2017年1月30日月曜日

3月の予約受付

お待たせいたしました。
2月3日(金)の午前0時より、3月分の予約受付を開始いたします。

3月の講習場所の確認です。
①岩場リード
湯河原or天王岩

②クラックリード
城ヶ崎

③マルチピッチ
越沢バットレス

④アイスクライミング
八ヶ岳(オススメは、3月前半。後半だと、エリアが限られるかも。)

その他、雪上訓練、地図読みなどは、普段通りです。
何か質問などありましたら、早めに連絡いただけると幸いです。
土日の枠は、重複して予約が入ることもありますので。

スタティック

1月27日(金)は、リード3回目。
女性MMさん、久々の女性IEさん。
IEさんが、反動を付けて登ることが多かったので、
「クリップ態勢と同じ安定を保って、次の手を出すムーヴをやってみましょうか。」
という練習をば。

つまりは、完璧なスタティックをやってみましょう、という意図。

すると、
「今までと、足の位置が違う!」
「意外と、楽になる場面も多い!」
「そう言えば、オンサイトのときは怖いから、自然とやっているかも。」
「これを意識したら、登り方がちょっと変わるかも。」
と嬉しそうでした。

反動が、ダメって訳じゃないですよ。
それが有効な場面は、とても多いです。
意識して使い分けることが、大事ですね。

さて、IEさんは今回でジムリード講習を卒業といたしました。
もし良かったら、ムーヴ講習や岩場リード講習にもいらしてくださいませ。

好きこそ物の上手なれ

1月26日(木)は、アイスクライミング講習にて、八ヶ岳の美濃戸の氷瀑。
女性SMさん、女性HMさん。
<ボルダー練習>

本日、SMさんは終始「楽しいー。めっちゃ楽しいー。」と喜んでおりました。

とにかく、アイスクライミングが大好きらしいです。
<氷の上を歩く>

当塾に来る前から、何度かアイスクライミングに連れて行ってもらったこともあるようで、そこでハマった様子。
講習初期の頃から、アイスクライミング講習の参加条件(ジムの5.10cをリード)をクリアすることは、1つの目標だったそうです。
<氷の裏>

ちなみに、ほとんどクライミング技術が無いころにアイスクライミングをやった結果、腕は猛烈なパンプ、アックスもアイゼンも氷から抜けそうな恐怖もあったはずです。

同じような経験を持つHMさんは、
「当時は、なんだかすごく疲れる印象でしたけど、今回はバランスが分かって来てとても楽しいです。」
という感想。
<ボルダー練習その2>

興味深かったので、帰りに2人にアイスクライミングの魅力を訪ねてみました。

HMさん
「普段のクライミングとも、クラックとも、(色々なコツが)繋がっているのが楽しかったです。あとは、単純に雪の中にいるっていうのが好きなんだと思います。今が、ちょうど良いタイミングなのかも。」

SMさん
「(アイスクライミングに出てくる要素は、)ぜーんぶ。」
<午後は、トップロープ>

なるほどー。

HMさんは、僕と近いモチベーションかなと思います。もうちょっと大きな滝とか、ロケーションの良いエリアを知ったら、さらに好きになるかもしれません。
SMさんからは、クライミング技術は僕より稚拙でも、アイスは僕より上手い友達くらいのモチベーションを感じます(笑)。
<リードする私>

SMさんは当然ですが、HMさんもとてもアイスクライミングを気に入った様子でした。
やっぱり、最初は好きにならないと始まりませんよねー。

リードを覚えるまでには時間が掛かるタイプでしょうけど、とりあえず楽しいなら何よりです!
<スクリュー回収中>

<ビレイ中>

<今日は、明るいうちに帰ります>

ハングドッグの意識

1月25日(水)は、昼がムーヴLv.0。
新規女性KFさん。

夜がムーヴLv.1。
女性Sさん、女性SMさん、女性HMさん。
誰がターゲットなのか、我ながら分からなくなるブログです。

ときどき、“ハングドッグ”という言葉を使っているのですが、ジムリード講習、岩場リード講習くらいの人だと、知らない人も多いです。
本日も、ちょっと誤解があったようでした。

