2015年9月29日火曜日

11月分の予約受付

3連投で、失礼します。

10月2日(金)の午前0時より、11月分の予約受付を開始いたします。

11月となると、小川山が寒くなりますが、湯川などの標高の低い岩場はベストシーズンになります。
沢は、もはや一般的ではない季節でしょうか。
「12月からは雪山」という方々は、最後の追い込みですね。

講習予定エリア
①岩場リード講習
天王岩

②クラックリード講習
湯川

③マルチピッチ体験&リード講習
越沢バットレス、三ツ峠

クラックムーヴ講習などのアドバンス的な内容は、別途相談に応じます。

ちなみに、11月2日(月)はランナウトが休業日となります。
外での講習か、近郊ジムへの出張かになりますので、御注意ください。

右往左往を楽しむ

9月27日(日)は、マルチピッチリード講習にて、小川山。
男性SRさん、男性FKさんの2名。
<どこから取り付こうか?>

マルチピッチの魅力の1つは、頂上を目指すことです。

簡単なピッチを、グイグイ高度を上げるのも気分爽快でしょう。
でも、当塾講習生はマルチピッチ初心者なので、ロープワークもルートファインディングも素早く出来ません(笑)。
<登攀準備>

ただし、クラックリード講習から順に受けていただいている分、1ピッチにおける安全管理能力や、本気トライのノウハウは、ちょっと光るものがございます。

そんな訳で、トポ無視で登ってもらっても、ルートファインディングを楽しむくらいの余裕があるのです。
<クラック混じりの緩傾斜帯>

もちろん、初心者なのでライン読みは頻繁にハズレくじを引きます。

ただ、少し慣れてきた2人は
「中央のスラブ~クラックが面白そうだな。でも、クラックに辿りつく前が怖すぎたら、右のブッシュ混じりのクラックもありかな。」

というプランAとBを話しあえます。
<システム面に、まだ課題あり>

で、実際にAとBの分岐点から、どちらのラインも様子見。

さらに、プランAのラインを試みて、途中敗退。
次に、プランBで無事突破。
(行ってみると、見た目よりはヤブっぽくなくて、楽しめる内容だったり。)
<立木混じりのクラック>

という流れで、身体と頭を両方使ってのルートファインディングです。

これを、1ピッチずつ重ねて、稜線へと出て行きます。
<稜線へ>

また、当塾講習生は、一般のマルチピッチ初心者よりは少しばかり登れる方だと思います。
(特に、クラック)

ですから、今回も頂上直下に出てきたクラックを見事に完登!
<楽しい一時>

隣で、このクラック手前から懸垂下降する他パーティを横目に、さらに頂上へ近い高みへと進むことが出来ました。
<マルチピッチ中でも、適度な攻めの姿勢を身につけて来たSRさん>

ちなみに、このクラックが短い割に意外と面白く、フレアーハンドの好課題という気もします。

2人とも、ビックロック日吉で登り込んでいるだけありますねー。
<完登!ただし、カムが上向いちゃってます。>

マルチピッチの魅力は、こうやって右往左往しながら答えを探していくことにあるように思います。

グイグイ高度を稼ぐのも楽しいんだけど、こっちの方がより奥深い楽しみがあると感じます。
1日に数ピッチしか進まないこともあるマルチピッチリード講習ですが、得られるものはピッチ数では測れないと思いますよ。
<FKさんも、フリーで突破>

今回は、2人にとって丁度良い難しさだったようです。

右往左往が楽しいとは言え、結果が敗退だとちょっと悲しいですからね。
5割~9割方登れるだろう、というルートを選ぶのは、こちらの問題です。

さて、次回はどこにしましょう。
<本日は、ここで完登とします!>

ちなみに、カムが上を向いてしまった原因は、

・カムを蹴った
・ロープの流れでカムを引っ張り上げた

のいずれかだと思います。

上を向いたら効かなくなるパターンもあるので、気をつけましょう。
<懸垂下降>

<余った時間で、スラブ練習>

2015年9月25日金曜日

レスト中に考える習慣付け

9月23日(水)は、シルバーウィークの最終日。
ムーヴLv.0を6時間コース。

女性Sさん、加えて女性3人組のKKさん、KBさん、ADさん。
リード中、たとえそれが限界グレードの本気トライであろうとも、戦略を練りながら登る余裕が必要です。

そのためには、レスト。
で、講習の段階が進む毎に、レスト中に考えて欲しい内容も複雑多岐に渡って来ます。
ジムのリード講習なら、「いつまでにクリップしなきゃ、ヤバい。」くらいです。

