えば、
垂壁の5.6、被り面の5.8とかなら、ガバが右、左、右、左、・・・と並んでいます。

で、せいぜい1ヶ所か2ヶ所、両手持ち(マッチ)するホールドが出てきたり、クロスが出てきたりするくらい。

これが、1つグレードが上がると、
飛ばし、寄せ、アンダーなどが数ヶ所出てきます。

それでも、手順を読んで登れば「お得!」という程度で、オブザベーションしないで登っても途中で修正できるくらいガバです。

で、グレードが上がるほどに、手順も足順もパズルが難しくなっていくのです。
もちろん、作ろうと思えば

・5.10aで、5.10台の人が、誰もそのムーヴに気付けないルート
→難解すぎるパズル

・5.11でも、単に持ちにくいホールドだけを5.8と同じように、右、左、右、左、・・・と並べたルート
→単純すぎるパズル

も作れます。

でも、これだとムーヴを検討する意味が無くって、あんまり面白くないと思うんですよね。

個人的には、
“そのグレード限界でトライする人が数名でムーヴを検討したら、上手い系の人は楽なムーヴを発見して、パワー系の人は見落として損をする”

ってのが、パズルとしては適度な難易度だと思うんですよ。

一人で解くも良し、セッションするも良し、たまに答えを聞くも良し。
そうやって、グレード相応のパズル解決能力を付けていくものです。

ちなみに、私のルートは
「パズル要素がグレード相応より高くなりすぎて、楽なムーヴを発見するのが難しい」
傾向にあるようです。

5.10にしては難解なパズルだと思って、誰かと相談した方が良さそうですね。


具体的な講習内容
①ムーヴ
・ネコ足(掻き込みの意識)
・姿勢
・ツイスト

ODさんには、5.10bを繰り返しトライする中で、個別の技術や用語解説。
・体を引き上げてからのデッドポイント(固めてポン)
・手に足のときに、左右どちらの足を先行させるか
・長期レストは、戦略的な駐屯地

②ロープワーク
・ロープの畳み方
・結び替え

③本気トライ
・垂壁の5.10bを、2便でR.P.!
ただ、パズルの答えを教えまくってしまったので、よく復習しといてくださいね。

2013年6月14日金曜日

お知らせ

来週の6月20日(木)、21日(金)は、どちらもマルチピッチリード講習で、現在1名(残り1名)です。
このままでも行いますが、もし良かったらどなたか入りませんか?
もちろん、1日参加O.K.です。

というのも、講習で最も大事なのは、講習生同士で相談することなんじゃないかと思っています。

特に、マルチではライン自体も自分達で決めて頂きますので。
その相談相手が居ない、っていう状況が続くのも、効率的ではないなぁという話です。

一応、気象庁の予報だと、今のところは梅雨の晴れ間になる可能性が高いかと。

雨中止からのジム講習

6月13日(木)は、ランナウトにてジム講習。
この日は、岩場リード講習が、雨で中止になり。

高崎の女性HMさん、東京の女性HMさん、梅雨の時期まで滑り続けるスキーヤーの女性KGさん。
通常、岩場や山の講習が中止になった場合、土日ならロープワークを希望する方が多いです。

ただ、平日の場合は、これまで完全中止を希望される方が多かったんです。

平日の場合、貴重な有給休暇だったりするので、
「雨なら別日程で」
という流れです。
が、今回は3人ともロープワークでも、ムーヴでも受講したいという方向。

ただ、チョット考えたのは、

・高崎のHMさんは、ストマジはあまりに遠い
・岩場リード講習くらいの人だと、現場経験よりロープワークが先行しすぎても、実感が沸かない
・平日の昼間なら、ランナウトもそれほど混雑しない
・ムーヴ講習や、リードの本気トライは、ランナウトの方がストマジよりも教えやすい
そんな訳で、このチャンスにランナウトでやってみました。

内容は

・ロープワーク2時間半
・ムーヴ講習2時間半
・リード練習1時間半

ってな感じで。
オマケのクラック講習が出来ないのは、ちょっと残念。
でも、今回に関しては正解だったなぁという印象です。

ストマジは、また今度ですね。

具体的な講習内容
①ロープワーク
・ロープの畳み方
・結び替え

②ムーヴ
・ネコ足(掻き込みの意識)
・手順用語とオブザベーション練習

③リード練習
・全員で本気トライ1本ずつ

高崎のHMさん、KGさんは、垂壁5.10aを、テンション掛けつつトップアウト。
(やはり辛いようなので、5.10bにグレード改訂しました)