最近聞かれることが多いので、久々に解説。
本気トライで、残念ながらフォールやテンションが入ってしまったとします。

その際に、次のトライに備えてロワーダウンするか、テンション状態で休憩して次のトライへのリハーサルするか、といった選択を迫られます。
後者が、ハングドッグです。
(ハングドッグを潔しとせずに、毎回ロワーダウンするスタイルもある。)

で、ハングドッグは次のトライのためのリハーサルが目的なので、何度でもテンションO.K.。
むしろ、テンションを休憩手段として積極利用しているので、意図的に1ピン毎にテンションを掛けて、手順を記憶したりすることもあります。
(10テンションであろうと、20テンションであろうと、回数は恥とみなさない。次のトライに繋がることが大事。長時間過ぎると、ビレイヤーなどに迷惑だが。)

また、説明の都合上、本気トライ後の話としましたが、実はハングドッグ前提で1トライするということも有り得ます。
例えば、オンサイトトライしてみた感触で、「こりゃー、何回かは練習トライを作らなきゃ、完登は無理!」と思えば、2トライ目、3トライ目はハングドッグするためにリードするようなものです。
この場合、2トライ目という言い方よりも、2便目という方がしっくり来ると感じています。

“便”というのは、電車から来ているらしく、全ボルトでテンションしながら登るようなハングドッグを“各駅停車”などと呼ぶので、ますますピッタリ来ます。
(「ハングドッグ自体は許容するけれど、ハングドッグ前提のトライはやり過ぎだ!だから、何便目という言い方も嫌いです。」と、おっしゃる人も居ます。)

対立概念はさておき、
「各駅停車だろうが、20テンションだろうが恥とせず、次のトライのためのリハーサルに専念せよ。」
というのが、ハングドッグの基本的な考え方、といって差し支えないと思います。

さて、ここからは、講習生を見ていての私の実感。
1テン入ってから、
「ロワーダウンで敗退はしたくないけど、この先はもうテンション無しで(もしくはテンション数を出来るだけ少なく)トップアウトしたいな。」
と感じる講習生が多いです。
結果的に、次回への有効なムーヴは記憶せずに降りて来ます。部分部分をオンサイトトライっぽく頑張っているとも言えますが、やはり1テンション入っているので、気合不足にも見えます。
(トップアウトするにせよ、粘り疲れて敗退するにせよ。)

講習生のそれが、一番本能に忠実なのかもしれません。
ただ、練習方法としては、中途半端にも見えます。

という訳で、私の方針。
「最初は違和感がある方法かもしれませんが、トップロープよりは十分リード練習になります。ハングドッグっていう練習をしているんだ、という意識は持った方が良いですよ。」

うーむ、書き始めると詳細になってしまう私の悪い癖です。
でも、ハングドッグって、方法だけ教えてもダメみたいです。考え方を説明しないと、納得しない人が多いという印象です。

2017年1月28日土曜日

お知らせ

みなさん、こんにちは。
ちょっと連続で動いて、ブログが滞っております。
アイスクライミング講習は、寒いけど、講習生の感動は大きめで達成感がありました。また、数日中に。

さて、2月の11日(土)、12日(日)の予定が無くなりましたので、空きになりました。
もし何かしら受講したい方がいらっしゃいましたら、御連絡いただければと思います。厳冬期まっさかりで、なんでもどうぞな時期ですが、いかがでしょうか。

2017年1月24日火曜日

考えるのが趣味

1月23日(月)は、奥利根にて1人でスキー練習。
今年は、すごく滑れる日数が少なさそうです。
10日も無いかも。
まぁ、年末年始まで登っていたし、3月末くらいからクライミングに戻りそうな気もするので、止む無し。

スキー場の常連さんと話すと、僕がコツの話にしか興味を示さないので、
「上手くなりたいんだったら、数だよ。30日とか滑んなきゃ。」
みたいなことを言われたりします。

クライミングの経験からも、それが真理だと思います。
そんな会話をしていて思ったんですが、最近の私は大して上手くないたいと思っていない気がします。

極端な話、今日1日が練習として充実していれば、満足して帰路に着けます。
ウォームアップして、色々な練習しながら、何かしらコツを発見して、自分なりに反復練習して洗練させます。
コツが大きくて、明らかに上手くなれば大満足。超小技1つ2つの日は、やや不満足。