が、実際の本気トライでは、
「あそこでクリップ出来そうだけど、もしそれが出来なかったら、完登を諦めるか、もう一手進むんでもO.K.か?」
という感じ。

さらに、岩場リードではミニマムボルトに対応するために、ランナウト中の思考も大事です。
クラックなんて、さらに考えることがあります。

そして、マルチピッチリード講習や沢登りでは、ライン取りすらも選択肢が沢山あるのです。

レストしながら考えるのも、なかなか奥が深い・・・。
数年掛かりですね。
そこで、早い段階で慣れるため、手順用語を講習するとき、一工夫してみました。

従来のオブザベが、
「あそこは、マッチか飛ばしだな。あとは、現場処理。」
という思考回路が目標でした。

現在は、
「あそこは、マッチか飛ばしだな。直前のガバで、レストしながら再検討して決定出来ればベストだけど。まぁ、触ってみてマッチ無理!とか思ったら飛ばし、という現場処理もアリだな。」

という思考回路に導くことを、私の目標設定にしてみました。

で、私の意識が変わると、たしかに講習生の意識レベルも変わるものだと実感しました。

アレンジ直後なんで、課題設定や講習中に使う言い回しは、まだ洗練させられそうです。
講習中、密かに感動する日々です。
ここ最近、思考回路について検討しているせいで、どこまでが個性で、どこからが成長させるべき考え方なのか、分からなくなってますよ(笑)。
人間の考え方って、日々変われるものみたいです。



具体的な講習内容
・一手一手レストする練習
・片手主体のバランスを作る意識
・足をスタンスに馴染ませる
・手順用語とオブザベーション

女性KKさんは、だいぶ登りが安定して来たので、ジムリード講習の受講O.K.としました。

2015年9月24日木曜日

他分野のエキスパートは、素人さんのように学ぶ

9月22日(火)は、クラックリード講習にて、湯川。
女性HMさん、男性ONさん、男性TNさん。

新規の講習生だと、ゼロに近い素人さんは教えやすいものです。

経験も善し悪しで、固定観念や悪い練習習慣から脱却するのが難しいものです。
例えば、過去にあった講習生からの間違い発言。

「カムは抜けることがあるから、とにかく数打つものなんですよね。」
「余裕が無いときは、カムなんて見てる暇ないから、適当に突っ込むか登りきるんですよね。」
「限界グレードは、必ずトップロープで練習した方が良いんですよね。」
「フィンガージャムって、落ちたら指が切れたりするんでしょ。」
「クラックって、ジャミングだけで登るものなんですよね。」
「山に行ったら、真面目にカムセットなんかしてるより、スピードだよ。」
「カムは、奥まで突っ込んだ方が効くけど、甘効きくらいじゃないと回収できないよ。」

まぁ、数え上げたらキリがなく、思い出せば何十個も書けそうです。
実際、すでにマルチに行っちゃってカムを使ったことがある人の方が、盛大に勘違いしていたりします。

しかも、こういう固定観念を他の講習生に話し始めちゃったりすると、収集がつかない事態になります。
<珍しく、フィンガー練習も>

だから、講習生として教えやすいのは、

・山経験は、夏山縦走程度
・クライミング経験は、ボルダリングは上手いけど、ロープは全般に自信ありません
・マルチピッチ経験、沢登り、本チャンの経験は、ありません

という人です。
<大和屋(5.7)>

富士山ガイドをしていても、過去に富士山を登ったことがある人は、偏った意見を持ちがちだったりします。
まぁ、何でもそうなんでしょう。

自分の経験や、本で読んだだけの知識だけだと、必ず偏るものです。
何度も書いていますが、私が言っていることも、ときどき間違いが含まれているだろうと思って下さって構いません。

少なくとも講習を受けるくらいの意識レベルなら、
「自分が間違っているかも。」
と思い続けているはずなので、だいぶマシなはず!!!

