2015年9月10日木曜日

デットポイントは、最後の手段とは限らず

9月9日(水)は、ムーヴLv.1。
男性SRさん、女性ARさん、女性NSさんの3名。
<だいぶ、安定して来ました>

ダイナミックムーヴを、最後の手段と捉えている方がよくいます。

たしかに、ダイナミックムーヴは

「手を出したホールドが悪かったら、ほとんどの場合はフォールするので、大体の掛かりの予測が立っていないと怖い。」
という性質があります。
だから、確かに登山やマルチなどの落ちたら怪我or死亡というシチュエーションでは、避けるべきムーヴです。

本日、ARさんが
「戻れないことが多いから、出来れば避けたいなー。」

と言っていたのも、似たような感じです。
<綺麗なダイアゴナル>

ただ、落ちても大丈夫なクライミングでは、重要な省エネ技術になります。

ここから先は、現物を見ながら説明したいところですが・・・

そもそも、片手になるということ自体が、それなりに疲れるムーヴなんです。
ただ、リードする上では、レストやクリップ態勢が重要だから、片手バランスを集中的に講習して来た訳です。
<本気トライも、だいぶ落ち着いて来ました>

言いかえれば、

登ること自体なら、デッドポイント主体の方が楽ということです。
でも、それだとレストもクリップも出来ないから、結局は混ぜて登らざるを得ないんです。

これが、いわゆるジムっぽい登りというやつで、クラックやマルチだと諸事情によりスタティック主体になります。
ボルトルートだと、その中間くらいですかね。

ジムっぽい登り、是非とも習得ください。
出来るようになってみると、実はマルチでも多少は使った方が良いことに気付くと思います。
具体的な講習内容
・ピンチ用のホールドでなくても、ピンチする方法
・足をデット気味に(反動を使って)移動させる方法
・足の移動をする際に、腰をどこに逃がすか
・反動を付ける際は、一番底からスタートしない方が良い(ARさんに指摘したことだが、日本語にするのが困難)

実践本気トライ
ARさん:5.10c ムーヴ解決してトップアウト。
オンサイトトライで、最後の一手まで頑張る姿。
テンション後に、色々なムーヴを試す姿は、だいぶクライマーっぽくなったなーと思います。

SRさん:5.10c ムーヴ解決してトップアウト。
ARさんと同様、かなりクライマーらしい落ち着きです。
壁から身体が離れて来たので、クリップ、オブザベ、足上げもやりやすそうに見えました。
Zクリップをしそうなパターンに、見事に引っかかったのは、ちょっと惜しい点です。

NSさん:5.11a オンサイトトライにて、ラスト2手でフォール。すぐにムーヴ解決。
ちょっと読み切れず、それでも可能性の低いムーヴで「止まったらラッキー!」くらいのつもりで一手出しました。
が、今回はラッキーは起こらず。
でも、実力は出し切った会心のトライだと思います。

3人とも、本気トライ戦略は相当レベル高いなー、と思いました。