その過程自体が楽しいのであって、基礎スキーの何級とか、いついつまでにパウダーが滑れるように、とかいう目標はありません(笑)。


ちなみに、本日思ったこと。
・新雪でコケたら、ウェアからきちんと雪を出そう。これまでは、どうせ5分後にはまたコケると諦めていたけれど、そろそろちゃんとした方が良い。
・前転してコケると、ゴーグルが雪まみれになって、困る。今のレベルだと、山には2つ持っていくべきか?
・スキー板を担ぐムーヴに、洗練を感じた。
・スキー靴をキツめに締める意味が、ようやく感じられた。今までは、ゆるゆるでも違いが分からず。
・滑り始める前に、自分と板の位置関係の良しあしを、板の操作しやすさで判断するようになった。(たぶん、これが一番将来に繋がるコツ)

会話になる

1月22日(日)は、雪上訓練Lv.1-Bにて、谷川岳天神尾根。
男性NMさん。
<天神平>

昨シーズン、このクラスに来ていただいたNMさん。

当時は、夏山自体が経験も浅く、何が何やらという雰囲気でした。
<トレースを追う>

具体的には、
・夏山も、歩行時間3~5時間くらいのハイキング+αくらいのものが多い。
・地図の読み方は知らない。
・東京近郊の低山で、軽アイゼンを使うような山行経験も、ほとんど無い。

という状態。

「雪山以前に、いろいろ課題ありますよね。」
という気持ちになります。
<人が多い>

それでも、歩行技術自体は、講習できます。

しかし、
「何時までに、どこを通過してないと、さすがに下山が心配だから・・・。」
っていう話1つとっても、地図が読めないんじゃ会話になりません。
<谷川岳>

他にも、雪山の色々な判断を会話しようにも、そもそも夏山経験が少ないから、と思ってしまいます。
でも、1年経って、だいぶ変わりました。

月1回程度とはいえ、夏も1人で色々な山を歩き。
年末年始で、赤城山で少し雪の上を歩き。
八ヶ岳の天狗岳に登ろうとして、時間切れ敗退を経験し。

その間に、当塾の地図読み講習も1回来て下さり。
とすると、本当に会話が通じる人になりました!

リスクに対する考え方、敗退のタイムリミットに対する考え方を話しても、以前のような“のれんに腕押し”って感じはありません。

嬉しいです!
ちなみに、
「あの人とは、(山屋として、クライマーとして)会話になるよね。」
みたいな言い方は、今井くんが好きな表現です(笑)。

前提条件が合うとか、気持ちを分かってくれるとか、似たような経験を何かしらでしているとか、そういう意味です。
特に、クライマーとしての気持ちを分かってくれるかどうかに、力点がある様子でしたが。
<頂上直下の大斜面>

一見すごそうな人でも、会話にならんと切り捨てることもあれば。
初級者でも、会話になるから教えるの楽しい、みたいなことを言っていたり。
<トマの耳>

今回は、特にマンツーマンだったので、1年前より会話になって嬉しかったです。

月1回でも、地道に続けてくださいませ。

また機会があれば、来てください。
雪山講習の続きでも、復習参加でも、クライミング講習でも。
<前回は登頂断念した、オキの耳>

<私が小さく見える>

<下山開始>


<穏やかな下山>

グレードに踊らされる

1月21日(土)は、岩場リード講習にて、湯河原。
女性Sさん、女性ADさん、男性STさん。
クライミングの実力を表す指標として、最高グレードがあります。
ただ、長くやっている人なら、それで測れるのは実力の一部だということも知っているはずです。
講習生が自分で岩場に行った際に、アリババ(5.10b)をトライしたそうです。

その過程を尋ねると
①そもそも、マスターで取り付くのが怖かったので、他の人にヌンチャクを掛けてもらう。
(妥協その1)

②それでリードトライするも、やや怖いセクションがあって、敗退。そこで、トップロープを張ってもらう。
(妥協その2)