東京のHMさんは、垂壁5.10cを、テンション掛けつつトップアウト。

ムーヴ講習でやったことより、かなり複雑なのが、実際の本気トライですね。

2013年6月13日木曜日

ジムのリード講習を、3回で終えるには

6月12日(水)の夜は、リード講習1回目。

1年以上前に、リード講習を終えているARさんが、1回目から再受講!
補習の男性NMさん。
新規の女性IRさん。
最近、さすがに補習率が高すぎるなぁ、と私も考え中。

むしろ、今までが

「ぶっちゃけ、すでにリードしてますけど、自信が無いから講習受けたい。」

って人が多かっただけなのかも。
ただ、見ていて補習をオススメされない人のパターン、ってのもあります。

①無料体験やムーヴLv.0で、トップロープの基礎をおさらいした人

②本で、逆クリップなどを勉強してきた人

③友人と一緒に受講して、講習の合間にジムで自主練習した人

④自宅で、エイトノットの丁寧な結び方、ATCを落とさない操作方法、クリップ、を練習した人

⑤1回目の受講から、3回目までを、毎週or隔週くらいで連続受講した人

などなど。

「全部やった!」って人は、さすがに聞きませんが、3つくらいを押さえておくと、補習になりにくいようです。


具体的な講習内容
・ダブルチェック
・カラビナの持ち方
・トップロープのビレイ(スライド、持ち替え)
・エイトノットの結び方(効率的な方法、丁寧に結ぶ方法)
・ATCを落とさない操作方法
・クリップ練習

ちなみに、さすがARさんは優等生でした。
7~8割は、覚えているようなので。

友達同士で、ムーヴ検討会をして欲しい

6月12日(水)の昼は、ムーヴLv.0。
常連女性ODさん、SMさんの2名。
本日は、実際に本気トライしてもらい、

「右足を、こっちにしてみたら?」
「さっきは、こういう手順でやって上手くいってましたよ。」

みたいなムーヴ検討会。

これって、すごく意味はあるんですけど、講習でやるのはチョット勿体ない。
だって、5.10ぐらいでも、普通に友達同士でやってることなんです。

そして、それこそがクライミングのパズルを解く楽しみじゃないですか!?

(ただ、5.10台の初級者よりは、私の方がパズルを“当てる”確率は高いでしょうけど。)

是非とも、クライミング友達を作ってくださいね。
友達と登れば、意見は2倍になるんです。

で、同じレベルの人と検討会しても、煮詰まっちゃうようなことを講習で質問してくれると、最高の効率が得られますよ。
具体的な講習内容
・ネコ足(スタンスを握る感覚、SMさん)
・手順用語とオブザベーション(SMさん)
・壁スメアを利用した反動ムーヴ(ODさん)
・ヒールフック(ODさん)
・核心部だけを練習する方法

とはいえ、2人とも最近ちょっと伸びてきたなぁ、とは思っています。

SMさん:
オートビレイも、本気トライも嫌がらなくなってきました。
登っている最中も、落ち着いて考えることが出来るようになりました。

ODさん:
反動ムーヴが、かなり洗練されて来ました。
やっぱり、極端にリーチのない人が手足限定を登ろうと思ったら、5.10aから必須ですからね。

2013年6月11日火曜日

お知らせ

1、明後日の6月13日(木)より、8月分の予約受付を開始します。

今回の変更点は、

・ムーヴ講習レベル2は、レベル1と合併
(やってみて、あまり分ける意味を感じなかったので)

・それに伴い、レベル3をレベル2に名称変更します。

これで、
レベル0(リード講習以前)
レベル1(5.10台)
レベル2(5.11a以上)
となって、自分の適正クラスが分かりやすくもなったかと思います。

ホームページでの改訂が、まだ間に合っておりませんが、御容赦ください。

2、明日からの6月12日(水)、19日(水)、26日(水)のリード講習について。

3回とも、1名のキャンセルが出ました。

希望の方は、早めに連絡お願いいたします。

プロテクションの間隔、あるいは作戦について

6月9日(日)は、マルチピッチリード講習にて、二子山中央稜。

またまた補習(卒業以前に予約した分ですが・・・)、男性ONさん。
常連女性TZさん。

<今回は、TZさんもアプローチを覚えており、楽勝のアプローチ!>
今回は、技術的な話。

リード中、死なないためにプロテクションを取ります。

プロテクションという言葉に馴染みがないなら、中間支点、ランニングビレイ、ランナー、なんて言えば分かるでしょう。
(厳密には、ニュアンスがちょっと違うと思いますが。)

<ビレイ点作業も、少し慣れてきたONさん>
さて、プロテクション(カム、ナッツ、ハーケン、立木、など)を、どこで取るべきか?