「私はこう思うんですが、合ってますかね?」
といった話し方になるものです。
<だいぶ安定して来たONさん>

一方で、何かを突き詰めて練習していた人というのは、とても素直だったりします。

例えば、他のスポーツであっても、クライミングの5.13レベルまで頑張っていた人なら万々歳です。
釣りを趣味に10年やって来た人も、なかなか筋が良かったです。
よくよく聞いたら、学生の頃から沢登り歴30年という講習生がおりました。
しかも、後半20年は4月~10月まで、ほぼ毎週沢だそうで。

「それじゃぁ、僕なんかよりエキスパートじゃないですか!?」
という気もしますが、沢屋さんにクライミングを苦手とする人が多いのも承知しております。

(ホントは、それじゃ危険だと思うので、講習ではマルチピッチより後にしております。)
なんと!
その方、一度は飛び級して来たものの。
今後は、ジムのリード講習を1から受け始めてくださるそうです。

本日も、エイトノットを丁寧に結ぶ方法から、しっかり聞いて下さいましたし。
これだけの意識レベルなら、クライミングも必ずや上達するでしょう。

その方が見ていると思うと、沢の講習記録を書くのも緊張するぐらいです(笑)。
<フォーサイト(5.10a/b)>

具体的な講習内容
・ハンドジャムのコツ
・方向を変えずに引く意識
・トップロープで練習(TNさん)
・リードで落ちる練習(HMさん、ONさん)
・実践リードトライ
ONさん:大和屋(5.7)をR.P.、デゲンナー(5.8)をR.P.
HMさん:フォーサイト(5.10a/b)を、テンション掛け掛けムーヴ解決

さてさて、本日でHMさんはクラックリード講習を卒業としました。
そろそろ、自力でリードトライしに行って欲しい頃合いですね。

おめでとうございます!

男女のイコールパートナーを目指せ

9月21日(月)は、マルチピッチリード講習にて、小川山。
女性MTさん、男性OGさんのペア。
<ビレイ点作り練習>

男女でパートナーを組むことは、とても多いパターンです。
話し合いも丸く収まりやすいのか、お互いに優しくなれるのか、得意分野の違いで相補的なのが良いのか?

これ自体、メリットは大変大きいと感じております。
実際、私も半分以上は女性と登っているような記憶です。
<勉強熱心>

ただし、今回は敢えてデメリットを意識して欲しいなと。

例えば、雪山。

私は、料理が元々好きではありません。
で、パートナーが食事当番をしてくれるなら、こんなにありがたいことはありません。
ただ、こうなるとパートナーばかりが山での炊事に強くなります。

私は、ときどきしかやらないので、結局はレトルト的なものから進歩しません。
一方、パートナーは少しずつ進歩していたりします。
<1P目は、レディファーストで>

逆の例は、地図読みです。

私が先に歩いて、地図を眺めながら待っていたりするので、パートナーが到着する頃には判断済みです。

「こう思うんだけど、良いよね?」
という確認程度しか会話しません。

これで、私は地図読みスキルが上がって行きますが、パートナーはほとんど上達しません。
<2P目>

つまり、弱点を補いあっていることが、弱点克服の妨げになっているというパターンです。

クライミングに限らず、職場や家庭でもありそうな話ですね。
<乾いた岩も気持ちいい>

さらに、これが続くと、スキルに差が出過ぎて悪影響が出て来ます。

地図読みに失敗しても、パートナーが相談相手として役立たずという事態。
もちろん、これには私にも責任があるので、文句は言えません。
<こんな話し合いを続けて欲しい>

また、スキルの差が大きくなると、話し合いも意味がなくなり、スキルが高い側も成長がストップしやすいという問題も。

もちろん、座学や講習でも補えますが、パートナーという視点からの指摘は、多少のスキル差があってもありがたいはずです。
<複数ピッチは、実質初めて>

で、クライミング講習のメインは、

・クライミング能力
・安全管理能力
・それらを含めた判断力

といった、男性有利な科目が並びます。
(ラッセルとか、ボッカに比べれば、逆転する例は多いので、僅差なのかもしれませんが。)
<小川山は、やっぱり快適>

そういったことを踏まえて、私から何が出来るかは、日々の試行錯誤です。

講習生同士でも男女ペアは多いですし、せっかく相性が良いのにパートナー解散は勿体ないですから。
そもそも、夫婦だと解散はリスクです。
<ここで完登、と自分たちで決定>

で、年々ハッキリと打ち出しているのは、講習内容は女性を中心に行った方が良いということです。

ビレイ点作りなどのシステム系は、女性が理解できるまで反復。
リードや懸垂下降のトップは、女性が回数多め。

こうやって、練習機会に差を付けるくらいで、ちょうど話し合いが面白いレベルになるのではないかと思っています。

そして、女性にも自立心がある状態で、クライミング人生をスタートさせて欲しいなと。
<懸垂下降もレディファースト>

ただし、このやり方。
女性の練習量が増えるので、結構ガッツが要求されます。

そして、男性には待ち時間に耐えるだけの忍耐力が要求されます。
あれ?
忍耐は、本来は女性の得意分野でしたっけ?