③トップロープでムーヴ解決したので、今度行く機会があったら、R.P.しようかと思っている。
(完登したら、そこまでの妥協は全てチャラになるか否か?)
さて、その方に尋ねると、湯河原の5.10aはほとんど登っていないそうです。
アブラカダブラ、フック船長、アボリジニ、などなど。

なるほど、飛び級しております。

アブラカダブラ(5.10a)をトライすれば、オンサイトできないまでも、マスターでトライも出来るし、数トライでR.P.できるかもしれません。
「順番的には、そっちが先じゃないでしょうか?」という意味で、飛び級です。
湯河原に1回行く毎に、5.10aを1本ずつ登って行く人は、アリババ(5.10b)をトライするまでに、5日とか10日かかるかもしれません。

いきなりアリババにトライする人は、3日目くらいには初5.10bを手中に収めているかもしれません。

この場合、最高グレードは5.10bになるわけですが、だからとって5.10aが楽々になる訳ではありません。
特に、このケースだと初5.10bのために、ヌンチャクを自力で掛けることや、トップロープしないで頑張ることを妥協しています。言ってしまえば、下駄をはかせてもらった最高グレード、とも言えます。
ま、どんなに下駄を履いてでも、最高グレード更新は嬉しいですけどねー。
自分より強い人と一緒のときに、プレッシャー少なく最高グレードに触りたい、という人も多いです。
問題は、その下駄を脱ぐ日は来るのか?という話。

今回も、5.10bまでしか登っていない人に、ゼルダ(5.11a)をR.P.してもらいましたが、すごーく嬉しそうでした(笑)。
ただ、これで5.10b~5.10dあたりに「もう用が無い!」なんてことには、絶対ならないんですよね。

クライミングは、下積みが大事みたいです。


具体的な講習内容
・普段の講習内容は、省略
・実践本気トライ
STさん:ゼルダ(5.11a) R.P.。通算2日、3トライ。
Sさん:アブラカダブラ(5.10a) 1テンションして、トップアウト。
ADさん:インチキするな(5.8) オンサイトトライだけれど、下から多少指示を出したので、厳密な記録としてはフラッシュ。

2017年1月21日土曜日

教え方のマイブーム

1月20日(金)は、ムーヴLv.0を2回戦。
昼の部は、女性KBさん、新潟の女性NBさん、新規女性KJさん。
夜の部は、女性YHさん、男性MZさん、女性TDさん、男性THさん。

うっかり、写真を消去してしまいました・・・。
今回は、ほとんど趣味のような日記です。

最近、講習生の思考回路に迫るのが、楽しいです。

例えば、「ガバを持ってレストしましょう。」っていうときに、ついついガバを持ったら進んでしまう(とりあえず足を上げてしまう)人がいます。

「いやいや、上げちゃったら狭くなっちゃうから、レストしにくいじゃないですか。」
と言いたくなる気持ちを堪えて、足を上げたくなる人の心理を聞きとってみます。
(言い訳どーぞ、みたいなニュアンスの会話です。)

よくある回答としては、
「何となく、早く行きたくて。」
「何となく、ガバ持つと本能的に身体を上げたくなって。」
というぐらいのボンヤリした人もいれば。

「パンプしないためには、スピードが命でしょ。」
「アルパインはスピードが命だって、先輩に言われたんで。」
という明確な意思を持って、私の指示と反対の行動を取っている人も、過去にはいました。

興味深いのは、私の指示と反対の行動を取っていることに、本人が無自覚だったりすることです。
で、禅問答よろしく会話をしていくと、本人なりに色々と頭が整理されてきて、ムーヴがガラッと変わることがあります。
これって、教える側にとっては結構達成感があります(笑)。

この方法って、マルチ講習とか、すごく教えるのに苦労した方々相手とかでは、何年も前から使ってきました。
それが、私にとっての反復練習になっていた様子です。
色々と、興味深い・・・。

講習生には、なんのこっちゃという話でスミマセン。

さて、本日は女性KBさん、女性YHさんをリード講習に進んでO.K.としました。
ゆっくりやっていきましょう。

2017年1月20日金曜日

カムのラッキングあれこれ

1月19日(木)は、クラックリード講習にて、城ヶ崎。
女性SMさん、女性IUさん。
カムのラッキングに関して、色々な方法があります。
ちょっと講習中の会話から発展させて、今回のネタに。