1m間隔とかで取れたら、ジムみたいで怖さはなくなるでしょう。
が、そしたら40mロープを伸ばすのに、39個のプロテクションが必要です。

それは、現実的じゃないんで、作戦としてメリハリをつけます。
基本
①自分が落ちそうなムーヴの直前に、確実なプロテクションを取る

②階段状で、登山道に近い感じなら、プロテクション節約

③その中間くらいの難しさや、簡単だけどクライムダウンは無理そうなら、その都度でリスク判断

<核心のクラック(5.7)をリードするONさん>
じゃあ、問題です。

・この先1m行けば、絶対にプロテクションは取れそう

・でも、その1mがちょっと難しいそうで恐い

・しかも、そのムーヴのためのプロテクションは取れない

・今なら、まだ安全に敗退できる自信がある

って状況なら、あなたはどうします?

<ザックを背負っても、ノーテンションで核心部を突破できたTZさん>
講習中に、よくある解答例

①とにかく、集中して、気合で登る

はい。
それは、「ノープラン」ってやつです。

「行くしかない」って思考です。

行き詰まったら死ぬ、ってことは念頭に置いてくださいね。

<左右にダブルロープが分かれ、理想的なロープさばき>
②様子を見つつ、1歩、2歩だけ行ってみる

クライムダウン出来る範囲で様子を見る、っていう意味ではナイスです。
ただ、敗退できるギリギリを見極めないと、戻れなくなって死ぬ可能性もあるので気を付けて。

<ビレイ点で、ギアを受け渡したり、次のピッチの相談したり>
③迂回路を考える

④ちょっと離れた場所からプロテクションが取れないか考える

それが出来たら、楽になりますね。
ナイスです。

<高度感のある終盤>
最後に、あんまり口頭で思い付く人はいないんですが、実際よくやる作戦。

⑤その1mが、絶対に落ちそうもないと確信があるなら、クライムダウンはできないけど行っちゃう。

「もう戻れない!」
という恐怖はあります。

①と結果的には同じ行動です。
が、リスクが計算されているかどうかが違います。

<微妙に左右のロープが交錯気味。右下のクリップは、赤ロープにすれば良かったかな?>
こんな感じで考えて、

「落ちたら死んじゃう上に、戻るに戻れない状況になっちゃった!」

ってことに、ならないようにします。

この状況は、将棋で行ったら「詰み」の状況ですね。
昔は、そういうクライマーの窮地を「蝉(せみ)」なんて呼んだそうです。

そうなるぐらいなら、
⑥敗退できる今のうちに、敗退を決断する

っていうのも、充分にアリでしょう。

<マルチピッチを終えて、頂上稜線>
ただ、詰んでからも、決死の思いでクライムダウンor上へのオンサイトクライミングを敢行します。

そうすると、10回のうち9回以上は助かります。

僕も、例に漏れず、こういう目にあったことはあります。

「本当に、死ぬ可能性充分、と思ったこと」
「ちょっとだけ、死を覚悟したこと」

を合わせれば、10回以上はあるんじゃないでしょうか。

<山頂にて>
でも、これって、やっぱり失敗だったと思うんですよ。

詰んでしまってからのサバイバルゲーム、ってのは我々一般人は辞めた方が良いと思います。

やはり、リスクは計算範囲内に納めるのが基本。

そういうリスクコントロールを分かった山の友達でも、毎年平均1人くらいは死んでおりますので。
(ただ、やっぱり不確定要素の高い、冬が多いです。)

<下山も、ためしにTZさんに先頭を任せてみましたが、今回は迷わずバッチリでした>
行動記録
7:50 駐車場出発
8:10 取り付き
8:50 スタート
15:40 トップアウト
16:15 西岳頂上
16:50 取り付き

ローソク岩を見学してから帰る

18:35 駐車場

講習内容
・ロープさばき、カムセット、プロテクション間隔、などについてアドバイスをしていく


クライミングのリスクは、ゼロにはなりません。
あとは、どこまでリスクをコントロールできるか。

オブザベーションの段階で、それを予測して作戦を立てておくことが、1番のリスク低減だと思います。