頑張って欲しいです。
<ロープも絡みまくり>

ちなみに、不利を補う意味では、女性の方がロープワーク講習やムーヴ講習、あるいは岩場リードやクラックリードの復習に参加するのをオススメいたします。

クライミング能力や手際の差が小さければ、一緒に判断する時間も作れますよ!
<ギリギリ、明るいうちに降りられました>

ちなみに、男女ペアを推奨している訳ではありません。
男同士、女同士も、色々な可能性があると思いますよ。

研修登山

9月19日(土)、20日(日)は、研修登山にて、奥多摩の丹波川流域火打石谷。
男性HYさん(沢の講習3回目)、女性ARさん(沢の講習1回目)。
<よく晴れました>

研修登山は、講習の中でも一番楽しみなものです。

特に、沢登りの講習について、それに触れてみましょう。
<入渓>

1つ目に、入山前のメールやり取りからして、段違いの回数だったりします。

沢登りには、様々な装備が必要で、かつ人によって違います。
だから、沢の入門書を読んでも、質問だらけになります。
そこで、山岳部の新人練成のように、コツコツお答えします。

また、ロープは何本にするか、幕営装備はなどと共同装備の分担も、当然不慣れなので、説明しながらメールやり取りです。
<スラブムーヴが試される>

2つ目に、実際の沢登りは、クライミングと水とのアスレチックです。

一般の新人なら、怪我をしないか冷や汗ものです。
我々にとっては、本人がリスクを認知していないというのが、一番心臓に悪い気がしますので。

ただ、マルチピッチリード講習の卒業生が対象なので、大半のリスクは共有できております。
本人が気が付かなかったとしても、指摘すれば理解できることが多いので、だいぶ楽です。
<廊下っぽい>

で、このアスレチックが、実はクライミング的にも面白いのです。

高さ数メートルの滝でも、落ちたら怪我するものもあれば、出だしだけが難しくて落ちても水にドボンという遊び的なものも。

前者は、荷揚げも考慮にいれつつ、慎重に遊びます。

後者は、まるでジムボルダー(笑)。
リーチの無いARさんは、5級くらいの課題を沢山登ったように感じていたそうです。
(実際は、ザックを下ろさずに登ったりしているので、ARさんが落ちて2~4トライ目で登ったにせよ7~8級でしょう。)
こんな山の中で、スポーツ的なトライが出来るなんて、私は楽しくて仕方ない気分になります。

ちなみに、ボルダーは河原などにある大きな岩、というのが元の意味なので、雰囲気も近いものがありますね。
<荷揚げしておいて、フリークライミングを遊んだ小滝>

3つ目に、通常のリスク判断についても、まだ講習することはあります。

今回も、HYさんがなんとなく水を避けて小滝を高巻く場面。
下から見えていた最初のバンドがトラバース出来ず、次のバンドまで上がる。
そのバンドもトラバース出来ず、さらにボロ壁へと登り始める。

見ていて、そのボロ壁は一端登り始めたらクライムダウンもできそうもありません。
しかも、高巻きを始める段階で、そこまで真剣にオブザベーションしていなかったので、その後のライン読みも不安です。

で、そこで私からストップ指示。
慎重にクライムダウン敗退していただき、別のラインから小滝を登ってもらいました。

高巻きは、計画的にお願いします。
<高巻き失敗で、クライムダウン敗退の巻>

4つ目に、ロープを出すような登攀です。

これは、マルチピッチリード講習の成果が試されます。
今回は、トポも読まずに来てもらったので、ライン読みも自分で行います。
登ってみればⅢ~Ⅳ級のレベルでも、情報なしで敗退シナリオを考えながら登るのは、本当に充実します。

ちなみに、今回の沢は10~20mくらの滝でも、残置ハーケンは1本くらいしか無いです。
そもそも、中級以上のバリエーションは、残置頼みの初心者が登れるものではありません。

地道に、カムやハーケンの使い方、敗退を考慮しながら登る練習をして来た成果を、ここで発揮してもらいましょう。
<初日のハイライト>

ちなみに、ロープを出して登っても、滝の落ち口にスムーズに出られるとは限りません。

今回も、落ち口より7mほど上の立木から、懸垂下降で沢に戻りました。
そういった場面でも、応用的なロープワークが出て来て、かなり研修になっていたようです。
<ARさんが突破>