卒業生で、最初に講習で教わった方法そのまんま、という人は再考の機会にどうぞ。

①肩のギアラック
両肩、タスキ掛け、タスキ掛けの補助ありで実質両肩っぽいタイプ。

両肩:
ギアの量が多い時に、上手く荷重分散できるというメリットがあります。
(典型例は、カムもスクリューも持っていくような冬壁など。クラック講習の範囲じゃないですが。)

タスキ掛け:
左肩にも右肩にも掛けることも可能で、ムーヴの都合で選べるというメリットがあります。個人的には、ルート中での左右の変更も、よく使います。
(典型例は、ワイド。)

講習では、タスキ掛けをオススメ。
(20m越えのクラックとかは講習では使わないし、ワイドも基礎的なレベルでは触った方が良いと思っているので。)
②ラッキング場所(肩のギアラック主体orハーネス主体?)

肩:
なるべく整列を維持すれば残量把握がしやすく、左右どちらの手でも取り出しやすいです。ハーネスに大量にラッキングすると、ハーネスが腰からズリ落ちて来やすいという意見もあります。

ハーネス:
ムーヴの制約になりにくいので、登ること自体が楽に感じます。

講習だと、肩主体をオススメ。
ハーネス主体は、オンサイトトライでは、頭を使いまくりです。
肩と腰を分散する方式も、なかなか便利。
③順序

理想は、使う順だと楽です。ただし、これはオブザベが大外れすると、単にカム配置がバラバラなだけになってしまい、悲惨です。
反対に、大きさ順に整列させると、残量把握がしやすいです。初心者の場合、そもそもカムの色順が覚えられていないことも多いので、使い勝手が良いです。

ちょっと一工夫として。
・出だしで、明らかに使いそうなサイズだけは、手前に並べておく。
・終盤にしか使わなさそうなサイズは、取り出しにくいところに並べておく。
・大レストポイント毎に、カムの順番整理の時間を取る。(余裕がなくて、カム配置を無視して戻してしまった!レストポイント直後に使いそうなカムを、手前に出しておこう!など。)
④残量の意識

戦略的には、「上部のために、この辺のサイズは残しておきたい。」という発想が理想。

初心者的には、「下部で、同じサイズを2つとも使いきっちゃうのは、マズイでしょ!(上部のオブザベなんて、当たるか分かんないから、出来れば1セットフルで残したいくらい。)」。
(とはいえ、本当に上部が見えないときは、初心者的な意識で行くしかないときも多いです。)

この辺の意識も、ラッキングに影響します。
そんな感じで、講習では以下のように。

①タスキ掛け
②肩のラッキング主体
③大きさ順主体
④2セット弱のカムを持って、何となく残量を意識して、足りなくなったらクライムダウン回収など

個人的には、これがクラック初心者の要望に即しているような気がするんですよね。
さて、カムの順序もさすがに完全に覚えて、オブザベも少し当たって来た方々は、そろそろ見直しの機会じゃないですかねー。

脱初心者なラッキングを目指してみるのはいかがでしょうか?
背伸びし過ぎると、かえって泥沼です。

ほんの少しずつやると、良いトレーニングになると思いますよ。
具体的な講習内容
・ハンドジャムのコツあれこれ
(肘の向きの意味、手首を伸ばすか固めるか、など)
・カムセット練習
・疑似リード(SMさん)
・実践本気トライ
IUさん:鬼ころし(5.7) オンサイト

2人とも、ジャミングとカムセットといった基礎的なことは、だいぶ分かってきた様子でした。
あとは、リード中の判断がテーマになってきますね。

2017年1月18日水曜日

教えるという復習

1月15日(日)は、岩場リード講習にて、湯河原。
女性MMさん、女性NMさん、男性NSさん、女性NMさん。
<ダウン着用>

帰りがけに、講習生から
「最近、ボルダー仲間がリードをやりたいというので教えているのだけど、その人が耳が聞こえなくって。そういうのって、何かポイントありますか?」

という質問。
<ようやくポカポカ>

いきなり、随分と高度ですね(笑)。

とはいえ、共に学ぶというスタンスで、一緒に落ちる練習などを実験しているそうです。
しかも、教える側も2人以上というバックアップ態勢なので、聞いている限りは問題なさそうな話。

というか、ジムリードの復習になって、メチャクチャ良さそうな機会ですね!
一応、自分の経験則からすると。

①マルチなどで声が聞こえないことはザラなので、コール無しでも終了点作業の類は問題ないはず。
(ただし、その成長過程で人からの指摘を受けにくいという点には、留意。)

②ハングドッグ中の「テンション」、「緩めて」などは、出来るときだけやる。というルールが限界。

③登りながら「もうちょい緩めで。(張り過ぎないで。)」、「ロープ(ください。クリップしたいので。)」、「よろしくね。(ここから落ちるかも。)」といった、ちょっとした声掛けに相当することは、やるかどうか微妙な問題。
(勘違いのリスク)
つまり、
「熟練者になれば大抵のことは出来そうなものですが、成長過程は、他のクライマー以上に大変でしょう。」
というのが、率直な感想です。
あとは、ものすごく当たり前なことなんですが、個人差は大きいです。

他の講習生と同様、
・登りが荒い
・焦りがち
・落ち込みやすい
・緊張しやすい
などなど。

耳が聞こえないだけでなく、クライマーとして克服していくべき短所が他にもあるというのは、私にとっては講習して初めて体感したことでした。
たぶん健常者も全員そうなのだから、当たり前なんですけど。
なんとなく、盲点でした。
<夕方は、再び寒さが>

でも、今回その方が聞きたかった教え方のポイントについては、特にアドバイスは出来ませんでした(笑)。

結局、覚えるべき技術も大差ないし、経験者2人以上で実験しながら共に学ぶなら、それ以上の環境はきっとないと思いますよ。
あまりに危なそうなら、そこのジムの常連さんがきっと注意してくれることでしょう(笑)。
<寒い中、よく頑張ってくれました!>

具体的な講習内容
・アプローチ練習
沢状地形、道よりも岩の位置関係や大きさの方があてにしやすいこと、など

・ムーヴ講習
スタティックなムーヴ、指を岩に馴染ませるホールディング、など

・ボルトの種類
・トップロープでのムーヴ練習&終了点説明(NSさん、NMさん)
・リードで落ちる練習
・実践本気トライ
MMさん:フック船長(5.10a) オンサイトトライにて、数テンションでトップアウト。クリップも含めて、ムーヴは解決。
NMさん:ゼルダ(5.11a) ハングドッグ練習の意図で。ムーヴ解決してトップアウト。

ところで・・・。

ゼルダって、平均身長の講習生女性で、5.10bくらいがマスターオンサイトできるくらいなら結構みんなムーヴ解決できるんだなと知りました。
リーチが無いと、かなりボルダリーに見えるのですが、皆さん意外なほど謎解きしてくれます。
最初は皆さん、「え!?5.10cも登ったこと無いのに、いきなりイレブンにマスタートライですか?」と衝撃を受けるのですが。案外、出来るもんですね(笑)。
という訳で、最近よく使っています。
ケミカルアンカーですしねー。

2017年1月13日金曜日

ガバで自然にレスト

1月13日(金)は、リード3回目。
女性MMさん。

少しゆっくりリードを覚えた方が良さそうなので、本日はカリキュラムに拘らず。

「レストしている時間に、先々のことを考えましょう。」
とは言うものの、どうしても両手ともホールドから離さずに、上を眺めてしまう人が多いです。

「じゃぁ、そのガバでレストしてみてもらえませんか?」
と尋ねると、どんな態勢ならレストしやすいか、色々と探っている様子。

たしかに、レスト態勢を考えるのに必死すぎると、レストしながら考えるなんて難しいですよね。
登りながら考えるためには、まずガバで自然にレストできることが、最低条件なのですねー。

という訳で、この3時間で疑似リードと、トップロープでの1手1手レストする練習を、みっちり。
だいぶ慣れてきたようで、最後にはレストしている時間に考えるということが実践出来て来た感じでした。
そうそう、それをやって欲しかったのです。