<ARさんはリーチ的に、ボルダームーヴを連発>
5つ目は、泳ぎ。
今回は、希望により水量の少ない沢でしたが、これも勉強になります。

・身体を冷やさないような工夫
・水流のリスク判断
・ロープによる確保、荷揚げなどのバックアッププラン

たまたま、1ヶ所だけ数メートルの泳ぎが出てきたので、これも良い経験でしたね。
<ちょい泳ぎからガバの滝>

<そのまま、セカンドのビレイ>

6つ目は、荷揚げ。

ちょっとした小滝で、安易にA0するのは成長を阻害するのでオススメしません。
その分、荷揚げノウハウを磨く必要があります。

小滝の上が、良い足場なのか、セルフビレイは取れるのか。
シチュエーション毎に正解は違います。

ザックが引っかかることもあり、創意工夫が要求されます。
<足場の悪い高巻きで、荷揚げに困る>

とまぁ、厳しい話ばかりですが、歩くだけでも楽しい景色が広がるのも沢登りの魅力です。

講習には不向きですが、笛吹川の釜の沢なんかは綺麗なので、自分たちで行ってみると楽しいでしょうね。
<ちょっとした7段のナメ階段>

7つ目は、幕営です。

ツエルトの張り方、焚火といった目立つノウハウが、講習生は気になるところ。
ただ、それ以前に、どこを幕営適地と判断するかにも、頭を使います。

平坦なだけではダメで、増水した場合のリスクなんかも考えます。
<生活感あふれる>

そして、なんだかんだ言っても、天気の良い夜に焚火を囲むのは楽しいものです。
<だいぶ乾いた>


さて、2日目。

8つ目に、地図読みも、沢独特のノウハウがあると思います。
尾根の場合は、小ピークやコルから判断しますが、沢の場合は支流の大きさ(水量比)が大事だったりします。

「地形図上、ここの二股は10対1くらいの水量比だけど、広いから気付けそうだね。」
と言った先読みをしていきます。

これまた、かなり苦労していましたが、それだけ経験値が積めたでしょう。
<地形図上のポイントを伝えあって話すのも、一苦労>

<2日目の第1核心へ>

<左壁のクラックにラインを求める。この後、ビレイ点作りで失敗>

ちなみに、ロープを出してクライミングする場合、荷揚げも出来ます。
ただし、ザックが引っかかることも多く、意外とテクニカルです。

今回、全てフォローに回ったHYさん。
「荷揚げには、ちょっと詳しくなりました。」
<フォローで荷揚げ担当のHYさん>

9つ目は、寒さ対策。

雨具をサッと着込むのも、重要です。
結局、私とARさんは、2日目は雨具を上下とも着込みっぱなしでした。

また、大滝登攀では、ビレイ位置も大事です。
1時間もビレイしていたら、低体温症になっちゃいますからね。
<20m級の大滝登攀。2日目のハイライト>

<高巻き気味にラインを求めるARさん>

でもって、ツメも結構難しいです。

どこまで沢を使い、どこから尾根に乗ってしまうのか?

・沢の方が水が汲める
・緩やかな尾根に乗れれば、だいぶ楽
・尾根にヤブがあることも
・急斜面の尾根は、ロープが必要なほど悪いことも

などを勘案して決めます。

これは沢講習の初体験のARさんの意見で、早い段階で緩そうな尾根に乗りました。
今回で、どの程度大変かは経験できたと思いますので、次回以降の判断材料にしてくださいませ。
<ツメも、なかなか大変>

そして、私の読みよりは遅れましたが、15時過ぎにトップアウト。
17時過ぎに下山で、明るいうちに帰れたので、まずまずでしょう。

ただ、あまりにも講習したいことが多すぎて、初心者には難しい沢を選び過ぎてしまいました。

HYさんに対しては、毎年そんな講習をやっている気もしますが(笑)。
お互いに、ヘロヘロになってしまいましたので、次回は少し考えましょう。
<熊倉山へとトップアウト>

また、次回から研修登山の料金を値上げすることにします。
これまで、マルチピッチリード講習と同じ、1日あたり15,000円でしたが、20,000円にいたします。

労力もさることながら、帰宅後の装備洗濯などを考えると、翌日に講習を行うのが相当厳しいので。
という訳で、次回から研修登山の翌日は、なるべく休業といたします。

ちなみに、雪上訓練Lv.3、アルパインリード講習も、20,000円なので、ちょうど同じくらいの大変さかな思います。
<お疲れ様でした>