あとは、墜落距離の計算をちょっと実験して、本日終了でした。
ゆっくりですが、伸びどまりなく進んでいる感じで、楽しそうでした。

独り言

1月11日(水)、12日(木)は、スキー練習にて、奥利根。
初日のみ、K田の姐さんも。
スキーの勘戻しは、クライミングよりも早いと聞きます。

感覚的には、クライミングは1ヶ月以上空けると、最低でも数日の勘戻しを要します。(週2日以上登っている人くらいを目安。)
個人的には、アップルートですら登りづらくて気持ち悪いのが2日間くらい。
本気トライになると、体幹が使えなくって腕ばっかり疲れちゃうのが、4日間くらい。

ところが、スキーは半日~2日間もあれば、半年間のブランクを戻せるって言う人が(僕の周りには)多いんですよね。

なぜなんでしょうか?
色々と考えるのが好きなので、自分の身体で実験中です。
仮説①パワー
クライミングは上半身の筋力を使うけれど、スキーは下半身。
上半身の筋力の方が、普段の生活だけだと落ちやすい?
あるいは、そもそも私くらいのスキー初級者だと、始める前と現在でフィジカル的には変わっていない?
ほとんど、テクニックのみが変化。

仮説②本気トライの有無
スキーの方が、勘が戻ったと感じるハードルが低いかもしれません。
クライミングで言えば、アップルートが心地よく感じたぐらいで、完了なのかな。

仮説③リハビリに適した練習
リフトに乗って、アップレベルの斜面を何往復もする、という練習。
しかも、そこで「なんかなー。微妙に変なんだよなー。」と首をかしげながら滑ること自体が、リハビリには最適な気がします。
クライミングで、調子が悪いのに無理に本気トライして、さらに変になることってたまにありますからね。

仮説④テクニック自体の忘れにくさ
感覚的なんですが、スキーの方が忘れにくいような、あるいは思い出しやすいような?
あくまで、自分の感覚的なものです。

どれも、一理はありそうだけど、なんとなく決定打に欠けるような印象(笑)。
まぁ、分かったからと言って、特別に上達に寄与しないような話ですが。
こういうことを考えながら、コツを思い出していく過程を味わうのが、私の楽しみ方だなと最近思っています。

2017年1月10日火曜日

省エネ技術も奥深し

1月9日(月、祝)は、ムーヴLv.1の6時間コース。
男性HYさん、男性ONさん。
<だいぶフォームが良くなって来た>

HYさんはマルチ卒業生、ONさんはマルチ受講中。

クライミングのムーヴを講習する際に、私の重点は。
①省エネ技術
②レスト中に作戦を練ること
③丁寧さ

などにあると思います。
<いつも笑顔>

もとを辿れば、
①マルチピッチなどでの疲れにくさ、易しい箇所での落ちる確率の低さ
②オンサイトトライに強くなること
③本気トライであっても、精神的に落ち着いてリードすること

といったことに主眼があるからです。
<実践、本気トライ>

“ジムでのグレードを上げる”という意味では、もっとトレーニング的な講習の方が手っ取り早いのかもしれません。

ある程度フォームが良くて、故障リスクが低いクライマーなら、インターバルトレーニングとかも有効だと思うんですよね。
実際、僕も過去にはそれで伸びた時期もあるので。

ただ、省エネ技術とか丁寧さも、生涯学習みたいに奥深いなぁと感じております。
なんで、私はインターバルトレーニングよりも、技術を意識して、なるべく沢山登るという方向になりました。それでも、背中がバキバキになれば、それできっと十分だと思うんですよね。

それを学びたいという強い意識が出て来た方には、また来ていただきたいですね。
<スタンスを探す場面>

具体的な講習内容
・片手主体のバランスを、ほぼ完璧にしてから、もう一方の手を離す方法
・どうせ反動を付けるなら、確実にフワッと行く意識
・レスト中の腕の下ろし方あれこれ
・肘を伸ばしきらない方が良い場面あれこれ
・オンサイトトライを復習する意識(今回は、あえてハングドッグして、もう一度ムーヴをなぞってもらった。)
・レスト中に、ムーヴの選択肢を複数持つ意識
・実践本気トライ
2人とも、垂壁の白棒(5.10c)。ONさんが数テンション、HYさんがフラッシュ。